「第2回糸魚川市復興フォーラム」を開催しました
1.日時
平成29年5月29日(月曜)15時から17時5分
2.会場
糸魚川商工会議所 第1・2研修室(新潟県糸魚川市)
3.出席者
糸魚川商工会議所、新潟県建築士会糸魚川支部、糸魚川青年会議所、糸魚川市社会福祉協議会、糸魚川市消防団、被災4地区区長会、鶴来家、株式会社第四銀行、株式会社北越銀行、株式会社大光銀行、株式会社富山第一銀行、上越信用金庫、新井信用金庫、糸魚川信用組合、ひすい農業協同組合、株式会社日本政策投資銀行、株式会社日本政策金融公庫、株式会社商工組合中央金庫、株式会社地域経済活性化支援機構、信金中央金庫、第一勧業信用組合、一般社団法人日本損害保険協会、新潟県信用保証協会、新潟県弁護士会、ミュージックセキュリティーズ株式会社、新潟県、糸魚川市、関東財務局 (順不同)
4.結果概要
1)挨拶
- 関東財務局 小野局長
糸魚川市の復興を推進するにあたっては、当市が直面する短期的課題のみならず、中長期的な課題は何か、また、そのような課題をどのように解決していくかということをしっかり考えて議論していくことにより、単なる復旧にとどまらず、将来を見据えた糸魚川市の復興及び持続的な発展に繋げていくことが重要であると考えている。
また、支援策の具体的な検討・実施にあたっては、糸魚川市の中心的なメンバーで構成する推進主体(タスクフォース)が必要であるとの考えに至り、先日開催した実務者会合において、その旨を当局から提案し、メンバーの皆様にご了承をいただいたところである。参加機関の皆様には、引き続き「糸魚川市を支える応援団」として、タスクフォースの皆様への強力なバックアップをお願いしたい。 - 糸魚川市 米田市長
1日も早い復興からその後の地域全体の活性化に至るまで長い期間がかかると思われるが、その支援体制の構築や具体的な支援策について参加機関のご指導を賜りたい。市としては次世代にも喜ばれる持続可能な街となることを願い、被災者の皆様に寄り添いながらスピード感を持って取り組む所存であり、一層のお力添えを賜りたい。
2)フォーラムの進め方とタスクフォースの組成
- 関東財務局 梅野金融監督官
(フォーラムの進め方)
本会合において、タスクフォースを正式にキックオフする。また、支援策の議論については、大火による被災エリアにとどまらず、糸魚川市全体の活性化を支援するという観点で、「復興・地域活性化支援」と明確化している。
第3回会合以降は、タスクフォースの取組み状況や充実強化策等についての検討・議論・結果報告を行う場として開催したいと考えている。
(タスクフォースのメンバー)
リーダーには糸魚川信用組合の黒石理事長に就任いただき、サブリーダーとして糸魚川市の企業支援室長、糸魚川商工会議所の専務理事、メンバーとして第四銀行、北越銀行、大光銀行の糸魚川支店長、日本公庫の高田支店長、また、糸魚川市と連携されている第一勧業信用組合の副理事長にもオブザーバーとして参加いただくことになっている。
(タスクフォースの使命と期待される役割)
タスクフォースの使命は、(a)フォーラムで提案のあった支援策の具体化に向けた検討・実施、(b)「復興まちづくり計画」を踏まえた支援策の検討・実施の2つ。また、期待される役割については、参考事例の収集・調査、実現可能性にかかる分析、具体的な実施方法の検討といったことが想定される。
(タスクフォースで取り組む時間軸のイメージ)
「復興まちづくり計画」の成案を待って検討・実施に入るもの(中長期的な取組み)があると考えるが、それを待つことなく、タスクフォースで短期的に検討に着手できるもの(例えば、「朝市」や「UIJターンセミナー」など)もあると考えている。 - 糸魚川信用組合 黒石理事長(タスクフォースリーダー)
当組合は、糸魚川市の真ん中でずっと生きてきた立場からリーダーとしてやっていかなければならないと思っている。
タスクフォースを「知恵を出し合う実行部隊」と解釈し、「復興まちづくり計画」がハードとすれば、タスクフォースはソフト面を中心に、5年後10年後の活性化に向けたまちづくりとしてどういう仕掛けを作っていくかというようなことを一生懸命考えながら実行していかなければならないと思っている。
3)復興・地域活性化支援策の議論
- 復興まちづくり計画(案)の説明
糸魚川市から、前回会合(3月30日)以降の現地の動きや、復興まちづくり計画における6つの重点プロジェクトの一つ「にぎわいのあるまちづくり」の概要について説明された。 - 復興・地域活性化支援策の議論
(a)テーマ:「地元消費喚起対策」
糸魚川信用組合から、糸魚川市民を対象とした買物動向調査結果と、当組合の取引先事業者の意識改革(店づくり、商品づくりの質を高める)を進めていく必要性のほか、糸魚川市における地元購買率の変化(他の地域との比較を含む)について説明された。
株式会社第四銀行から、創業支援は新たな消費を生み出すための取組みそのものであり、それが定住人口減少の抑制につながると説明され、低コストで創業できる「移動販売(朝市)」の提案と、その手本となる他の地域における商店街の取組事例を紹介された。
株式会社北越銀行から、年金支給日の金融機関来店者を商店街に回遊させる仕組みづくり、市民参加の「まちなかマルシェ」等の開催、総務省マイキープラットフォームによる自治体・商店街ポイントの活用、「酒造見学&割烹レストラン」による観光誘客などについて提案された。
株式会社大光銀行から、市内循環バス割引による中心商店街への誘客、参加金融機関による糸魚川市外店舗でのPRブースの設置(糸魚川市の観光パンフレット、地域産品、ふるさと納税を紹介)等について提案された。
(b)テーマ:「創業支援」
糸魚川市から、3過年度の創業件数(業種別・男女別)とともに、UIJターン創業の掘り起し、女性・シニア層の創業、事業承継等の推進といった課題が挙げられたほか、市外から創業者を呼び込むため、当市独自の他地域と差別化した取組みの必要性について説明された。
株式会社日本政策金融公庫から、UIJイベントは開催数自体が多く、「集客」が重要なため、地域は絞り過ぎず、より広域(県単位)とし、内容も「創業」に限定せず、「復興」「事業承継」「就農」等も盛り込み、幅広く対象層を掲げた方が良いのではないかとの提案がなされた。
その後、各参加機関から、ターゲットやアプローチの仕方等について意見、提案が出されるなど、創業支援策について活発な議論が交わされた。
(c)テーマ:「賑わいの拠点となる施設の整備」
株式会社北越銀行から、民間主導で官民複合施設を整備し、賑わいを創出した事例を紹介される中で、金融機関が融資という金融の視点から事業計画を審査し、賃料収入から逆算して施設規模等を決定するという目線を提供することが大切な視点ではないかと説明された。
株式会社第四銀行から、商業施設は店舗の収入見通しから逆算した適正規模の判断の必要性について説明され、観光施設は日本一海に近い新幹線駅という地の利を活かした展望施設の整備(建設コストに見合った収入源確保のための方策を含む)について提案された。
株式会社大光銀行から、新潟県内におけるPFI事業について事例を紹介されたほか、PFI事業における金融機関の役割、PFI事業により多くの地元企業が参画することが地域活性化には必要との説明が行われた。
株式会社日本政策投資銀行から、まちの拠点を人が回遊する仕掛けづくり、空き家・空き店舗の活用、防災に強いまちづくりなど、糸魚川市と共通点が多い自治体において、PFI手法を活用して面的な整備が行われている事例等について紹介された。 - クラウドファンディングを活用した支援
ミュージックセキュリティーズ株式会社から、糸魚川市で活用されているクラウドファンディングとその事例を紹介されたほか、今後に向けては、例えば、タスクフォースと連携した支援や、訪日外国人旅行者を糸魚川へ呼び込む事業へのサポートなどについて説明された。
4)挨拶
- 糸魚川市 木村副市長
これから8月に向けて復興まちづくり計画を策定するが、計画を策定してからが本当の復興まちづくりであり、今後も参加機関のお力添えをいただきながら、市民の皆様、被災者の皆様、事業者の皆様、市内関係団体、行政が一つにまとまり、「オール糸魚川」で復興まちづくりに取り組んで参りたい。
関東財務局 小野局長挨拶
糸魚川市 米田市長挨拶
フォーラムの模様
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関東財務局理財部(第1)金融調整官
電話番号:048-600-1275