大臣挨拶要旨(令和8年1月29日)
最終更新日:2026年1月29日
全国財務局長会議の開催に当たりまして、御挨拶申し上げます。
はじめに、日本経済は、名目GDPが600兆円を超えて700兆円に近づいており、賃上げ率も2年連続で5%超となるなど、「デフレ・コストカット型経済」から「成長型経済」に移行する段階まで来ました。一方で、潜在成長力は伸び悩み、個人消費は力強さを欠いております。
このような状況では、物価高から国民生活を守りつつ、日本経済の強さを取り戻すため、「「強い経済」を実現する総合経済対策」と、その裏付けとなる令和7年度補正予算を迅速かつ適切に執行していく必要があると考えております。
令和8年度予算は、令和7年度補正予算に続き、切れ目無く、「強い経済」を実現する予算となっており、複数年度の取組や、歳出構造の平時化に向けた取組を推進し、重要施策について当初予算を増額することとしました。具体的には、まず、診療報酬改定、介護報酬改定をはじめ、予算全体について経済・物価動向等を適切に反映しております。また、防衛力強化など、従来から財源を確保して複数年度で計画的に取り組んでいる重要政策について、引き続き、予算を増やしており、特に、GX・半導体については、特別会計において、当初予算を1兆円増額しております。さらに、いわゆる教育無償化や外国人施策等をはじめ、新たな財源確保や予算全体のメリハリ付けを通じて、様々な分野で予算を増やしています。
一方で、令和8年度の新規国債発行額は29.6兆円となり、当初予算として2年連続で30兆円を下回りました。公債依存度も24.2%となり、令和7年度当初予算(24.9%)から、更に低下したうえ、一般会計当初予算のプライマリーバランスは28年ぶりに黒字となるなど、重要施策に予算を重点化しつつ、財政規律にも配慮し、「強い経済の実現」と「財政の持続可能性」を両立させるものであり、「責任ある積極財政」の考え方に基づく予算案とすることができたと考えております。
引き続き租税特別措置・補助金見直しを始め、歳出・歳入両面からの改革を推進し、政府債務残高の対GDP比を引き下げていくことで、財政の持続可能性、そして、マーケットからの信認を確保してまいります。
令和8年度税制改正では、物価高への対応として、物価上昇に連動して基礎控除等を引き上げるとともに、就業調整への対応及び中低所得者への配慮の観点から、所得税の課税最低限を178万円まで先取りして引き上げます。
また、「強い経済」の実現に向け、大胆な設備投資促進税制を創設するとともに、租税特別措置等の適正化の観点から、賃上げ促進税制の見直しや研究開発税制の強化を行います。加えて、税負担の公平性を確保する観点から、所得が極めて高い水準にある場合の負担の見直しを行うほか、防衛特別所得税の創設等を行います。
地域経済につきましては、従来どおり、各財務局からの報告を基に、管内経済情勢報告の結果として取りまとめ、今回の総括判断は「一部に弱さがみられるものの、緩やかに回復しつつある」として、前回から判断を「据え置き」といたしました。
管内経済情勢報告は、各地域の経済動向を俯瞰的に把握することができる、非常に有益な報告であると考えております。
各財務局・財務事務所においては、米国の関税措置による影響を含め、地域経済の状況について、きめ細かな把握と分析をお願いします。
次に金融行政について申し上げます。
成長戦略を加速させるためには、金融の力が不可欠です。日本成長戦略会議の下に、私が金融担当大臣として座長となる分科会を昨年末に設置し、具体的な議論を開始したところです。この分科会において、金融を通じて、日本経済の潜在力を解き放つとともに国民の豊かさを向上させるための金融戦略を今年夏までに策定し、官民連携で取り組んでまいります。
また、昨年末には、地域経済の成長に地域金融機関が一層貢献できるよう、関連施策をパッケージ化した「地域金融力強化プラン」を策定しました。プランには、地域金融機関が企業価値の向上や地域課題の解決に一層貢献していくための様々な方策や、そのための環境整備を盛り込んでおり、これらを強力に推進したいと考えています。そのためには、各財務局の皆様の力が不可欠となりますところ、御協力をよろしくお願いいたします。
国税のキャッシュレス納付の利用拡大については、前回の会議を受け、早速、国税局と連携して取り組んでいると聞いていますので、引き続き、よろしくお願いします。
最後になりますが、「国の信用を守り、希望ある社会を次世代に引き継ぐ」という組織理念の下、常に国民の視点に立って、高い価値を社会に提供できる組織風土をつくりあげていくことが重要です。本年も、地方支分部局を含めた財務省全体が一丸となり、着実に取組を進めていくため、各財務局長におかれましても、引き続き御協力をよろしくお願いいたします。
以上、私の挨拶とさせていただきます。

