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大臣挨拶要旨(令和5年4月25日)

全国財務局長会議の開催に当たり、一言挨拶申し上げます。

まずはじめに、日本経済については、一部に弱さがみられるものの、緩やかに持ち直しております。先行きについては、ウィズコロナの下で、各種政策の効果もあって、景気が持ち直していくことが期待されますが、世界的な金融引締め等が続く中、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっております。また、物価上昇、供給面での制約、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要があります。
 こうした中、物価高については、累次の対策を講じ、その効果が現れてきていますが、依然として続いている状況にあります。こうした物価高から国民生活や事業活動を守り抜くべく、昨月「物価高克服に向けた追加策」を取りまとめたところであり、速やかに実施してまいります。

先月成立した令和5年度予算については、歴史の転換期にあって、日本が直面する内外の重要課題の解決に道筋をつけ、未来を切り拓くための予算としております。同時に、「骨太の方針2022」等に基づき、社会保障関係費について、実質的な伸びを「高齢化による増加分におさめる」という方針を達成するとともに、社会保障関係費以外について、防衛関係費の増額を達成しつつ、経済・物価動向等を踏まえて柔軟な対応を行うことを通じて、これまでの歳出改革の取組を実質的に継続しております。
 本予算を迅速かつ着実に執行するとともに、2025年度のプライマリーバランス黒字化目標等の達成に向けて、引き続き歳出・歳入両面の改革を継続し、経済再生と財政健全化の両立を図ってまいります。
 各財務局におかれては、予算の更なる効率化に向け、予算執行調査に精力的に取り組んでいただきたいと思います。

 地域経済については、管内経済情勢報告のとりまとめ結果によりますと、本年4月の全局の総括判断は「物価上昇や海外経済の減速等の影響がみられるものの、緩やかに持ち直している」とし、前回から判断を据え置いております。
 各財務局におかれては、地域の経済状況について、引き続き、きめ細かな把握を行っていただきたいと思います。

次に、金融行政について申し上げます。
 グローバルな金融市場でリスク回避的な動きがみられる中、日本の金融機関は、総じて充実した流動性や資本を有しており、金融システムは総体として安定しています。今後も、様々なリスクがあり得ることを念頭におき、日本銀行をはじめ各国の金融当局とも連携しつつ、内外の経済・金融市場の動向や、それが金融システムの安定性に与える影響等について、強い警戒心を持って注視してまいります。地域金融機関においても、引き続き、市場の動向を注視するとともに、市場急変時にも機動的に対応できるリスク管理体制を構築することが重要です。
 また、今後、民間金融機関による実質無利子・無担保融資の返済が本格化する中、地域金融機関は、債務が増大した事業者に対する事業再生・再チャレンジ支援など、事業者の実情に応じた支援に引き続き積極的に取り組むことが必要不可欠です。
 各財務局におかれては、継続的なモニタリングや対話の充実を通じ、地域金融機関に対して、適切なリスク管理体制の構築や事業者支援の徹底を促していただきますよう、よろしくお願いいたします。

最後になりますが、新潟で開催されるG7財務大臣・中央銀行総裁会議まで、2週間ほどとなりました。関東財務局をはじめ、各財務局におかれては、これまでも多大な御尽力をいただいておりますところ、会議を成功に導けるよう、引き続き御協力いただきますようお願いいたします。

以上のお願いを申し上げて、私の挨拶とさせていただきます。