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令和4年6月3日に観光に関するオンラインイベント「青函みらい会議」を実施しました:青森財務事務所

 青森財務事務所では、業務を通じて得られた幅広いネットワークを活用し、地方公共団体や経済団体、大学等、各主体との「橋渡し」を行うことを通じた地域連携・地方創生支援に取り組んでいます。その一環として、令和4年6月3日に、青森財務事務所と北海道財務局函館財務事務所との共催で、青函両地域の持続的な発展を考える「青函みらい会議」を開催しました。今年のテーマは「マイクロツーリズム」で、有識者の皆様と議論を行いました。

開催概要

開催テーマ

 青函の魅力再発見 津軽海峡圏のマイクロツーリズムと地域活性化 

日時

 令和4年6月3日 13時30分から16時30分

開催方法

 Webexを使ったオンライン配信

登壇者

  • 北海道教育大学函館校 准教授 奥平 理 氏
  • 青森大学社会学部 学部長 清川 繁人 氏
  • 株式会社矢野旅館 代表取締役 工藤 夏子 氏
  • あおもり創生パートナーズ株式会社 常務取締役 高坂 幹 氏
  • 山田総合設計株式会社 課長代理 兼 縄文DOHNANプロジェクト代表 山田 かおり 氏
  • 函館財務事務所長 五十嵐 俊樹
  • 青森財務事務所長 田中 賢次

講義内容

第1部 基調講演

 北海道教育大学函館校准教授 奥平 理 氏による基調講演。演題は「マイクロツーリズムと津軽海峡圏」

マイクロツーリズムの定義

  • マイクロツーリズムは、自宅から1時間程度で行くことができる、近距離の旅のこと。感染拡大防止と地域経済を両立させる観光であり、旅行者に地域の魅力の再発見を提供する。
  • 青函地域は、交通網が発展しており、マイクロツーリズム推進には有利な条件が揃っているが、更なる活性化のためには、「地域人財の育成」が重要である。

青函圏における人財育成の変遷

  • 近代以前の青函圏の交流は、青函連絡船を使った担ぎ屋の移動により行われた。担ぎ屋により、青森の特産品が函館にもたらされ、それを売ったお金で函館の海産物を購入することにより、ヒト・モノ・カネが一度に動いていた。
  • 平成以降は、津軽海峡マグロ女子会の結成、バル街(チケット制の飲み歩きイベント)、街歩きなどが津軽海峡を越えて行われ、老若男女問わず、そして既存の枠組みを超えた人財の動きが見られる。

青函圏における今後の人材育成について

  • コロナ禍前の2016年、青函圏の4都市(函館市、青森市、弘前市、八戸市)の各地域に合計(延べ数)で2,300万人の観光客が訪れており、すでに我が国屈指の観光地であったが、連携は見られなかった。これからは各地域が連携することで大きな効果を生み出す可能性があり、そのための方策として、観光客を周遊させることが考えられる。
  • 足元は、コロナ禍により人間活動が停止していた状況が今も続いている。今は新たな人財、多様な人財を蓄える時期。コロナ禍で活躍の場を失った大学生や高校生へ積極的に働きかけ、人財難の解消、若者の投入によるガイド団体等の活性化を行うべき。

まとめ

  • 近代以前の青函圏は、文化や言語を中心に人間の内面で繋がる部分が多かった。近代以降になると、より世俗的につながるようになる。そして、連絡船がヒト・モノ・カネを移動させ、これが青函の繁栄に繋がった。
  • 平成以降、津軽海峡マグロ女子会の結成や大学生の活動に見られるように、人財の多様化と細分化、ボランティア化が進んだ。誰もが人財になり得る時代となった。
  • 少子高齢化が進む中で、若い力が必要。大学生や高校生などの若者が、青函圏を担う人財として域内で調達可能であることから、そうした人財の育成ができれば、青函圏で継続的にマイクロツーリズムによる地域活性化を進めていくことが可能となる。

写真

 

基調講演をする奥平准教授とそれを聞くパネリストの様子


第2部 パネルディスカッション

 青函圏を中心に各分野でご活躍されている方々と、パネルディスカッションを行った。

清川 繁人

 青森の忍者とイルカは、あまり知られていない観光資源であったが、徐々に地元での知名度を上げている。忍者とイルカのツアーガイドの育成も行っていきたいので、ガイドの受け皿を広げていく必要がある。

 北海道・北東北エリアが世界遺産に選ばれたのは、共通の文化圏にあることが理由にあるので、これからも「文化圏」に着目し、魅力を見つけていきたい。また、青森の人になじみ深い函館だけではなく、連携強化のために函館以外の道南地域の魅力も発信し、相互理解を深めていきたい。

工藤 夏子

 道南には、かつて海を行き来する北前船を通じて、青森から文化や料理が伝わってきた。文化の伝播に着目することで、新しい素材やストーリーが生まれてくるのではないか。

 連携を深めるためには、連携先の地域を理解することが重要。1つの地域だけでは観光客を満足させることは難しいので、周辺地域と相互理解を深め、共存・共栄していかなくてはいけない。

 地域でよいと思う取組みなどがあっても、発言する場所がないので、津軽海峡マグロ女子会のような受け皿を作ることが大切。

山田 かおり

 以前から青函の交流はあったが、北海道・北東北の縄文遺跡群が世界遺産になり、より双方の関心(マイクロツーリズムの機運)が高まっていると感じる。しかし、新幹線の札幌延伸に伴い、青函地域が通過点になってしまいかねないことから、これからはより一層、周辺の魅力をあわせて、青函地域全体で盛り上げることが必要。

 特定の人の活動が地域活性化につながるわけではないため、たくさんの人に地域づくりに参加してもらいたい。その中で、多くの人が集まった時にどう生かしていくか、参加した人の長所を見つけて、サポートできる人財の育成も大切。

高坂 幹

 青森には江戸時代の日本の原風景や伝統的な祭りがある。函館と青森のコンテンツを掛け合わせることでシナジー効果が期待できる。両方楽しめる周遊観光コースを作り、アピールしてはどうか。周遊を促進し、2、3泊してもらうことができれば土産代や飲食も増え、地域の活性化に繋がる。

 青森県外出身の大学生など若い世代にSNSで地域の魅力を発信してもらうのは、マイクロツーリズムの活性化に有効。また、コロナ禍で居住拠点を地方に移している人も少なくないので、そうした人々も巻き込んで地域の人財力を高められれば、青函地域の未来は明るい。

写真

 

パネルディスカッションを行う有識者の様子

パネルディスカッションを行っているときの視聴者向け配信画面

 

詳細版

 第1部及び第2部の詳細については、下記発言要旨をご覧ください。

 

 青函みらい会議全文(PDF形式:387.7KB)

第3部 青函魅力対決

 動画やスライドショーにて、青函地域の魅力をお伝えしました。

道南紹介ビデオ

 道南紹介ビデオ(YouTubeへリンク)

 

 (注)通信量が膨大となることが見込まれますので、Wi-Fi環境のもと視聴することをお勧めします。

本ページに関するお問い合わせ先

東北財務局 青森財務事務所総務課
電話:017-722-1461

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