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株式会社東日本銀行に対する行政処分について

平成30年7月13日
関東財務局

 関東財務局は、本日、株式会社東日本銀行(以下「当行」という。法人番号9010001034913)に対し、
下記のとおり行政処分を行いました。
 
  

第1.命令の内容

 
銀行法第26条第1項に基づく命令
 
(1)健全かつ適切な業務運営を確保するため、以下の観点から、内部管理態勢及び経営管理態勢を見直
  し、強化すること。

  1. 法令等遵守、顧客保護及び顧客本位の業務運営、経営管理にかかる経営責任の明確化
  2. 法令等遵守態勢、顧客保護及び顧客本位の業務運営態勢の確立と全行的な意識の向上
  3. 営業店及び本部関係部署における相互牽制機能の確立
  4. 内部監査態勢の確立

 
(2)上記(1)に関する改善計画を平成30年8月13日までに提出し、直ちに実行すること。
 
(3)上記(2)の改善計画について、当該計画の実施完了までの間、3ヶ月毎の進捗・実施状況を翌月
  15日までに報告すること(初回報告基準日を平成30年9月末とする)。
 
  

第2.処分の理由

 
 当行に対して実施した検査結果や銀行法第24条第1項に基づき求めた報告を検証したところ、当行の法
令等遵守態勢、顧客保護及び顧客本位の業務運営態勢、経営管理態勢について、以下の問題が認められた。
 
(1)顧客の利益を害する業務運営
 
   数多くの支店において広範に、対価となるサービス内容が不明または手数料の算定根拠が不明な融資
  実行手数料や実質的に両建となる担保定期預金を顧客から徴求しているなど、顧客に不必要な負担を強
  いるといった顧客保護及び顧客本位の業務運営上の問題が認められる。
   上記の融資実行手数料の中には、地方公共団体が利子補給を行うなどして低利の資金を中小零細企業
  に提供するために設けている制度融資の実行先から徴求している事例が多数存在している。さらに、地
  方公共団体との協定書等で手数料の徴求が禁止されている制度融資の実行先からも徴求している事例が
  多数認められており、制度融資の目的や趣旨を逸脱するなど極めて不適切な取扱いが行われている。
 
(2)支店における不適切な融資と態勢の不備
 
   特定の副支店長が、営業成績を上げるために、特定のグループから紹介された融資先について、支店
  の営業エリア内に実態のない当該融資先の営業所の登記を行わせ、支店長を欺き、支店長専決権限を行
  使させるといった不適切な融資を多数実行し、多額の損失が発生している。
   支店長は、融資先の営業実態や資金使途を十分に確認しないまま融資実行を決裁しており、同支店の
  他の職員も不審な状況を看過しており、営業店内の牽制機能が働いていない。
   なお、同副支店長は、過去在籍した別の複数支店においても、同様の不適切な融資を実行し、損失が
  発生している。
 
   上記と異なる複数支店において、支店長が、当行OBを通じて紹介された融資先について、支店の営業
  エリア内に実態のない当該融資先の営業所の登記を行わせ、融資資金で市場価格を大幅に上回る不動産
  を購入すること等を知りながら、支店長専決権限により融資を実行し、多額の損失が発生している。
   支店では、支店長以外の他の職員が不審な状況を看過しており、営業店内の牽制機能が働いていな
  い。
 
   なお、上記と類似性のある不適切な融資は、過去にも、別の支店において発生しているが、当時策定
  された再発防止策の根本原因分析等が十分ではなく、今回、同様の不適切な融資が再発している。
 
(3)本部の牽制機能の欠如
 
   監査部は、関係書類に係る外形的な点検や、手続の遵守状況を検証する事務面の監査しか行っておら
  ず、上記の融資実行手数料や実質的に両建となる担保定期預金の徴求及び不適切な融資が繰り返されて
  いることを発見できていない。
   また、融資部、営業統括部による支店の営業に関するモニタリングにおいても、多額の融資実行手数
  料の徴求や不適切な融資等の早期発見に至っていないなど、牽制機能が働いていない。
 
(4)投資信託販売業務における虚偽報告等
 
   投資信託販売や投資信託購入者に対する事後対応について、数多くの支店において多数の職員が、実
  態と異なる虚偽報告等を行っている。
   また、投資信託購入者に対する事後対応について、前回の当局検査において同様の指摘がなされてい
  るが、当時の再発防止策は抜本的な改善策とはなっておらず、実態と異なる虚偽報告等が再発してい
  る。

(5)上記(1)から(4)までの問題発生の要因としては、役職員の法令等遵守や顧客保護及び顧客本位
  の業務運営に関する意識が乏しい企業文化となっている中、経営陣が、新規取引獲得に偏重した営業姿
  勢の下、収益確保やOHRの低下を優先し、業務の適切性を確保するための内部管理態勢の整備を十分に
  行ってこなかったことが根本原因であると認められる。

本ページに関するお問い合わせ先

関東財務局理財部金融監督第1課
電話:048-600-1145

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