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株式会社 Rot Adler Asset Management に対する検査結果について

平成28年5月31日

関東財務局

 

1.検査結果

 関東財務局長が株式会社Rot Adler Asset Management(所在地 東京都中央区、法人番号6010403009607、代表取締役社長 中村 章(なかむら あきら)、資本金1000万円、常勤役職員11名、適格機関投資家等特例業務届出者、金融商品取引業の登録はない。以下「当社」という。)を検査した結果、下記のとおり、当該適格機関投資家等特例業務届出者に係る問題が認められたので、本日、関東財務局長は、当社に対して検査結果の通知を行った。
 

2.事実関係

 当社は、適格機関投資家等特例業務(以下「特例業務」という。)の届出を行い、自らを運営者とするRed Eagle Fund投資事業有限責任組合(以下「本件ファンド」という。)に係る出資持分の取得勧誘及び出資金の運用を行っており、検査基準日現在までに、少なくとも一般投資家65名から計3800万円の出資を受けている。
 なお、本件ファンドに出資している適格機関投資家は、合同会社CHERISH(特例業務届出者)が運用するGRACE投資事業有限責任組合である(同社に対する検査結果は平成28年4月22日に公表済)。
 今回検査において、当社の特例業務の運営状況を検証したところ、以下の問題が認められた。
 
(1)当社の業務運営に問題がある状況
 ア 虚偽の説明による勧誘行為
 当社は、本件ファンドの組合契約書において、投資目的は上場株式のみと定めているにもかかわらず、平成25年7月以降、本件ファンドにおいて外国産自動車を購入しているところ、これ以降も、投資目的が上場株式のみであるとした勧誘資料を用いるなど、実態とは異なる虚偽の説明をして、本件ファンドの取得勧誘を行っている。
 
 イ 虚偽の運用報告書の交付
 当社は、本件ファンドにおいて、少なくとも平成26年5月以降、実際には保有していない銘柄を保有しているものとして運用損益を計算し、多額の運用利益が出ているかのような記載をしているほか、上記アのとおり、外国産自動車を購入したにもかかわらず、これを記載しておらず、ファンドの保有株式の状況及び運用実態を反映しない虚偽の運用報告書を作成し、これを顧客に交付している。
 
 ウ 杜撰な資金管理
 当社は、本件ファンドの固有資産と当社の事業に係る財産を分別して管理していないことに加え、本件ファンドの固有資産の内容について把握できる管理資料を作成していない。そのため、当社は、出資金の現在額を把握できていないなど、本件ファンドの資金管理は極めて杜撰であると認められる。
 
 当社が行った上記アからウの行為は、投資者保護上重大な問題があると認められる。
 
(2)第二種金融商品取引業に係る無登録営業
 特例業務については、適格機関投資家以外の者への取得勧誘は49名以下でなければならないところ、当社は、本件ファンドについて、少なくとも一般投資家65名に対して取得勧誘を行っている。
 
 当社による上記行為は、金融商品取引法第28条第2項に規定する「第二種金融商品取引業」に該当し、同法第29条に基づく登録を受けないまま上記行為を行うことは、同条に違反するものと認められる。

合同会社CHERISH(平成28年4月22日公表)外部サイトへのリンク


 

参考条文


 金融商品取引法(昭和23年法律第25号)(抄)

(登録)
第二十九条 金融商品取引業は、内閣総理大臣の登録を受けた者でなければ、行うことができない。

(適格機関投資家等特例業務)
第六十三条 次の各号に掲げる行為については、第二十九条及び第三十三条の二の規定は、適用しない。
一 適格機関投資家等(適格機関投資家以外の者で政令で定めるもの(その数が政令で定める数以下の場合に限る。)及び適格機関投資家をいう。以下この条において同じ。)で次のいずれにも該当しない者を相手方として行う第二条第二項第五号又は第六号に掲げる権利に係る私募(適格機関投資家等(次のいずれにも該当しないものに限る。)以外の者が当該権利を取得するおそれが少ないものとして政令で定めるものに限る。)
(以下、略)

(注)当該条文は、平成28年3月1日に施行された平成27年法律第32号による改正前のものである。

本ページに関するお問い合わせ先

関東財務局証券取引等監視官部門 電話:048-600-1215

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