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アヴァトレード・ジャパン株式会社に対する行政処分について

令和6年5月14日
関東財務局
 
  1. アヴァトレード・ジャパン株式会社(東京都港区、法人番号2010401081157)(以下「当社」という。)に対する検査の結果、以下の問題が認められたことから、証券取引等監視委員会より行政処分を求める勧告が行われた(令和6年4月23日付)。

     

    【改ざんしたデータを使用してストレステストを実施している状況】

     当社は、令和3年5月頃、ストレステストの結果が悪化しつつあった。近い将来、ストレステストの結果が更に悪化する蓋然性が高いとの不安を抱いた当社の丹羽広代表取締役社長(以下「丹羽社長」という。)は、ストレステスト結果の悪化を回避するため、親会社のコンプライアンス部門の最高責任者に対し、ストレステストに使用する顧客データの改ざんを依頼した。その結果、令和3年5月末から令和5年3月末の各月末のうち、少なくとも13日について、ストレステストに使用する顧客データから大口取引顧客の上位数名のデータを削除したうえで、ストレステストを実施した。

     令和5年5月頃、ストレステストの結果が再度悪化してきたことから、丹羽社長は親会社に対して資金提供を依頼した。しかし、親会社が積極的に応じる姿勢を示さなかったことから、丹羽社長は、当社監査室長に対し、顧客データを改ざんするよう指示した。その結果、当社監査室長は、令和5年5月から同年8月末までの少なくとも24日について、顧客データの一部を削除したうえで、ストレステストを実施した。

     当該状況は、一般社団法人金融先物取引業協会(以下「協会」という。)の規則に基づき、ストレステストを実施すべきところ、正しく実施していないものと認められる。

     また、協会にストレステストの結果を報告する必要があるところ、当社は改ざんしたデータを用いてストレステストを実施しており、正しいデータに基づくストレステストの結果の報告を行っていないものと認められる。

     さらに、ストレステストの結果を踏まえ、必要な場合には、経営の健全性を確保するための措置を講じる必要があるところ、具体的な措置を講じていないものと認められる。

     上記については、丹羽社長自らの法令等遵守意識の欠如に起因して改ざんが行われ、親会社のコンプライアンス部門の最高責任者がデータ改ざんに関与するなど、親会社を含めたガバナンスや内部けん制が機能していないことにより発生したと認められる。

     

     当社の上記行為のうち、ストレステストを正しく実施していない状況については、金融商品取引法第40条第2号に基づく金融商品取引業等に関する内閣府令第123条第1項第21号の4に該当するものと認められる。

     また、協会への報告を行っていない状況については、同項第21号の6に、ストレステストの結果を踏まえ、経営の健全性を確保するための措置を講じる必要があるところ、講じていない状況については、同項第21号の5に該当するものと認められる。

     

     なお、当社においては、自己資本規制比率の法定基準を満たしており、足下の財務の健全性は確保されている。
     

  2. 以上のことから、本日、当社に対し、金融商品取引法第51条の規定に基づき、以下の行政処分を行った。
     

    【業務改善命令】

    1.本件に係る責任の明確化を図ること。
    2.法令等遵守態勢を抜本的に見直し、経営管理態勢、内部管理態勢及び内部監査態勢の充実及び強化を図ること。
    3. 本件を踏まえ、今後経営の健全性を確保する必要が生じた場合に備えた態勢整備を親会社との間で講ずること。
    4.上記の対応・実施状況について、令和6年6月13日までに書面等で報告するとともに、以降、その全てが完了するまでの間、随時書面等で報告すること。

本ページに関するお問い合わせ先

関東財務局 理財部 証券監督第1課

電話:048-600-1153(直通)

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