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苫小牧信用金庫に対する行政処分について

令和7年5月9日

北海道財務局

 北海道財務局は、本日、苫小牧信用金庫(法人番号:4430005008727)に対し、下記のとおり行政処分を行いました。

命令の内容

 信用金庫法第89条第1項において準用する銀行法第26条第1項に基づく命令

  1. 健全かつ適切な業務運営を確保するため、以下を実行すること。

    1.  今回の処分を踏まえた経営責任の明確化
    2.  理事会及び監事による経営監視・牽制が適切に機能する経営管理態勢の確立
    3.  子会社等を含め法令に基づき適切に業務を行うための法令等遵守態勢の確立(役職員の法令等遵守意識の醸成を含む)
    4.  内部監査部門の独立性の確保を含む内部監査態勢の充実・強化

  2. 上記1に係る業務の改善計画を令和7年6月9日までに提出し、直ちに実行すること。

  3. 上記2の改善計画について、当該計画の実施完了までの間、3か月毎の進捗及び改善状況を翌月15日までに報告すること(初回報告基準日を令和7年9月末とする)。

処分の理由

 当局による立入検査の結果や信用金庫法第89条第1項において準用する銀行法第24条第1項に基づき求めた報告を検証したところ、経営管理態勢及び法令等遵守態勢について、以下のような問題が認められた。

  1. 経営管理態勢の問題

 代表理事は、強い発言力を有する元非常勤理事からの指示や意向が法令違反に該当することを認識しながら、反対意見を表明しないなど適切な業務執行を行っていないほか、常勤理事においても適法性に係る検証を行うことなく、同様にその指示に服従して業務を執行している。

 また、常勤監事は、それらを認識しながら、自ら調査・検証を行わず、行為差止め請求などの措置を講じていないほか、内部監査部門は、独立性が十分に担保されておらず、元非常勤理事の関わる事案を監査対象から除外している。

  1. 法令等遵守態勢の問題

    1.  信用金庫の子会社等の業務については、従属業務、金融関連業務等の範囲とされており、当該業務以外(以下「他業」という)を営む会社を子会社等とすることはできないが、一部の元理事は、他業を営み人事・業務の関係性などから当金庫と実質一体である法人が子会社等に該当すると認識しながら、自らの指示・関与により事実関係を当局に隠蔽していた。また、その後の理事及び監事も、当該法人が子会社等に該当することを認識できたにもかかわらず、適法性に係る検証を怠っていた。

    2.  法令に反して、事業目的がないにもかかわらず土地等を取得し、賃貸しているものや、取引先から手数料を徴収していないものの、取引獲得を目的とした不動産の媒介が金庫全体で行われていたことが認められた。

    3.  一部の元理事及び監事は、元非常勤理事が指示した複数の業務等が不祥事件等に該当すると認識しながら黙認し、中には不適切な指示に対して異議を唱えることなく、不正な会計処理を行っているものが認められた。

 3.上記1及び2の問題については、歴代の経営陣のもとで法令等遵守が軽視されてきたほか、長年に亘り経営を実質的に支配してきた元非常勤理事による風通しの悪い組織文化が醸成されてきたなかで他の経営陣が元非常勤理事による独裁的な経営に過度に依存したため、牽制機能を含めた理事会の機能発揮が不十分となるなど、経営管理態勢が欠如していたことが根本原因であると認められる。

本ページに関するお問い合わせ先

北海道財務局理財部金融監督第二課 電話:011-709-2311(内線4392)

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