アセットプランニング株式会社に対する行政処分について
平成29年5月31日
関東財務局
1.アセットプランニング株式会社(本店:東京都台東区、法人番号7010501032583、第二種金融商品取引業、投資助言・代理業)(以下「当社」という。)に対する検査の結果、以下の問題が認められたことから、証券取引等監視委員会より行政処分を求める勧告が行われた。(平成29年5月12日付)
当社は、不動産信託受益権の売買を出資対象事業とする匿名組合(以下「本件ファンド」という。)の出資持分の取得勧誘を行っている。
(1) 報告徴取命令に対する虚偽報告
当社は、今回検査が行われる前の平成28年2月に関東財務局長(以下「当局」という。)から本件ファンドの取得勧誘の状況についての報告徴取命令を受けて、同年3月に報告書を提出している。当社は、当該報告書において、本件ファンドに係る顧客数が12名で合計出資金額が約1億円である旨回答している。
しかし、今回検査において確認できた資料によれば、平成24年6月から当該報告書を提出した同28年3月までの間に、当社の取得勧誘によって、本件ファンドに係る顧客数が少なくとも延べ108名で合計出資金額が約10億円であることが認められた。
(2) 検査忌避
上記(1)のとおり、当社が平成28年3月に当局に提出した上記報告書と、今回検査において遠藤広光代表取締役(以下「遠藤代表」という。)から提出された資料により判明した顧客数や出資金額との間に大幅な乖離が生じており、実態の解明を行わなければならないところ、遠藤代表は、検査当初の資料提出後、自ら指定した検査官との面会日を幾度も延期するなど、検査に応じておらず、検査官から延期理由の説明を求められるも合理的な理由を示さないまま、一方的に検査を拒んでいる状況を継続している。
(3) 報告徴取命令に対する報告書の不提出
上記(2)のとおり、当社の業務実態を検証・把握することができないことから、当局は、当社の業務実態等の検証・把握を目的として、当社に対し、平成29年3月と同年4月の2回にわたり業務に関する報告書等を提出するよう報告徴取命令を発出したものの、報告期限を過ぎても当社から報告書等は一切提出されていない。
上記(1)の出資金額等について著しく事実と異なる報告を当局に行っている行為及び上記(3)の報告書等を提出しない行為は、金融商品取引法第52条第1項第6号に規定する「金融商品取引業に関し法令に基づいてする行政官庁の処分に違反したとき」に該当するものと認められる。
また、当社が行った上記(2)の行為は、金融商品取引法第56条の2第1項の規定による検査を拒み、妨げ、忌避するものであり、同法第198条の6第11号及び同法第207条第1項第4号に該当するものと認められる。
(4) 金融商品取引業を適確に遂行するに足りる人的構成を有しない状況
当社は、金融商品取引業を行うに当たり、当該業務に関する十分な知識及び経験を有する役員又は使用人を確保していなければならないところ、今回検査において、遠藤代表以外の役員及び使用人は確認されておらず、また、遠藤代表は、上記のとおり、虚偽の報告を行うほか、当社の業務運営状況の把握や本件ファンドの実態の解明を困難にする行為を繰り返すなどして、自ら法令違反行為を行っており、法令等遵守意識及び投資者保護意識は著しく欠如している。
以上のことから、当社は、金融商品取引業を適確に遂行するに足りる人的構成を有していないものと認められる。
当社における上記の状況は、金融商品取引法第29条の4第1項第1号ホに掲げる「金融商品取引業を適確に遂行するに足りる人的構成を有しない者」に該当するものと認められ、このような当社の状況は、同法第52条第1項第1号に該当するものと認められる。
2.このため、本日、当社に対し、下記(1)については金融商品取引法第52条第1項の規定に基づき、下記(2)については同法第51条の規定に基づき、以下の行政処分を行った。
記
(1) 登録取消し
関東財務局長(金商)第731号の登録を取り消す。
(2) 業務改善命令
- 顧客に対し、行政処分の内容を速やかに説明し、問い合わせ等に対しても適切かつ十分に対応すること。
- ファンド財産の運用・管理状況を早急に把握し、顧客に対し、当該状況その他必要な事項を速やかに説明すること。
- 顧客間の公平に配慮しつつファンド財産の返還等を行うなど、投資者保護に万全の策を講じること。
- 上記1)から3)までの対応・実施状況について、完了までの間(改善策が策定・実施され次第随時)書面により報告すること。
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