ペッツベスト少額短期保険株式会社に対する行政処分について
関東財務局は、本日、ペッツベスト少額短期保険株式会社(本社:東京都千代田区。法人番号:5010001100297。以下、「当社」という。)に対し、保険業法第272条の26第1項第4号の規定に基づき、下記のとおり行政処分を行った。
記
1.行政処分の内容
保険業法第272条の26第1項第4号(業務停止命令)
令和4年8月11日から令和4年10月10日までの間(ただし、当社の保険金等支払の正常化が図られ、その状況が業務改善命令(令和4年6月10日付)に基づく報告により確認される場合には、それまでの間)、少額短期保険業に係る業務のうち新契約の募集及び締結並びに契約更新にかかる業務(当局が保険契約者等の保護の観点から必要とされる業務として個別に認めたものを除く。)を停止すること。
2.処分の理由
以下に掲げる当社の状況は、保険業法第272条の26第1項第4号に規定する「法令に基づく内閣総理大臣の処分に違反したとき」及び「第272条の2第2項各号に掲げる書類に定めた事項のうち特に重要なものに違反したとき」に該当すると認められる。
(1)保険金等支払遅延の発生について
当社は、普通保険約款(ペット医療保険(ペットネーム:獣医師がつくったペットのための医療保険)及び新ペット医療保険(ペットネーム:セレクトBEST)(以下、これらを「当該保険」という。)に係る普通保険約款)において、保険金の請求書及び必要書類を受領した日から、その日を含めて原則15営業日以内に、必要な確認を行ったうえで、保険金等を支払う旨を定めている。
こうしたなか、当社において、当該保険に関し、保険金等支払遅延(調査が必要な請求等を除き、普通保険約款に定める期日以内に保険金等の支払が行われていないものをいう。以下同じ。)の発生が認められたことから、当局は、保険業法第272条の22第1項に基づき、令和3年12月1日付及び令和4年3月15日付並びに令和4年5月25日付で、その発生原因や解消策について報告を求めた。
これに対し、当社は、当局あてに提出した報告において、保険契約者等からの保険金請求に対する査定手続き等に対応するための人員不足及び保険収支の悪化等により保険金等支払遅延が発生しているとしたうえで、人員の確保による保険金等支払管理態勢の構築、あわせて、外部からの資金調達を行うことにより保険金等支払遅延の早期解消を図るとしたが、その後においても適切に査定を進めるための十分な態勢の構築に至っていないほか、当該資金調達が不調に終わったこと等により、支払遅延を解消することなど適切な改善は為されなかった。(当該保険にかかる保険金等支払遅延は、令和4年4月末時点で3,641件(支払必要見込額約2億円)。)
(2)令和4年6月の行政処分と当社の対応について
上記(1)の状況は、保険金等の支払管理について重大な問題があり、少額短期保険業を的確に遂行するに足りる人的構成を有しないおそれがあるほか、保険業法第272条の2第2項各号に掲げる書類に定めた事項のうち特に重要なものに違反する状況と認められたことから、当局は、令和4年6月10日、保険業法第272条の26第1項第4号に基づき新契約の募集及び締結並びに契約更新にかかる業務の停止を命ずるとともに、保険業法第272条の25第1項に基づく業務改善命令において、保険金等の支払遅延を令和4年7月24日までに解消することのできる改善策及び支払計画を策定し実行すること等を命じたところである。
これに対し、当社は、第三者割当増資等による外部からの資金調達により支払資金を確保し、令和4年7月24日までに保険金等支払遅延の解消を図るとした業務改善計画を策定し、令和4年6月24日付で当局に提出したものの、計画終期となる令和4年7月24日においても保険金等の支払遅延は解消されておらず、令和4年8月1日付の当社報告によれば、令和4年7月24日時点において、依然として4,080件(保険金支払必要予定額:約2億円)の保険金等支払遅延が認められるなど、業務改善命令に基づく業務改善計画が未達となっている。さらに、業務改善計画で実行するとしていた外部からの資金調達も実現していないことから、現状、支払遅延を確実に解消する見通しが立たない状況となっている。
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