SIVEX株式会社に対する行政処分について
令和7年4月16日
関東財務局
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SIVEX株式会社(東京都港区、法人番号3010401058971、適格機関投資家等特例業務届出者。以下「当社」という。)に対する検査の結果、以下の問題が認められたことから、証券取引等監視委員会より行政処分を求める勧告が行われた。(令和7年3月14日付)
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虚偽の届出等を行っている状況
当社は、平成30年7月27日付けで金融商品取引法(昭和23年法律第25号。以下「金商法」という。)第63条第2項に規定する適格機関投資家等特例業者(以下「特例業者」という。)の届出を関東財務局(以下「当局」という。)へ提出し、令和5年10月末現在、34本の集団投資スキーム(以下「ファンド」という。)の運営を行っているところ、このうち10本のファンド(以下「本件ファンド」という。)に関し、実際には本件ファンド持分の私募や投資家が出資したとする資金の運用を行わないにもかかわらず、当局に対し、適格機関投資家を当社代表取締役である松村寬、出資対象事業の内容を「国内外の法人が発行する社債など有価証券への投資事業を行う日本の民法上の組合に対して出資を行う」などと虚偽の届出等を行った。上記の状況は、金商法第63条第2項及び第8項に違反するものと認められる。
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適格機関投資家等特例業務(以下「特例業務」という。)を適切に行っていないと認められる状況
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特例業務の制度を悪用している状況
当社は、本件ファンドを介して海外から送金された約250億円を海外法人であるSTERLING HOUSE GROUP LTD(以下「SHG社」という。)が組成する海外金融商品STERLING HOUSE TRUST Series7 Greenback Program(以下「スターリングハウストラスト」という。)を日本国内で紹介する業務を行っているGlobal Investment Lab株式会社(以下「GIL社」という。)の会員及びその関係者(以下「GIL会員等」という。)に移転させた。
当社が本件ファンドを組成した主な目的は、特例業務に係るファンド事業を行うためではなく、スターリングハウストラストの販売代理店であるGIL会員等にSHG社からの紹介業務の対価を安定的に供給することであった。
当社が虚偽の届出により特例業者になった当初の目的は、GIL会員等がスターリングハウストラストを紹介することで生じた役務提供の対価に係る送金であるにもかかわらず、当局監理の特例業者が運営する本件ファンドの配当金の送金であるかのように見せかけることで、金融機関からマネー・ローンダリング上の取引時確認を受ける海外から日本国内への送金を容易にすることであった。 -
ファンド持分の取得勧誘を無登録業者に委託している状況
当社は、令和5年10月末現在、34本のファンドのうち22本のファンドに関し、パチンコ遊技機等のオペレーティングリース事業を行うことを目的として、ファンド毎に特別目的会社であるアクティブリーシング合同会社を運営しており、各社の匿名組合出資持分(以下「本件匿名組合出資持分」という。)の取得勧誘を金商法第29条の登録を受けていない者であるGIL 社及びGIL 社以外の法人に委託し、GIL社から再委託を受けた無登録業者等(以下「GIL 社等」という。)に投資家に対する同取得勧誘を行わせた。
これにより、当社は、令和元年12月から令和5年10月までの間、少なくとも40者のGIL社等に、本件匿名組合出資持分の取得勧誘を行わせ、それにより、本件匿名組合出資持分につき延べ148者の投資家に合計約60億円を出資させた。
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上記のとおり、当社は、運営するファンド34本のうち10本について、実際にはスターリングハウストラストを紹介することで生じた役務提供の対価に係る送金であるにもかかわらず、当局監理の特例業者が運営するファンドの配当金の送金であるかのように見せかけるために組成し、虚偽の届出を行ったものであり、金商法で定められた特例業務の制度を悪用する極めて悪質なものであること、うち22本については、同法第29条の登録を受けていない無登録業者に本件匿名組合出資持分の取得勧誘を委託し、投資家に対して同取得勧誘を行わせるものであり、金商法の定める登録制度を蔑ろにするような悪質な運営が行われていたことに鑑みれば、当社の運営するファンドの大宗につき、重大な問題が認められており、当社は特例業務を適切に行っていない状況であったと認められる。
当社における上記の状況は、金商法第63条第11項に基づく金融商品取引業等に関する内閣府令第123条第1項第30号に該当するものと認められる。
- このため、本日、当社に対し、下記1.については金商法第63条の5第3項の規定に基づき、下記2.については同条第1項の規定に基づき、以下の行政処分を行った。
- 業務廃止命令
適格機関投資家等特例業務を廃止すること。 - 業務改善命令
- 当局に対し虚偽の届出等を行った別紙記載ファンドについて、直ちに適格機関投資家等特例業務に関する届出の内容を実態に合わせ是正すること。
- 適格機関投資家等特例業務に関して関与した全てのファンドについて、ファンド持分を取得した全ての出資者に対し、行政処分の事実及び理由について速やかに説明を行うこと。(ただし、別紙記載ファンドを除く。以下、(3)から(5)に同じ)
- ファンド財産の運用・管理の状況を把握し、ファンド出資者に対し、ファンド財産の運用・管理の状況その他必要な事項の説明を速やかに行うこと。
- ファンド出資者の意向を踏まえ、ファンド財産の返還等に関する方針を速やかに策定し、実施すること。
- 上記(2)から(4)までの対応、実施にあたっては、ファンドの出資者間の公平に配慮しつつ、ファンド財産の管理を徹底するなど出資者保護に万全の措置を講ずること。
- 上記(1)から(5)までの対応・実施状況について、完了までの間(改善策が策定・実施され次第随時)書面により報告すること。
ファンド名 |
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投資事業有限責任組合ユニバース |
投資事業有限責任組合FF |
投資事業有限責任組合ニューフェイト |
投資事業有限責任組合ワールド |
投資事業有限責任組合一蓮托生 |
投資事業有限責任組合イデアルグローバル |
投資事業有限責任組合サクセスレーベル |
投資事業有限責任組合エフツー |
投資事業有限責任組合グローバルステップス |
投資事業有限責任組合ヘリテージドラゴン |
【投資家の皆様へのお知らせ】
- 適格機関投資家等特例業務届出者は、基本的にいわゆるプロ投資家を相手に業務を行う者です。プロ投資家以外の出資者の範囲を原則として国・地方公共団体、金融商品取引業者・特例業者、上場会社等に限定し、一般個人の出資は原則として禁止となっています(平成27年改正法)。
ただし、個人であっても、投資性金融資産(有価証券等)の合計額が1億円以上であり、かつ、証券口座開設後1年を経過している者などは、出資者の範囲に含まれます。 - 適格機関投資家等特例業務を行う旨の届出が提出されていることをもって関東財務局が届出者の信頼性を保証するものではありません。また、関東財務局は、届出者が取り扱う商品を保証する立場にはありませんので、投資を検討される際には、投資家自身がリスク等を十分理解した上で、慎重に判断されることをお勧めします。
本ページに関するお問い合わせ先
理財部証券監督第3課 電話:048-614-0044