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第93回国有財産北海道地方審議会議事録

平成30年11月19日(月曜日)

国有財産北海道地方審議会委員名簿(敬称略、五十音順)

五十嵐 智嘉子 一般社団法人 北海道総合研究調査会 理事長
上杉 真 株式会社道銀地域総合研究所 代表取締役社長
小笠原 圭奈子 弁護士
河野 明美 株式会社キューブコーポレーション 代表取締役
佐藤 佳孝 北海道電力株式会社 取締役会長
柴田 龍 株式会社北洋銀行 取締役副会長
中山 茂 一般社団法人 北海道建設業協会 監事
浜田 美奈子 社会福祉法人 札幌光陽会 理事
丸山 博子 丸山環境教育事務所 代表
三上 隆 国立大学法人 北海道大学 名誉教授
宮口 宏夫 株式会社北海道新聞社 常務取締役管理統括本部長兼経営企画局長
宮達 隆行 不動産鑑定士

(12名)

1.開会

  • 小山課長 定刻前でございますが、委員の皆様にお集まりいただきましたので、ただ今から第93回国有財産北海道地方審議会を開催いたします。

 私は、本日の進行役を務めます、北海道財務局管財部管財総括第一課長の小山でございます。よろしくお願いいたします。

 本日の審議会は、委員総数12名のうち、9名の出席をいただいております。国有財産法施行令第6条の8の規定に定める、委員の半数以上の出席で会議を開き議決するという要件を満たしておりますので、当審議会は有効に成立しておりますことをご報告いたします。

2.財務局長挨拶

  • 小山課長 それでは、当審議会の開会に当たりまして、北海道財務局長の志村よりご挨拶を申し上げます。
  • 志村局長 北海道財務局長の志村でございます。私事ですけれども、8月から赴任して早3ヶ月ということになります。

 その間、北海道胆振東部地震等がございましたが、皆様のご協力を賜り、先月あたりから平常業務に戻ってございます。

 国有財産の北海道地方審議会の開催に当たりまして、一言ご挨拶申し上げます。

 委員の皆様におかれましては、当審議会にご出席賜り誠にありがとうございます。また、日頃から私どもの国有財産行政をはじめとして財務局の行政全般に関しまして深いご支援をいただいておりますことを、本席をお借りしまして厚くお礼申し上げます。

 当審議会は、昭和31年7月に第1回が開催されて以来、今回で93回目ということになります。この間、委員の皆様方からは貴重なご意見を賜り、北海道における国有財産行政に多大なる貢献をいただいているところでございます。

 本日、審議をお願いする案件は1件でございまして、「函館市千代台町に所在する土地を、函館市に対し公共駐車場敷地として時価売払いすることについて」でございます。

 後ほど、事務局から詳しく説明させていただきますので、ご審議のほどよろしくお願いいたします。

 本日は、せっかくの機会でございますので、審議に入ります前に、先程申し上げました自然災害、地震ですけれども、これに関しまして私どもが及ばずながら行ってきたことを、ご紹介させていただきたいと思います。

 今年は7月から9月の大雨・台風に襲われまして、その後、9月6日未明に発生しました北海道胆振東部地震により、道内の広範囲にわたり大きな災害に見舞われました。この場をお借りしまして、被災された皆様にお見舞い申し上げます。

 財務局は、今回の災害に対し金融上の措置といたしましては、災害救助法の適用を受けた市町村の被災者に対して、日銀各支店と連携しまして金融機関に対し、金融上の措置を適切に講じるよう要請しました。

 また、北海道庁や被災市町村に対して自然災害による被災者の債務整理に関するガイドラインのほか、未利用国有地・国家公務員の空き宿舎の活用などについて情報提供を行ったところでございます。

 さらに、被害が特に甚大であり、当局に要請があった安平町・むかわ町・日高町の3町に対しましては、災害時協定に基づき職員を派遣させていただいたところでございます。

 今回は公共インフラを中心に河川、道路、農地が被災してございます。この復旧のために、息の長い話になるのですけれども、まず第一弾として、被災施設などに対して担当者とともに被災状況を確認する作業がございます。これで復旧の方法とか事業規模というものを決定することになります。最終的には市町村等が復旧対策事業を行いますが、そのための処理の査定を現在行っており、早期の復旧に努め、被災地の生活の安定を図るものです。

 10月末に財務局が四半期に1回、道内の経済状況についてお話申し上げてございます。今のところ、北海道は地震による影響がいろいろなケースでございます。直接被害を受けられた方もいらっしゃいますし、停電による被害、もしくは風評被害、幾つかございましたけれども、今回の地震で北海道は、いわゆる産業インフラ、もしくは観光インフラ本体が甚大な影響をそれほど受けていなかったということもございまして、今、足下、経済状況が元に戻っている過程にあるのかなと私ども認識しております。

 時期的には、8月までの道内経済は、着実に立ち直っておりました本州の景気動向に近づいていたのでございますけれども、残念ながら地震でもって頓挫したことは事実でございますが、その一時のショックから今は確実に立ち直りつつある状況と認識しております。

 これらのことは、国有財産には直接関係はないのでございますけれども、私どもが経済官庁の出先として今、何を考えているということをご披露させていただきました。

 このように財務局は、国有財産の売払いだけではなくて、各種業務を通じましてきめ細かく情報提供するとともに、地域の皆様方の声を的確に中央に伝えるということを仕事の主軸にしております。そういうことを通じて、地域の発展に今後とも貢献してまいりたいと思います。
委員の皆様方には、引き続きご指導をお願い申し上げるとともに、本日は皆様方からの忌憚なきご意見を賜ればと存じますので、よろしくお願いいたします。

3.委員及び事務局職員紹介

  • 小山課長 続きまして、議事に入ります前に、私のほうから本日、ご出席いただいております委員の皆様方を五十音順でご紹介させていただきます。

 株式会社道銀地域総合研究所 代表取締役社長の上杉真委員でございます。

  • 上杉委員 上杉でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
  • 小山課長 弁護士の小笠原圭奈子委員でございます。
  • 小笠原委員 小笠原と申します。よろしくお願いいたします。
  • 小山課長 株式会社キューブコーポレーション 代表取締役の河野明美委員でございます。
  • 河野委員 河野でございます。よろしくお願いいたします。
  • 小山課長 株式会社北洋銀行 取締役副会長の柴田龍委員でございます。
  • 柴田委員 柴田でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
  • 小山課長 一般社団法人北海道建設業協会 監事の中山茂委員でございます。
  • 中山委員 中山です。どうぞよろしくお願いいたします。
  • 小山課長 丸山環境教育事務所 代表の丸山博子委員でございます。
  • 丸山委員 丸山です。どうぞよろしくお願いいたします。
  • 小山課長 国立大学法人北海道大学 名誉教授の三上隆委員でございます。
  • 三上委員 三上です。よろしくお願いいたします。
  • 小山課長 不動産鑑定士の宮達隆行委員でございます。
  • 宮達委員 宮達でございます。よろしくお願いいたします。
  • 小山課長 最後に、当審議会の会長であります、北海道電力株式会社 取締役会長の佐藤佳孝委員でございます。
  • 佐藤会長 佐藤でございます。よろしくお願いいたします。
  • 小山課長 続きまして、本日出席しております当局の職員を紹介いたします。

 管財部長の松宮勤生でございます。

  • 松宮部長 松宮でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
  • 小山課長 管財部次長の阿部敏宏でございます。
  • 阿部次長 阿部でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
  • 小山課長 以上でございます。

4.会長挨拶

  • 小山課長 それでは、次にご審議をいただく前に、佐藤会長からご挨拶を頂戴したいと存じます。佐藤会長、よろしくお願いいたします。
  • 佐藤会長 会長の佐藤でございます。

 委員の皆様には大変お忙しい中、お集まりいただきましてありがとうございます。

 本日、審議いたします議題は諮問事項が1件で、そのほか報告事項が2件ございます。後ほど、事務局から説明いたします。

 この審議会は、北海道財務局長からの諮問を受けまして、国民共有の財産である国有財産をいかに有効かつ効率的に活用していくかということを審議する重要な会議でございます。

 この使命を果たすために、皆様方のご協力を得ながら円滑に議事運営を進めていきたいと思いますので、ご協力をよろしくお願いいたします。

5.諮問事項審議

  • 小山課長 どうもありがとうございました。

 それでは、財務局長の志村から、佐藤会長に諮問書をお渡しいたします。

(諮問書交付)
  •  小山課長 それでは、これより議事に入りますので、恐れ入りますが、報道関係の方につきましてはご退室いただきますようお願いいたします。
(報道機関退室)
  • 小山課長 それでは、以後の議事進行を佐藤会長にお願いしたいと思います。

 佐藤会長、よろしくお願いいたします。

  • 佐藤会長 それでは、諮問事項の審議に入ります。

 はじめに、事務局から諮問事項の説明をいたします。

  • 松宮部長 それでは、諮問事項につきましてご説明いたします。

 お手元に資料をご用意しておりますが、前方のスクリーンも併せてご覧いただければと思います。

 それでは1ページをご覧ください。

 本件は「函館市千代台町に所在する土地を、函館市に対し公共駐車場敷地として時価売払いすることについて」でございます。

 2ページをご覧ください。

 まず、国有地の概要についてご説明いたします。

 会計名は財務省所管一般会計、所在地は函館市千代台町135番80、数量は7,524平方メートルでございます。

 旧用途は、函館重砲兵連隊であり、旧陸軍省の局舎の敷地として使用されていたものでございます。

 次に、財産の沿革について、ご説明いたします。

 対象財産は、昭和20年10月に旧陸軍省より引受けした財産でございます。昭和25年より函館市立中央中学校グラウンド敷地として函館市に対し減額貸付をしたものでございまして、その後、特別措置の適用により無償貸付に移行しておりました。

 その後、昭和57年に凌雲中学校という名前に変更され、平成25年の中学校再編により、平成29年度末をもって中学校の廃止が決定し、平成30年3月31日付で貸付財産の返還を受け、未利用の国有地となったものでございます。

 3ページをご覧ください。

 財産の位置について、ご説明いたします。

 本地は、JR函館駅の北東約2.3キロメートル、函館市電の五稜郭公園前の南西0.4キロメートルに位置しており、特別史跡五稜郭跡から南西に約1.3キロメートルの位置にあります。

 4ページをご覧ください。

 周囲の状況でございますが、本地を含む区域は第2種住居地域に指定されておりまして、建ぺい率は60パーセント、容積率は200パーセントでございます。

 本地の南側は、都市計画公園の千代台公園となっていまして、本地の北側には旧函館市立凌雲中学校の敷地がございます。

 本地の東側は、近隣商業地域となっておりまして、飲食店等の商業系と集合住宅を中心とした住居系が混在する地域となっております。

 また、本地の北側は商業地域となっており、東側にある函館市電の五稜郭公園前を中心としたホテル、商業施設等が集積する地域となっておりまして、代表的な施設としましては、こちらに新複合施設のシエスタハコダテがございます。

 5ページをご覧ください。

 続きまして、財産の現況等について、ご説明いたします。

 本地の現況は、南北約84メートル、東西約89メートルとほぼ正方形の平坦な土地で、本地の北東側に函館市道が所在しております。

 6ページをご覧ください。

 しかしながら、本地と市道の間には公園用地が介在しているため本地は接道しておらず、公道に接していない、いわゆる無道路地となっております。

 以上が、財産の概要となります。

 7ページをご覧ください。

 それでは、利用計画について、ご説明いたします。

 函館市は、本地において公共駐車場の整備を図る計画をもっております。具体的な整備内容は、乗用車用として288台、身障者用として5台の合計293台の駐車場を整備することになっています。

 また、先程ご説明しましたように、本地は無道路地となっておりますので、市では旧凌雲中学校敷地の一部、約240平方メートルを本地北東側の道路に接続する対面交通可能な駐車場への出入り口として整備する計画で、それによって市道とのアクセスを確保する計画となっております。

 なお、駐車場の使用料につきましては、市の駐車場条例に基づく使用料を徴収する予定でございます。

 8ページをご覧ください。

 次に、事業の必要性及び緊急性について、ご説明します。

 平成25年3月に函館市は、人口減少時代に向けた新たなまちづくりとして、中心市街地の役割が重要であるとして、平成25年度から5年間について函館市中心市街地活性化基本計画を策定いたしました。

 この計画の中で、本地を含む南北に細長く伸びたこの区域でございますけれども、活性化を推進する中心市街地として本町・五稜郭・梁川地区と指定され、商業、医療・福祉、芸術スポーツなどの都市機能を集積する計画となっております。

 9ページをご覧ください。

 計画に登載した各種施設の施策を進めていく中で、平成27年10月に中間評価として市民アンケートを実施しました。その中で、中心市街地の活性化を妨げる要因を確認するために、本町・五稜郭地区に行かない理由はどういうものがあるかと問いかけをしたところ、駐車場が少ないという回答が48.1パーセントと一番多く寄せられました。そのため、本町・五稜郭地区により多くの市民を呼び込むためには、当地区での駐車場整備が必要不可欠という判断に至ったものでございます。

 加えて、平成29年4月に、新複合施設シエスタハコダテが開業することになりまして、本町・五稜郭地区の活性化にさらに市民の期待が寄せられる一方で、駐車場の不足がさらに深刻化している状況になり、駐車場整備の緊急性が高まっているところであります。

 この中心市街地活性化基本計画の実施期間は、今年の3月末をもって終了したところでございますが、市は今年の5月に行われた最終フォローアップにおきまして、計画期間の終了後においても、引き続き中心市街地活性化を強力に推進していくという方針を確認し、本地の駐車場整備計画を策定したものでございます。

 10ページをご覧ください。

 また、本地南側に所在する千代台公園は、野球場や陸上競技場、テニスコートなどの複数の運動施設を整備した市を代表する総合運動公園でありまして、市民が利用するほかに各種の競技会やプロスポーツなども開催されております。

 現在、この公園駐車場の整備台数は229台でございまして、他方、公園の駐車の利用実績を見ますと、平成29年度は18万7,000台の駐車利用がございます。これを1日当たりに換算しますと約510台となりまして、整備台数を超える利用状況となっております。

 特に、土曜、日曜、祝日は混雑しているため、また各種スポーツ大会やイベントが開催されるときには、駐車場不足のために周辺地域に路上駐車が散見される状況となっております。

  11ページをご覧ください。

 以上のとおり、本地における駐車場整備は、本町・五稜郭地区における慢性的な駐車場不足の解消及び混雑の緩和を図るとともに、千代台公園の駐車場不足の補完をするものであります。それによりまして、本町・五稜郭地区への路上駐車の減少と、周辺道路の交通安全の向上を図ることになりますので、必要性・緊急性は十分認められるものでございます。

 12ページをご覧ください。

 次に、処分等の整備スケジュールについて、ご説明します。

 まず本地は、函館市に売払いするものでございますが、市は隣接する旧凌雲中学校敷地の管理もしておりますので、本地との一体管理が可能であることから、売払いまでの間、市に管理委託するものでございます。

 具体的な手続きとしましては、本年12月に市と管理委託契約を締結する予定でございます。その後、31年4月に売買価格を決定する見積り合せを市と実施しまして、6月に開催される定例市議会において議決されれば、7月には売買契約が締結される見込みとなっております。

 そして市は、地域住民への説明や関係機関との調整をしたうえで設計を行いまして、32年度になりましたら整備工事に着手して、年度内のできるだけ早い時期に供用開始をする予定でございます。

 以上のとおり、市における予算措置及び事業の計画は妥当なのものと考えられることから、事業の実現性は十分高いと認められます。

 13ページをご覧ください。

 最後に処分条件等につきまして、ご説明いたします。

 まず、函館市への処分方法は、時価売払いとしております。契約方法は、公共団体において、直接、公用・公共用に供する施設であることから、会計法の規定に基づきまして随意契約といたします。また、用途指定につきましては、地方公共団体に対する時価売払いでありますことから、用途指定は付さないことにいたします。また、代金の納付方法は、全額即納となります。

 審議事項の説明は以上でございます。ご審議の程、よろしくお願い申し上げます。

  • 佐藤会長 ただ今の説明について、ご意見、ご質問ございますでしょうか。
  • 宮達委員 それでは1点、質問させてください。

 ご説明ありがとうございました。当該土地の現況が道路に面していない無道路地とのご説明でした。

 それで、売払い先が函館市で、函館市は当該土地の北側にある敷地を所有されていることになりますと、現況では無道路地であっても、函館市が取得することで、当該土地は道路に接道した大きな土地に変化することになります。そもそもの利用が校舎とグラウンドだったということで、一体利用が可能だというご説明だったと思いますが、鑑定評価の中では、ここの一体利用の増分価値、無道路のままで売るときの価値と、それから隣接地の利用状況を踏まえて取得する場合に寄与する部分が出てくるわけでございます。

 あまり無道路であることばかりが全面に出ますと、価値的には時価売払いといっても随分安い価格になりますし、その増分価値がないのにもかかわらず、その増分価値があるような評価になりますと、これは買う方も時価というのがどこら辺にあるかというのを見失う可能性はあります。

 この一体利用を前提に函館市に売る場合の鑑定、もしくは価格の考え方については、どのように条件などがついて、評価などが行われるのかご説明いただきたいと思います。

  • 松宮部長 本地が無道路地ということについての評価のご質問とお聞きしましたが、国有財産につきましては適正な価格で売払いすることとなっております。

 その土地の最有効利用を想定しまして、それに基づき価格を算定するということになると思います。

 当該土地は、道路がなければ利用できないわけですので、最有効利用するために必要な措置を加えて評価するという必要があると思います。

  • 宮達委員 確認させていただいてよろしいですか。

 函館市は、自ら買うその土地が無道路地であるが、自分が一体利用したら無道路地ではなくなるということを承知の上で、その見積り合せの価格を算出してくるということになるのでしょうか。

  • 松宮部長 価格は不動産鑑定評価で評価を行いますので、対象財産の周辺の状況を踏まえて適切な価格を算出します。当然、函館市も理解していると思いますが、それを踏まえて条件を共有することが必要かと思います。
  • 佐藤会長 よろしいでしょうか。
  • 宮達委員 はい、ありがとうございます。

 もう1点ございます。もともとは軍用地だったということでございました。地下埋設物とか土壌汚染があるかどうかわかりませんが、学校用地であるのが昭和25年からというと、戦後すぐ軍から引き継がれ学校用途に付された土地ということでございます。この地下埋設物等の調査は、近畿のほうでもありましたが、事前に調査がどういう形で行われて、函館市が行うのか、国で行うのかというところも教えていただきたいと思います。

  • 松宮部長 それにつきましては、この財産を引き受けたときが昭和20年と大変古うございます。そのときの登記簿でありますとか、古地図、航空写真等を見まして、土地の履歴を確認したところでございます。

 もともと、ここは弾薬等を貯蔵するものでなく、庁舎の敷地であったということは確認できております。また、その後も昭和25年からずっと中学校の敷地となっているということで、中学校として使用するに当たって支障がないという確認は当然されているものと認識をしております。

 その様なことから、我々としましては、地下埋設物や土壌汚染といった蓋然性は非常に低いものと認識しているところでございます。

  • 佐藤会長 ほかにございますでしょうか。
  • 上杉委員 一つお聞きしたいのですが、駐車場の利用の市民アンケートで利用者側の駐車場が少ない、これはわかりました。そして、客観的に見た公園駐車場、ここも年間ベースでいきますと大幅に足りないということは把握しておりますけれども、公園駐車場は土日と平日の利用状況の差というのが大きいと思います。そうしたときに近隣の既存の駐車場経営者、すなわち民業の過度な圧迫にはならないと理解してよろしいでしょうか。
  • 松宮部長 民業の過度な圧迫にはならないと考えているところでございます。

 現在、この地域においては、民間の駐車場の収容台数が1,000台強あると聞いております。

 本件駐車場は有料であり、所在する位置も他の民間駐車場と比較すると本町・五稜郭地区の中心部から離れているため、他の民間駐車場への影響は少ないものと考えています。

 また、民間駐車場の中には、施設を利用したとき1時間とか無料利用できるところがあります。

 全体的には、民業の過度な圧迫にならないだろうという判断でございます。

  • 佐藤会長 ほかにございますか。よろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
  • 佐藤会長 特に異議がございませんので、諮問のとおりに決定いたしたいと思います。

 後程、北海道財務局長に対して答申書をお渡しすることといたします。

 また、審議の結果にかかる報道発表につきましては、事務局に一任することでご了解いただきたいと思います。

6.報告事項

  • 佐藤会長 続きまして、議事次第にございます報告事項1「庁舎等の使用調整について」、事務局から説明をいたします。
  • 阿部次長 管財部次長の阿部でございます。改めまして、よろしくお願いいたします。

 私から、報告事項の説明をさせていただきます。

 まず、報告事項1「庁舎等の使用調整について」でございます。こちらは、旭川地方合同庁舎において調整を行った事案でございます。

 資料の1ページをご覧いただきたいと思います。

 最初に、使用調整の制度についてでございますが、上段にございますように使用調整の目的は官署の統廃合による退去、財務局の監査結果により生じました空きスペースについて、省庁横断的な官署の入替え調整を行って、庁舎等の効率的な使用の促進を図ることにあります。

 その効果としましては、借受庁舎等の解消による借受費用の縮減、集約化による売却可能財産の創出、そのほか分散解消に伴う管理コストの低減などが挙げられているところでございます。

 なお、調整方針を作成するに当たりましては、下段の点線のところにございますが、調整対象面積に基準を設けまして処理手続きを区分しております。

 調整対象面積が600平方メートル以上となる事案につきましては、財務局の案を財政制度等審議会の国有財産分科会へ諮った上で、国の庁舎等の使用調整等に関する特別措置法第4条の規定に基づきまして、財務大臣が調整計画を策定することになっております。

 一方、600平方メートル未満の事案につきましては、国有財産法第10条の規定に基づきまして、財務局長が必要な調整を行うことになっておりまして、これらの使用調整の結果につきましては、当審議会にご報告することとなっております。

 本日のご報告は、昨年12月開催の第92回審議会報告以降に、法第10条の規定に基づき調整を行った旭川地方合同庁舎についてご説明をさせていただきます。

 それでは、2ページをご覧ください。

 本庁舎は、東西2棟で構成されておりまして、使用官署は左側にございますが、旭川財務事務所外8官署でございます。

 所在地は、右側中程の青い点線内にございますけれども、旭川市宮前1条3丁目3番11外2筆ということで、建物は東棟が平成16年3月築で、地上6階、地下1階、延べ面積が1万3,646平方メートルと、西棟が平成20年8月築ということで、地上6階、地下1階建で、延べ面積が1万509平方メートルでございます。

 最初から、この2棟で整備するに至った理由でございますが、計画当初より大地震発生時及び発生後に災害応急対策活動を行う旭川開発建設部、旭川地方気象台の入居が予定されていたことから、東棟には官署機能が発揮できますように耐震性能に余裕を持たせ、有事の際の官署機能の維持・確保を図ることとしていたものであります。

 西棟には、災害応急対策活動に従事しない官署の入居を予定していたため、構造体の耐震安全性能に差異を設けまして建設費用の縮減を図ったところであります。

 具体的な本庁舎における入居官署と地域の課題についてご説明させていただきます。

 次の3ページをご覧ください。

 最初に、入居官署それぞれにおきます課題としましては、平成10年の中央省庁等改革以降、公務員の定員の合理化計画や総人件費改革等の実施を経まして、削減を順次進めてきております。

 その中で、東棟に入居します旭川開発建設部の人員が平成16年庁舎新営時の人員に比べまして約3割、100名程度が減少したということがございます。

 次に、西棟に入居します旭川農政事務所旭川地域拠点では、平成20年新営時以降、定員削減とともに地域内の組織の統廃合を実施しております。これまでに、富良野、滝川、稚内地域等の9官署を旭川の本庁舎に統合しております。そのために、書類保管スペースが不足して、外部で書類の保管庫を借受け中であったということが二つ目でございます。

 三つ目に、西棟に入居しております北海道財務局の旭川財務事務所は、災害時におけます応急措置のため、国有地の提供ですとか、被災者への金融上の措置要請等の事務を行っておりますけれども、工事着工後の平成19年4月に官署に求められます庁舎耐震安全性能分類がⅢ類からⅡ類へ見直しされたため、建物の性能が不適応な状況にありました。

 また、3ページ中程にございますが、地域における課題としまして、旭川市内の国税業務は旭川中税務署と東税務署の2カ所になっております。そのうち、旭川中税務署が西棟に入居しておりますが、旭川市は札幌に次ぐ第二の都市ということもあって、確定申告者数も相当数になりますが、それぞれの庁舎で会場を確保できる会議室等が無いため、毎年度、一定期間でございますが市内の中心部で会場を借受けて、両税務署の確定申告会場として設置していた状況にございます。

 そのために、平成28年度に旭川地域を特定した庁舎等の使用実態監査を当局において実施した結果、東棟の旭川開発建設部において相当規模の余剰創出可能スペースが確認できましたので、順次玉突きによる合同庁舎内の移転・入居によって、入居官署及び地域における課題解消に向けた調整を行ったところであります。

 今回のご報告は、そのうち関係官署との調整が整った余剰創出可能スペース約529平方メートルの調整についてでございます。

 4ページをご覧いただきたいと思います。

 調整による効果としましては、資料上段にございますように、平成31年度に旭川開発建設部の東棟4階外を移転、そして返還を受けることで、まず庁舎の規模過大の適正化を図ると、32年度には、その返還されましたスペースに西棟5階の旭川財務事務所を移転・入居させると、財務事務所に求められておりますⅡ類耐震安全性能の不適応を解消できるということでございます。

 続きまして、平成33年度でございますが、西棟6階にあります北海道農政事務所旭川地域拠点を5階の財務事務所の退去後のスペースに移転させまして、同事務所を5階に集約することで、業務の効率を高めるとともに、執務室の狭隘の解消、外部書庫の借受け費用縮減というようなことを予定しております。平成34年度以降ですが、西棟6階農政事務所の退去後のスペースを活用しまして、確定申告会場としても利用可能となるよう共用会議室に改修して、借受け費用を縮減します。以上が使用調整の内容でございます。

 現在の進捗状況でございますが、旭川開発建設部では平成31年度での返還に向けて移転・内装改修工事の設計業務を実施しておりまして、その後も各官署におきましてスケジュール感をもって、順次、経費要求や改修・移転を進めていくこととしております。

 以上、簡単ではございますが、報告事項1の説明を終わらせていただきます。

  • 佐藤会長 ご意見・ご質問ございますでしょうか。よろしいですか。
(「異議なし」の声あり)
  • 佐藤会長 それでは、次の報告事項「審議会諮問事案の処理状況について」、事務局から説明いたします。
  • 阿部次長 それでは、続きまして報告事項2についてご説明いたします。

 過去の審議会におきまして、ご審議いただいた3事案につきまして、その後の処理状況についてご報告させていただきます。

 資料1ページをご覧いただきたいと思います。

 まず、一つ目の事案でございますが、平成28年5月25日に開催いたしました第90回地方審議会において、ご審議いただきました「登別市に所在する一般会計所属普通財産を、登別市に対し公共駐車場敷地として時価売払及び譲与することについて」、適当と認めるご答申をいただいた事案でございます。

 本財産は、登別市登別温泉町に所在します1万4,041平方メートルの土地でありまして、そのうち時価売払部分が中ほどにございますが6,296平方メートル、譲与部分は過去に登別市から国が寄附を受けた7,744平方メートルということになっております。一番下段にございますが処理区分、処理状況につきましては時価売払部分は平成30年3月30日付で売買契約を締結し、売買代金は8,294万9,000円でございます。また、同日付で譲与契約も締結しているところでございます。

 現在、登別市において、イベントの際などに公共駐車場として活用しておりますが、今後、舗装工事等を行い、できるだけ早い時期に供用開始する予定としております。

 2ページ以降は参考までに財産の位置を掲載しておりますが説明を省略させていただきまして、次に、二つ目の事案でございますが、5ページをご覧いただきたいと思います。

 こちらが平成28年11月22日に開催いたしました、第91回地方審議会においてご審議いただきました「札幌市中央区に所在する財政投融資特別会計所属普通財産を、札幌市に対し都市公園用地として時価売払いすることについて」、適当と認めるご答申をいただいた事案についてのご報告でございます。

 処理状況につきましては、5ページの下段にございますが、平成29年12月22日付で売買契約を締結いたしまして、売買代金は5億5,000万円でございます。札幌市において、本年度、地上建物・工作物の解体工事を実施しておりまして、今後、公園の実施設計、造成工事を行って平成33年に供用開始の予定となっております。

 次に、6ページでございますが、三つ目の事案でございます。平成29年12月5日に開催いたしました第92回地方審議会でご審議いただきました「札幌市中央区に所在する土地を札幌市が選定した社会福祉法人に対し、特別養護老人ホーム敷地として売払い又は貸付けすることについて」、適当と認めるご答申をいただいた事案でありまして、先程の二つ目の事案の札幌市都市公園南側に隣接する土地でございまして、8ページをご覧いただきますと、その状況がおわかりいただけるかと思います。

 昨年12月の審議会開催後、札幌市におきまして、本事業に応募しました2事業者の審査を行い、平成30年2月に社会福祉法人 明日佳を事業者として選定しましたことから、当該社会福祉法人を売払相手方と決定し、6ページにございますが平成30年9月28日付で売買契約を締結しております。売買代金は、時価で評価した12億5,000万円でございます。

 なお、施設の開設につきましては、札幌市の認可時の付帯条件に基づく実施設計を変更した影響から、当初、平成31年7月開設の予定でございましたが、32年1月開設の予定に変更となっていることをお伝え申し上げます。

 以上、報告事項2のご説明を終えさせていただきます。

  • 佐藤会長 ご意見、ご質問ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
  • 佐藤会長 それでは、報告事項を終了いたします。

7.財務局長謝辞

  • 佐藤会長 それでは最後に、財務局長からお礼を申し上げます。

 お願いいたします。

  • 志村局長 審議会の閉会に当たりまして、一言お礼のご挨拶申し上げます。

 本日は、ご多忙にもかかわらず、長時間にわたりご審議いただきまして、誠にありがとうございます。

 諮問事項につきましては、ご答申に従って適切に処理してまいりたいと思います。

 国民共有の貴重な財産である国有財産に関しまして、引き続き適切な処理、処分に努めてまいる所存でございますので、皆様方におかれましては、今後ともご理解、ご支援賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

 以上、甚だ簡単ではございますけれども、お礼のご挨拶とさせていただきます。

 本日は、誠にありがとうございました。

  • 佐藤会長 以上をもちまして、本日の審議会の議事は全て終了いたしました。

 委員の皆様には長時間にわたってご審議いただきありがとうございました。

 本日の議事録につきましては、事前に委員の皆様にご確認いただきましてから、北海道財務局のホームページに公開することとなっております。ご了解願います。

 それでは、進行を事務局にお返しいたします。

8.閉会

  • 小山課長 佐藤会長ありがとうございました。

 これをもちまして、第93回国有財産北海道地方審議会を閉会とさせていただきます。

 本日は、お忙しいところ、誠にありがとうございました。

本ページに関するお問い合わせ先

北海道財務局管財部管財総括第一課
電話番号:011-709-2311(内線4421、4424)

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