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アビトラシステム株式会社に対する行政処分について

令和2年12月25日
関東財務局


1.アビトラシステム株式会社(東京都中央区、法人番号1010001139050、適格機関投資家等特例業務届出者。金融商品取引業の登録はない。以下「当社」という。)は、自らを無限責任組合員とするアクア投資事業有限責任組合(以下「アクアファンド」という。)、コスモ投資事業有限責任組合(以下「コスモファンド」という。)及びアビトラ投資事業有限責任組合(以下、アクアファンド、コスモファンドと併せて「本件3ファンド」という。)の出資金の運用を行っている(出資者:延べ122名、総出資額:1.7億円)。
 しかしながら、本件3ファンドについては、平成30年10月18日以降、適格機関投資家が不在であり、金融商品取引法(以下「金商法」という。)第63条第1項第2号に規定する適格機関投資家等特例業務の要件を満たしていないことから、関東財務局は、当社に対し、令和2年10月9日付で金商法の一部を改正する法律(平成27年法律第32号。以下「平成27年改正法」という。)附則第2条第2項の規定によって適用される金商法第63条第12項の規定に基づく命令(以下「本件金商法第63条第12項の命令」という。)を発出した。
 また、当社については、金商法第63条の6の規定に基づく報告徴取命令に対する報告において、投資者保護上問題のある業務運営が認められたことから、関東財務局は、当社に対し、令和2年11月16日付で金商法第63条の5第1項の規定に基づく業務改善命令(以下「本件業務改善命令」という。)を発出した。
 その後、本件金商法第63条第12項の命令に対する報告及び本件業務改善命令に対する改善報告において、以下の事実が認められた。
 

(1)金商法第63条第12項の命令に違反している状況
 当社は、本件金商法第63条第12項の命令により、令和2年12月9日までに、適格機関投資家等特例業務の要件を満たしていない状況を解消するための措置を講じることを命じられている。
 しかしながら、当社は、同日時点において、引き続き本件3ファンドの運営を行っているものの、新たな適格機関投資家からの出資は受けられておらず、未だ適格機関投資家等特例業務の要件を満たしていない状況が継続している。
 
(2)業務改善命令に違反している状況
  当社は、本件業務改善命令により、投資者保護上問題のある業務運営について直ちに是正すること、法令に従い運用財産と自己の固有財産を分別管理した上で、運用財産の運用・管理の状況を早急に把握すること及び行政処分の事実・理由を全ての出資者に説明することなどを命じられている。 
 しかしながら、当社は、令和2年11月30日時点において、以下のとおり本件業務改善命令にほぼ対応していない状況である。
 
  1. 当社は、アクアファンド及びコスモファンド名義の預金口座を開設しておらず、ファンドの運用財産と自己の固有財産の分別管理を行っていない。
     また、当社は、各ファンドの運用財産の状況を把握していない。
  2. 当社は、各ファンドの運用財産の状況を把握していないことから、運用報告書を作成できておらず、全ての出資者に交付していない。
  3. 当社は、アクアファンドの運用財産に重大な影響を与える事項について、アクアファンドの一部の出資者に説明したのみである。
  4. 当社は、本件業務改善命令の事実及び理由について、本件3ファンドの一部の出資者に説明したのみである。
 
 当社における上記(1)及び(2)の状況は、金商法第63条の5第3項に規定する「適格機関投資家等特例業務に関し法令又は法令に基づいてする行政官庁の処分に違反した場合であって、他の方法により監督の目的を達成することができないとき」に該当するものと認められる。


2.このため、本日、当社に対し、下記(1)については金商法第63条の5第3項の規定に基づき、下記(2)については同条第1項の規定に基づき、以下の行政処分を行った。
 
(1)業務廃止命令
 旧法適格機関投資家等特例投資運用業務(平成27年改正法附則第2条第1項に規定する「旧法適格機関投資家等特例投資運用業務」をいう。)を廃止すること。
 
(2)業務改善命令
  1. 旧法適格機関投資家等特例投資運用業務に関して関与した全てのファンドについて、ファンド持分を取得した全ての出資者に対し、行政処分の事実及び理由について速やかに説明を行うこと。
  2. ファンド財産の運用・管理の状況を把握し、出資者保護に万全の措置を講ずること。
  3. 出資者間の公平に配慮しつつ、ファンド財産の返還等に関する方針を速やかに策定し、実施すること。
  4. 上記1) から3) までの対応・実施状況について、完了までの間(改善策が策定・実施され次第随時)、書面により報告すること。
 

【投資家の皆様へのお知らせ】

  • 適格機関投資家等特例業務届出者は、基本的にいわゆるプロ投資家を相手に業務を行う者です。プロ投資家以外の出資者の範囲を原則として国・地方公共団体、金融商品取引業者・特例業者、上場会社等に限定し、一般個人の出資は原則として禁止となっています(※平成27年改正法)。
    (※ ただし、個人であっても、投資性金融資産(有価証券等)の合計額が1億円以上であり、かつ、証券口座開設後1年を経過している者などは、出資者の範囲に含まれます。)
  • 適格機関投資家等特例業務を行う旨の届出が提出されていることをもって関東財務局が届出者の信頼性を保証するものではありません。また、関東財務局は、届出者が取り扱う商品を保証する立場にはありませんので、投資を検討される際には、投資家自身がリスク等を十分理解した上で、慎重に判断されることをお勧めします。

本ページに関するお問い合わせ先

関東財務局理財部証券監督第3課 電話:048-614-0044

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