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大臣挨拶要旨(令和4年4月27日)

全国財務局長会議の開催に当たり、一言挨拶申し上げます。

まずはじめに、日本経済については、新型コロナによる厳しい状況が緩和される中で、持ち直しの動きがみられます。先行きについては、感染対策に万全を期し、経済社会活動が正常化に向かう中で、各種政策の効果や海外経済の改善もあって、景気が持ち直していくことが期待されますが、ウクライナ情勢等による不透明感がみられる中で、原油価格や物価の高騰等が実体経済に与える影響に十分注意するとともに、感染症による影響を注視する必要があります。
 これを踏まえ、政府としては、昨日、「原油価格・物価高騰等総合緊急対策」を決定しました。国民生活や経済活動への影響に緊急かつ機動的に対応し、コロナ禍からの経済社会活動の回復を確かなものとしてまいります。
 先月成立した令和4年度予算については、令和3年度補正予算と一体として、新型コロナ対策に万全を期しつつ、「成長と分配の好循環」による「新しい資本主義」の実現を図るための予算となっております。同時に、「骨太の方針2021」の目安を達成するなど、歳出改革の取組を継続し、メリハリのついた予算となっております。
 本予算を迅速かつ着実に執行するとともに、2025年度のプライマリーバランス黒字化目標等の達成に向けて、引き続き歳出・歳入両面の改革を継続し、経済再生と財政健全化の両立を図ってまいります。
 各財務局におかれては、予算の更なる効率化に向け、予算執行調査に精力的に取り組んでいただきたいと思います。

地域経済については、管内経済情勢報告のとりまとめ結果によりますと、本年4月の全局の総括判断は「新型コロナウイルス感染症や、供給面での制約、原材料価格高騰の影響が引き続きみられるなか、一部に弱さがみられるものの、緩やかに持ち直している」とし、前回から判断を据え置いております。
 各財務局におかれては、地域の経済状況について、引き続き、きめ細かな把握を行っていただきたいと思います。

外国為替及び外国貿易法に基づく対内直接投資審査制度については、経済安全保障の重要性が高まる中、財務局においても、その業務の一部を担うこととし、本年度より、各財務局に担当職員を配置することとしております。
 各財務局におかれては、地方企業等に対する投資の動向にしっかりと目配りいただきますようお願いいたします。

次に、金融行政について申し上げます。
 地域金融機関においては、足もとの新型コロナや原油価格・物価高騰の影響を踏まえ、事業者の資金繰り支援に積極的に取り組むことが重要です。
 その上で、今後は、増大する債務に苦しむ事業者の再生支援等にも取り組んでいくことが重要な課題です。本年4月からは「中小企業の事業再生等に関するガイドライン」の適用が開始されたほか、先般、「中小企業活性化パッケージ」を取りまとめたところです。地域金融機関がこうした施策も有効に活用できるよう、引き続き、関係省庁との連携に万全を期してまいります。
 各財務局におかれては、継続的なモニタリングや対話の充実を通じ、地域金融機関に対して、適切な対応を促すとともに、各地域の関係機関とも一層緊密に連携して、実効性のある事業者支援態勢の構築・強化に努めていただきたいと思います。

最後になりますが、財務局は、財務省・金融庁と地域をつなぐ結節点として、地域の最前線で役割を果たしてきました。我が国や地域が様々な課題を抱える中、各財務局長には、地域の多様な方々との深い関係性を構築し、地域社会の発展への貢献にも引き続き努めていただくようお願いし、私の挨拶といたします。