ページ本文

大臣挨拶要旨(令和8年4月22日)

 全国財務局長会議の開催に当たりまして、御挨拶申し上げます。

令和8年度予算につきましては、衆参両院で御審議をいただき、先般、成立いたしました。高市内閣として編成した初めての本予算であり、私も財務大臣として、できる限り丁寧な説明に努めてまいりました。
 その過程では、暫定予算を編成することになりましたが、「全ては国民の皆様の安心のため」という思いから、関係者の皆様方の御協力も得て、国会での御審議に誠実に対応してきた結果、国民生活に支障が生じるリスクをできる限り小さくできたと考えております。
 令和8年度予算は、「責任ある積極財政」の考えの下、高市内閣の掲げる「予算編成改革」の第一歩として、複数年度の取組や歳出構造の平時化に向けた取組を推進し、重要施策について当初予算での増額を実現するとともに、財政の持続可能性にも十分配慮するなど、「強い経済の実現」と「財政の持続可能性」を両立させる予算となっております。
 中東情勢をはじめ、日本経済を取り巻く状況は、なお予断を許さない中ではありますが、今後、本予算を速やかに、かつ着実に実施していくことが重要であると考えており、「国民の皆様の安全・安心の確保」や「強い経済」の実現に向けて、引き続き全力で取り組んでまいります。
 予算の成立に当たっては、例年、予算委員会における地方公聴会の開催に各財務局の皆様の御協力をいただいているところですが、とりわけ、3月8日に鹿児島県、岩手県で開催された地方公聴会では、短期間の準備期間のなか、休日にもかかわらず、九州財務局、東北財務局の皆様の御尽力により無事に終えることができましたことに感謝します。

その上で、足下の日本経済については、緩やかに回復しておりますが、先行きについては、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果が緩やかな回復を支えることが期待されるものの、中東情勢の影響を注視する必要があると考えております。
 政府としては、中東情勢を踏まえ、ガソリン等に係る緊急的激変緩和措置を先月19日から実施しています。また、原油については、ホルムズ海峡を通らないルートでの調達に最大限注力しており、年を越えて、石油の供給を確保するめどがついていますが、今般、原油の安定供給に万全を期すため、5月上旬以降に「第二弾の国家備蓄」の放出として、約20日分を放出することといたしました。
 引き続き、原油価格等の動向や世界経済の動向、それに伴う国際貿易・物流、エネルギー価格を始めとした物価への影響などを常に注視し、必要な対応を図ってまいりたいと考えております。

地域経済につきましては、従来どおり、各財務局からの報告を基に、管内経済情勢報告の結果として取りまとめ、今回の総括判断は「緩やかに回復しつつあるが、中東情勢の影響を注視する必要がある」として、前回から判断を「据え置き」といたしました。
 管内経済情勢報告は、各地域の経済動向を俯瞰的に把握することができる、非常に有益な報告であると考えております。
 各財務局・財務事務所においては、中東情勢の影響を含め、地域経済の状況について、きめ細かな把握と分析をお願いいたします。

高市総理から御指示いただいている「対日直接投資審査を高度化する枠組みの検討」に関しましては、3月17日に外為法改正法案を閣議決定しました。本改正は、健全な投資を一層促進しつつ、国の安全等を損なうおそれがある対内直接投資に対して適切に対応するため、日本版CFIUSの創設をはじめとする対内直接投資審査制度の高度化を図るものです。今国会での法案成立に向けて、取り組んでまいります。
 また、対内直接投資審査制度の実効性向上のため、財務局における活動はますます重要となっております。引き続き、地域企業へのアウトリーチ等を通じて、審査制度の周知や情報収集を行っていただきたいと思います。

 次に金融行政について申し上げます。

 今般の中東情勢を踏まえ、3月27日、官民金融機関と関係省庁を集めた意見交換会を緊急開催し、官民金融機関の代表者に対して、
 ・事業者に寄り添ったきめ細かな資金繰り支援の徹底、
 ・中東情勢の影響を受ける事業者を新たに対象に追加した日本政策金融公庫等の特別相談窓口や、金利引下げの対象を拡充したセーフティネット
  貸付の活用促進、
 ・金融庁の専用相談ダイヤルの活用促進
 をはじめとする対応を行うよう、私から直接働きかけを行うとともに、関係大臣連名による緊急要請を発出いたしました。
  今後とも事業者の資金繰りに重大な支障を来すことのないよう、各財務局におかれましては、緊急要請の趣旨を踏まえ、地域金融機関に対し
 て、事業者支援の徹底を促していただきますよう、よろしくお願いいたします。
  また、4月20日に開催された「新戦略策定のための資産運用立国分科会」において、新たな金融戦略の骨子案をお示ししました。戦略17分野を
 はじめとする成長投資の促進や、資産運用立国の取組を更に推進し、高市内閣が掲げる「強い経済」の実現に向け、議論を重ねてまいります。
  国税のキャッシュレス納付の利用拡大については、国税局と連携して取り組んでいただいているところ、本日、国税庁から取組状況が報告され
 ると聞いております。良い取組事例については、取り入れていただき、引き続き、国税局との連携した取組をお願いいたします。

 また、財務局においては、DXを推進し、組織横断的な業務改革を進める「ココにいるよプロジェクト」が開始されます。本プロジェクトは、
 業務改革により創出した時間を地域密着の業務に充て、地域にいるからこそできる仕事に更に力を注げる組織へ進化するための取組です。各財務
 局長のリーダーシップの下、3年間の工程表に沿って着実に前進させていただくとともに、財務省・金融庁の関係各局においても、本取組に真摯
 に取り組むようお願いいたします。

 最後になりますが、「国の信用を守り、希望ある社会を次世代に引き継ぐ」という組織理念の下、常に国民の視点に立って、高い価値を社会に
 提供できる組織風土をつくりあげていくことが重要です。そのため、私としても、財務局長の皆さんとともに、働き方改革を含め、職員が誇りを
 持って働ける環境づくりに取り組んでまいりますので、引き続き御協力をよろしくお願いいたします。

 以上、私の挨拶とさせていただきます。