大臣挨拶要旨(令和8年9月2日)
最終更新日:2026年9月7日
全国財務局長会議の開催に当たりまして、御挨拶申し上げます。
はじめに、令和8年熊本地震や令和8年8月千葉豪雨によりお亡くなりになられた方々に対し、謹んで哀悼の意を表しますとともに、今期一連の災害で被災された全ての皆様に心よりお見舞い申し上げます。また、熊本地震の被災地を管轄する九州財務局において、支援業務に連日尽力されている職員の皆様に心から敬意を表します。引き続き必要な支援業務を継続いただくとともに、管内動向の把握をお願いいたします。政府としては、先月27日に、被災地のニーズにきめ細かく対応するため、支援パッケージを策定しました。引き続き、関係省庁と連携し、支援パッケージを速やかに実行に移してまいります。
日本経済の現状をみますと、2025年度の名目GDPは4%超の増加となり、春闘における賃上げ率も3年連続で5%を上回るなど、所得の増加が消費や投資を生み出す民間主導の循環が生まれつつあります。先行きについては、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果が緩やかな回復を支えることが期待されるものの、中東情勢や自然災害の影響を引き続き注視する必要があると考えております。
政府としては、「骨太方針2026」のとおり、「責任ある積極財政」の考え方の下、「危機管理投資」や「成長投資」を官民一体で大胆かつ戦略的に進めることで「強い経済」の構築を目指してまいります。それと同時に、債務残高対GDP比の安定的低下を財政運営目標の中核と位置付け、その中でも可能となる財政規模を精査し、通年の国債発行額などを具体化していくこととしております。こうした取組により、「強い経済」と「財政の持続可能性」をバランスよく同時に実現してまいります。
税制につきましては、本年8月5日に、「「給付付き税額控除」の制度導入の基本方針」が閣議決定されました。本方針では、「所得に連動したきめ細かな給付」を行う新たな制度を令和11年度から導入することとしております。また、本制度の本格導入までの、2年間に限った経過措置として、令和9年4月1日から、軽減税率の対象となっている飲食料品に係る消費税率を1%とし、合わせて1%相当分の範囲内で、「所得に連動したきめ細かな給付」を令和9年度に先行導入することで、全体として飲食料品に係る消費税の実質ゼロ化を実現することとしております。今後、制度の詳細設計を進め、今月には大綱を決定した上で、臨時国会に法案を提出し早期成立を目指すこととなります。
地域経済につきましては、各財務局からの報告を基に、管内経済情勢報告の結果として取りまとめ、本年7月の全局の総括判断は「緩やかに回復しつつあるが、中東情勢の影響を注視する必要がある」とし、前回から判断を「据え置き」として、先月5日に財務省ホームページに公表しました。管内経済情勢報告は、各地域の経済動向を俯瞰的に把握できる非常に有益な報告であると考えておりますので、引き続ききめ細かな把握と分析をお願いいたします。
また、本年5月29日に成立した改正外為法(がいためほう)を受けて、6月29日、総理をはじめ関係閣僚が参加する中、対日外国投資委員会(JFIC(ジェイフィック))を立ち上げました。今後、JFIC(ジェイフィック)において、省庁横断的な審査体制を強化し、政府全体として審査能力を底上げしてまいります。あわせて、日本の重要な技術や情報を保全する観点から、各財務局でも、関係省庁の出先機関と連携しつつ、投資審査制度の周知や情報収集、無届事案の検知、また、業務実施を支える体制整備など、投資審査制度の実効性確保に向けて、一層努めていただきますようお願いいたします。
次に金融行政について申し上げます。
本年6月25日に改正金融機能強化法が完全施行されました。地域金融機関が必要に応じ資本参加制度・資金交付制度を活用して自らの経営基盤を強化しつつ、地域経済に貢献していくことを期待しております。また7月には、政府として「成長投資を促進するための金融戦略」を策定いたしました。特に、金融戦略にも盛り込まれた「地域未来金融アクションプラン」は、事業者への伴走支援や再生支援を更に強化していくために重要な取組であり、策定・運用には財務局の皆様の力が何より不可欠であると考えております。
熊本地震で被災した事業者においては、既往債務が負担となり、事業再建に必要な資金調達が困難になる、いわゆる多重債務問題に対応するため、地域金融機関とも協議の上、地域経済活性化支援機構(REVIC(レビック))等を活用したファンドを含む様々な金融ツールを検討したいと考えております。
最後になりますが、財務省の組織内部に目を向ければ、「国の信用を守り、希望ある社会を次世代に引き継ぐ」という組織理念の下、常に国民の視点に立って、高い価値を社会に提供できる組織風土をつくりあげていくことが重要です。そのため、私としても、財務局長の皆様とともに、働き方改革を含め、職員が誇りを持って働ける環境づくりに全力で取り組んでまいりますので、引き続き御協力をよろしくお願いいたします。
以上、私の挨拶とさせていただきます。

