西武信用金庫に対する行政処分について
令和元年5月24日
関東財務局
関東財務局は、本日、西武信用金庫(以下「金庫」という。法人番号2011205000146)に対し、下記のとおり行政処分を行いました。
記
第1.命令の内容
(1)健全かつ適切な業務運営を確保するため、以下を実行すること。
- 本処分を踏まえた責任の所在の明確化と内部統制の強化
- 融資審査管理を含む信用リスク管理態勢の強化
- 反社会的勢力等の排除に向けた管理態勢の抜本的な見直し
(2)上記(1)に係る業務の改善計画を令和元年6月28日までに提出し、直ちに実行すること。
(3)上記(2)の改善計画について、当該計画の実施完了までの間、3か月毎の進捗及び改善状況を翌月15日までに報告すること(初回報告基準日を令和元年9月末とする)。
第2.処分の理由
(注) 「マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策に関するガイドライン」(平成30年2月6日金融庁発表)への適合状況を含む。
(1)投資用不動産向けの融資にあたり、形式的な審査にとどまり、不適切な信用リスク管理態勢となっている。
- 融資実行を優先するあまり、融資審査にあたり、投資目的の賃貸用不動産向け融資案件を持ち込む業者による融資関係資料の偽装・改ざんを金庫職員が看過している事例が多数認められる。
- 投資目的の賃貸用不動産向け融資について、融資期間に法定耐用年数を超える経済的耐用年数を適用する場合には適切な見積りが不可欠である中、経済的耐用年数等を証する書面を作成する外部専門家に対し、金庫職員が耐用年数や修繕費用等を指示・示唆するなどの不適切な行為が多数認められる。
(2)反社会的勢力等との取引排除に向けた管理態勢が不十分である。
- 反社会的勢力等との取引排除に向けた管理態勢については、十分な経営資源を配分することなく極めて少人数の担当者に頼った取組となっているなど、組織的な対応が不十分となっている。特に、反社会的勢力等に関する金庫としての管理区分が限定的に運用されているなど、その管理手法は不十分なものとなっている。
- このため、一部の営業店幹部は、監事から反社会的勢力等との関係が疑われるとの情報提供を受けていた者について、十分な確認を怠り、同者関連の融資を実行している。
(3)内部統制が機能していない。
強い発言力を有する理事長に対して十分な牽制機能が発揮されておらず、上記(2)ⅱに関し、懸念を抱いた監事及び監事会から理事長に対し、複数回にわたって書面で調査を要請したにもかかわらず、理事長は当該要請を拒否し、組織的な検証を怠っているなど、内部統制が機能していない。
本ページに関するお問い合わせ先
関東財務局理財部金融監督第2課 電話:048-600-1148
関東財務局東京財務事務所理財第1課 電話:03-5842-7014