大臣挨拶要旨(令和6年11月7日)
最終更新日:2024年11月8日
全国財務局長会議の開催に当たり、一言挨拶申し上げます。
はじめに、前回の財務局長会議以降も、台風10号や奥能登豪雨をはじめとする災害が相次いでおり、亡くなられた方々に心より哀悼の誠を捧げますとともに、被災された方々に心からお見舞い申し上げます。
北陸財務局をはじめ、被災地を管轄する財務局においては、職員の方々が金融機関への措置要請を迅速に行ったほか、被害状況の確認や支援業務等に継続して対応していると承知しています。まずは、そのような対応に率先して取り組んでいることに心から敬意を表するとともに、局長からも、職員の労をねぎらっていただきたいと思います。
政府としても、被災者の方々が一日も早く安心して生活ができるよう、先般、豪雨被害後としては初めてとなる予備費を措置しており、引き続き関係省庁と連携し、適切に対応してまいります。
日本経済は、デフレ脱却に向けて、回復の兆しをしっかりとした足取りにするチャンスを迎えており、このチャンスを取り逃してはならないと考えています。
そのため、価格転嫁の徹底、省力化投資の推進といった賃上げ環境の整備や、成長力に資する国内投資促進等を推し進め、物価上昇を上回る賃金上昇と投資の積極的な展開により「成長と分配の好循環」が力強く回っていく経済を実現することが重要です。
その上で、「経済あっての財政」との考え方の下、経済再生と財政健全化の両立、すなわち、力強く経済再生を進める中で、財政健全化も実現していくことが重要です。こうした観点から、「骨太方針2024」を踏まえ、歳出改革努力を継続しつつ、重要政策課題に必要な予算措置を講ずること等によるメリハリの効いた予算編成を行ってまいりたいと考えております。
また、「成長と分配の好循環」を実現するためには、貯蓄から投資への流れを着実なものとし、国民の資産形成を後押しする「資産運用立国」の政策を引き継ぎ、更に発展させるとともに、地方への投資を含め、内外からの投資を引き出す「投資立国」を目指していく必要があります。こうした流れの中で、金融行政において、家計、企業、資産運用会社をはじめインベストメント・チェーンを構成する各主体をターゲットとした取組を更に強化してまいります。
地域経済については、従来どおり、各財務局からの報告を基に、管内経済情勢報告の結果として取りまとめ、今回の総括判断は「一部に弱さがみられるものの、緩やかに回復しつつある」として、前回から判断を「据え置き」といたしました。
管内経済情勢報告は、各地域の経済動向を俯瞰的に把握することができる、非常に有益な報告であると考えております。また、この報告は、財務局ごとの取りまとめに加え、財務事務所単位の取りまとめも行っていることも特徴であり、財務事務所が全都道府県に置かれていることとあいまって、地域において財務局のみならず財務事務所の存在感を高めることにもつながっていると聞いています。各財務局・財務事務所におかれては、地域の経済状況について、統計分析や企業ヒアリング等の様々な取組を通じて、きめ細かな把握を行っていただくようお願いします。
石破総理は、「地方こそ成長の主役」であり、「産学官」のみならず「金労言」、すなわち金融機関、労働者、地元の報道機関という、地域の多様なステークホルダーが知恵を出し合い、地域の可能性を最大限に引き出すことが、地方創生の精神であると述べています。地域金融機関においては、事業者が抱えている経営課題を的確に捉え、付加価値の高い支援を提供するなど、金融仲介機能を一層発揮していくことが重要です。
財務局においては、自治体と連携した国有財産の活用や、地域の金融機関との意見交換などの地域の経済活動に関わる業務の延長線上で、地域の課題解決に向けたネットワーク作りや、学校のニーズに応じた財政教育など、地域連携の取組にも力を入れていると承知しています。
こうした取組を引き続き地道に続けることは、地域貢献を柱の一つとする「財務局の使命」の実践そのものにつながるものと考えています。今後とも、本省庁の職員とも連携しながら、地域の皆様の期待に応え、そして頼られる存在となるよう、皆様のリーダーシップを発揮していただきますようお願いします。
以上、私の挨拶とさせていただきます。
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