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大臣挨拶要旨(令和6年4月22日)

全国財務局長会議の開催に当たり、一言挨拶申し上げます。

 まずはじめに、日本経済については、このところ足踏みもみられるものの、緩やかに回復しております。先行きについては、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待されますが、世界的な金融引締めに伴う影響や中国経済の先行き懸念など、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっています。また、物価上昇、中東地域をめぐる情勢、金融資本市場の変動等の影響に十分注意するとともに、令和6年能登半島地震の経済に与える影響に十分留意する必要があります。
 こうした中、政府としては、持続的で構造的な賃上げの実現に向けて、あらゆる政策を総動員することにより、民需主導の持続的な成長につなげていきたいと考えております。

 先月成立した令和6年度予算については、歴史的な転換点の中、時代の変化に応じた先送りできない課題に挑戦し、変化の流れを掴み取るための予算としております。同時に、「経済財政運営と改革の基本方針2023」等に基づき、社会保障関係費について、実質的な伸びを高齢化による増加分におさめるとともに、社会保障関係費以外について、これまでの歳出改革の取組を実質的に継続しております。
 本予算を迅速かつ着実に執行するとともに、引き続き、2025年度のプライマリーバランス黒字化目標等の達成に向けて、歳出・歳入両面の改革を着実に推進し、歳出構造の更なる平時化を進めてまいります。
 各財務局におかれては、予算の更なる効率化に向け、令和6年能登半島地震の被災地の状況にも配慮しつつ、予算執行調査に精力的に取り組んでいただきたいと思います。

 地域経済については、管内経済情勢報告のとりまとめ結果によりますと、本年4月の全局の総括判断は「一部に弱さがみられるものの、緩やかに回復しつつある」とし、前回から判断を据え置いております。
 各財務局におかれては、地域の経済状況について、引き続き、きめ細かな把握を行っていただくとともに、地域の様々な方々との連携を深め、地域の発展に貢献していただきたいと思います。

 次に、金融行政について申し上げます。
 コロナ禍からの社会経済活動の正常化が進み、まさに今月には、民間金融機関による実質無利子・無担保融資の返済開始の最後のピークを迎えており、債務が膨らんだ事業者に対する、資金繰り支援にとどまらない、一歩先を見据えた早期の経営改善・事業再生支援等の必要性が高まっています。
 こうした中、先月には、「再生支援の総合的対策」を策定・公表し、金融機関等による再生支援などを一層促すための施策をとりまとめました。また、今月からは、金融機関に対して一歩先を見据えた早め早めの対応を求めることを盛り込んだ、改正監督指針の適用を開始しています。
 各財務局におかれましては、継続的なモニタリングや対話の充実を通じ、地域金融機関に対して、事業者支援の徹底を促していただきますよう、よろしくお願いいたします。

 以上のお願いを申し上げて、私の挨拶とさせていただきます。