株券等の大量保有の状況等に関する開示制度(5%ルール)の概要について
第一 目的と概要
大量保有者は、保有することとなった日の翌日から起算して5日以内に内閣総理大臣(大量保有者の住所又は居所(法人の場合、登記簿上の本店所在地)を管轄する財務(支)局長。以下同じ。) に大量保有報告書の提出が必要となります。
その後、直前に提出した報告書上の株券等保有割合から1%以上増減した場合や、報告書の記載事項に重要な事項の変更(第四「6.変更報告書」を参照)が生じた場合には、変更のあった日の翌日から起算して5日以内に 内閣総理大臣に変更報告書の提出が、また、提出済の報告書の記載内容に誤りがあったり、記載が不十分であった場合には 訂正報告書の提出が必要となります。
第二 大量保有報告書の縦覧等
北海道財務局では、電子開示システム(EDINET)により縦覧を行っております。
なお、EDINETにより開示されている書類については、他の財務局等に提出された報告書についても縦覧することができます。
報告書の縦覧期間は、提出されてから5年間です。
また、どなたでもインターネットを通じて「EDINET(閲覧用)」(金融庁へリンク) をご利用いただけます。
報告書の記載内容
報告書には、概ね以下の内容が記載されています。
提出書類に関する事項
- 提出書類の別 ( 大量保有報告書 又は 変更報告書 )、提出者氏名等、報告義務発生日、提出日及び変更報告書提出事由等
第1 発行者に関する事項
- 名称、上場金融商品取引所 等
第2 提出者に関する事項
(1) 提出者の概要
- 個人:氏名、住所、職業等
- 法人:名称、本店所在地、事業内容等
(2) 保有目的
- 「純投資」「政策投資」「重要提案行為等を行うこと」等の目的及びその内容
(3) 重要提案行為等
- 金融商品取引業者等(※)が重要提案行為等を行うことを保有目的とする場合、その旨を記載
※株券等の大量保有の状況の開示に関する内閣府令第11条第1号から第4号に掲げる者
(4) 提出者の保有株券等の内訳
- 株券等の種類別及び合計の保有株券等の数、保有割合
(直前の報告書における株券等の保有割合も記載)
(5) 最近60日間の取得又は処分の状況
- 取引日、取引数量、売買単価 等
(市場内取引によるものは売買単価の記載不要)
(6) 株券等に関する重要な契約
- 報告対象の株券等に関する貸借契約、担保契約、売戻し契約、売り予約その他の重要な契約、取決めに関する契約の種類、相手方等の内容
(7) 保有株券等の取得資金
- 取得資金の内訳(自己資金、借入金等)、借入金の内訳(借入先の名称、業種、借入目的、借入金額等)等
第3 共同保有者に関する事項
- 共同保有者の概要、保有株券等の内訳、共同保有における株券等保有割合の内訳
(直前の報告書における株券等の保有割合も記載)
第4 提出者及び共同保有者に関する総括表
- 保有株券等の数の総合計、保有割合
(直前の報告書における株券等の保有割合も記載)
第三 報告書の提出
1.提出方法
EDINETにより提出してください。
なお、初めて提出される方は、事前に提出先の財務(支)局へ手続きが必要です。詳しくは「EDINET(提出用)」(金融庁へリンク) をご覧下さい。
注1)平成18年6月14日に公布された「証券取引法等の一部を改正する法律」により、平成19年4月1日以降、大量保有報告書、変更報告書及びこれらの訂正報告書は、EDINETによる提出が義務化され、紙面による提出はできません。
注2)報告書の第2-1-(7)-③「借入先の名称等」欄に記載のある報告書を提出する場合には、開示文書と非縦覧文書の作成が必要となります。
詳しくは、上記「EDINET(提出用)」をご覧下さい。
注3)その他提出に際しての具体的な方法や留意事項については、上記「EDINET(提出用)」をご覧下さい。
2.提出様式
EDINETにより提出する場合、報告書の様式はhtml形式の様式を使用する必要があります。
様式については、「EDINET(閲覧用)」(金融庁へリンク) よりダウンロードできます。
報告書の種類 | 共同保有者の有無 | 提出様式 | 注意事項 | ||
---|---|---|---|---|---|
大量保有報告書 | なし | - | 第一号 | 注1参照 | |
大量保有報告書 | あり | 連名提出 | 第一号 | 注2参照 | |
大量保有報告書 | あり | 個別提出 | 第一号 | 注3参照 | |
変更報告書 | なし | - | 第一号 | 注1、4 参照 | |
変更報告書 | あり | 連名提出 | 第一号 | 注2、4参照 | |
変更報告書 | あり | 個別提出 | 第一号 | 注3、4参照 | |
変更報告書 (短期大量譲渡の場合) |
なし | - | 第一号及び第二号 | 注1、4参照 | |
変更報告書 (短期大量譲渡の場合) |
あり | 連名提出 | 第一号及び第二号 | 注2、4参照 | |
変更報告書 (短期大量譲渡の場合) |
あり | 個別提出 | 第一号及び第二号 | 注3、4参照 | |
訂正報告書 | 上記に準ずる | 上記に準ずる | ひな形 | 注5参照 |
注1)第一号様式の第3「共同保有者に関する事項」及び第4「提出者及び共同保有者に関する総括表」に係る部分については提出不要です。
注2)第一号様式の第2「提出者に関する事項」において 提出者及び共同保有者それぞれ全員分を記載した上で、第一号様式の第4「提出者及び共同保有者に関する総括表」に合算して記載して下さい。
また、連名提出の場合、共同保有者から提出代表者あての委任状が必要となります。
なお、委任状を報告書に添付する場合、共同保有者が記名した委任状をPDF形式化したものを添付する必要があります。
詳しくは、提出者用EDINETの操作ガイド(提出者用EDINETからのみアクセス可能です。金融庁ホームページからアクセスできません。)をご覧下さい。
注3)第一号様式の第2「提出者に関する事項」において提出者分を、第一号様式の第3「共同保有者に関する事項」において提出者以外の共同保有者それぞれ全員分を記載した上で、第一号様式の第4「提出者及び共同保有者に関する総括表」に合算して記載して下さい。
注4)変更報告書の提出に当たっては、原則として 大量保有報告書に記載した事項のすべてを提出義務発生日の現況に基づいて記載して下さい。
なお、共同保有者全員の委任を受けて当該提出者及び当該共同保有者全員の報告書を一つにまとめて提出する連名提出の変更報告書の場合には、共同保有者のうち、前回提出の報告書から記載事項に一切の変更がない者に係る株券等の保有状況にかかる記載は不要です。
注5)訂正報告書の様式は、下記ひな形の様式をご活用ください。
訂正報告書(Word形式:33KB)なお、上記ひな形の様式をEDINETで使用する場合、html形式にファイル変換する必要があります。
3.添付書類
ただし、変更報告書の提出にあたっては、その書面が、当該変更報告書に係る大量保有報告書に添付された書面又は当該変更報告書の直前に提出された変更報告書(当該大量保有報告書に係るものに限る。)に添付された添付書面と同一の内容である場合には、この限りではありません。
(注)EDINET提出される場合、上記添付書類は「非縦覧書類」として提出する必要があります。
4.提出期限
報告義務発生日の翌日から起算して5日以内 (土曜、日曜、祝日等を除く)
(注釈)提出期限までの間に祝日がない場合、翌週の同一曜日が期限となります。
なお、大量保有報告書又は変更報告書を提出する日の前日までに、新たに変更報告書を提出しなければならない事由が生じた場合には、当該変更報告書は、上記の期日にかかわらず、提出されていないこれらの書類と同時に提出する必要があります。
5.お問い合わせ先
電話:011‐709-2311(代表)内線4344
第四 用語説明 及び 留意事項
- 法:金融商品取引法
- 施行令:金融商品取引法施行令
- 府令:株券等の大量保有の状況の開示に関する内閣府令
1.大量保有報告書 〔法第27条の23第1項〕
2.報告書の対象となる株券等の範囲〔法第27条の23第1項及び第2項、施行令第14条の4、第14条の4の2及び第14条の5の2、府令第1条の2〕
項目 | 内容 | 備考 |
---|---|---|
(1)大量保有者が報告しなければならない株券等の発行者の範囲 | 金融商品取引所に上場された株券等の発行者 | - |
(2)株券等の範囲 | 株券、投資証券等 | 議決権のない株式を除く |
(2)株券等の範囲 | 新株予約権証券、新株予約権付社債券、対象有価証券カバードワラント、株券預託証券、 株券関連預託証券、株券信託受益証券、株券関連信託受益証券、対象有価証券償還社債、他社株等転換株券 |
権利行使等によって取得できる株式数に換算 |
3.提出義務者 〔法第27条の23第3項〕
報告書の提出主体を 「保有者」といい、下記 (1)から(3) のとおり分類して規定されています。
下記に分類されるそれぞれの立場における保有株券等の数を合計して株券等保有割合を計算した結果、株券等保有割合が5%を超えている者を「大量保有者」といい、報告書の提出義務を負うこととなります。
(1)法第27条の23第3項本文に該当 |
|
---|---|
(2)法第27条の23第3項第一号に該当 | 金銭の信託契約等によって株券等の発行者の株主として議決権その他の権利を行使することができる権限を有する者又は当該議決権その他の権利の行使について指図を行うことができる権限を有する者(下記(3)に該当する者を除く)であって、当該発行者の事業活動を支配する目的を有する者 |
(3)法第27条の23第3項第二号に該当 | 投資一任契約その他の契約又は法律の規定に基づき、株券等に投資をするのに必要な権限を有する者 |
4.株券等保有割合の算出方法 〔法第27条の23第4項〕
注1) 潜在株式数 : 新株予約権証券等について、その権利行使によって取得できる株式の数〔府令第5条〕
注2) 保有株式総数から信用取引により譲渡した株券等の数は控除して下さい。
注3) 自己保有分の株式数からは、会社法第113条第4項に規定する自己株式を除きます。
5.共同保有者 〔法第27条の23第5項及び第6項、施行令第14条の7〕
共同保有者がいる場合には、上記4.のとおり 共同保有者の株券等の保有分を合算し 株券等保有割合を計算します。
共同保有者の定義は、下記 (1)、(2) のとおりです。
(1)実質共同保有者 〔法第27条の23第5項〕 |
共同して株券等を取得し、譲渡し、又は議決権の行使等を行うことを合意している者。 (書面での合意の有無等、合意の形態の如何にかかわらない) |
---|---|
(2)みなし共同保有者 〔法第27条の23第6項、 施行令第14条の7 〕 |
上記の合意がない場合でも、下記の関係にある場合においては、共同保有者とみなす。 ただし、内国法人の発行する株券等については、単体株券等の保有割合が1000分の1となる株券等の数以下である場合等には、みなし共同保有者から除外される(府令第6条)。
|
6.変更報告書 〔法第27条の25第1項、施行令第14条の7の2〕
大量保有報告書の提出後に、現在の株券等保有割合が直前の報告書に記載した株券等保有割合と比較して1%以上増減した場合、その他 大量保有報告書に記載すべき重要な事項の変更として政令で定めるものは、変更報告書の提出が必要となります。
なお、保有株券等の増減を伴わない場合は、株券等保有割合が1%以上増減した場合であっても変更報告書の提出は不要ですが、その後、保有株券等の増減があった時点で保有割合を算定し変更報告書提出の要否の判断が必要です。
「重要な事項の変更」とは次に掲げるものを除く
- 単体株券等保有割合が1%未満である保有者が新たに共同保有者となった場合
- 単体株券等保有割合が1%未満であった保有者が共同保有者でなくなった場合
- 単体株券等保有割合が1%未満である共同保有者の氏名若しくは名称又は住所若しくは所在地の変更
- 単体株券等保有割合の1%未満の増加又は減少
- 保有者及び共同保有者にかかる次に掲げる契約の締結又はそれらの内容の変更のうち軽微なもの
(「軽微なもの」とは、以下に掲げる契約の締結又はそれらの内容の変更があった株券等の数を、当該株券等の発行者の発行済株式の総数に当該保有者及び共同保有者の保有する当該株券等の数を加算した数で除して得た割合が1%未満のもの)
イ.担保に供することを内容とする契約
ロ.売り戻すことを内容とする契約
ハ.売買の一方の予約
ニ.貸借することを内容とする契約
ホ.イからニまでに掲げる契約に準ずる契約 - 保有する株券等の内訳の変更であって、当該変更のある株券等の数の合計を発行済株式総数等で除して得た割合が1%未満のもの
- 第1号様式及び第3号様式に記載すべき事項のうち、軽微な変更
(注)「単体株券等保有割合」とは、保有株券等の数を、当該株券等の発行者の発行済株式又は発行済投資口の総数に当該保有者及び共同保有者の保有する新株予約権付社債券及び新株予約権証券等の数を加算した数で除して得た割合をいいます。
7.短期大量譲渡 〔法第27条の25第2項〕
株券等保有割合が減少したことにより変更報告書を提出する場合で、短期間に大量の株券等を譲渡したものとして以下の基準に該当する場合は、「譲渡の相手方」を追加して記載した変更報告書の提出が必要になります。
なお、この場合の変更報告書は、第一号様式の「第2【提出者に関する事項】1-(5)【当該株券等の発行者の発行する株券等に関する最近60日間の取得又は処分の状況】」に代えて 第二号様式による記載が必要となります 〔府令第10条〕。
「短期間に大量の株券等を譲渡した場合」とは
譲渡時点の株券等保有割合が、当該譲渡の日の前60日間(譲渡の日及びその前61日)における「最高の株券等保有割合」の二分の一未満となり、かつ、当該最高の株券等保有割合から5%を超えて減少した場合 〔施行令第14条の8〕
8.訂正報告書 〔法第27条の25第3項〕
既に提出された大量保有報告書 又は変更報告書に記載された内容が、事実と相違している場合、また記載すべき重要な事項 もしくは誤解を生じさせないために必要な重要な事実の記載が不十分であったり欠けている場合は、訂正報告書の提出が必要になります。
記載すべき事項
- 発行者の名称 及び証券コード
- 提出者の氏名又は名称及び住所又は本店所在地
- 訂正される報告書の報告義務発生日
- 訂正事項 (訂正前・訂正後が分かるように記載)
9.特例報告 〔法第27条の26、施行令第14条の8の2第2項〕
金融商品取引業者、銀行、信託会社等については、重要提案行為等を行うことを保有目的としないなど法令で定める要件を満たした場合、内閣総理大臣に届け出た次のいずれかの基準日時点における報告を行うことが認められています。
- 各月の第2月曜日及び第4月曜日(第5月曜日がある場合には、第2、第4及び第5月曜日)
- 各月の15日及び末日(土曜日に当たる場合、その前日。日曜日に当たる場合、その前々日)
なお、詳細な点については、財務(支)局へお問い合わせください。