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函館市において「青函地域経済活性化フォーラム(第3回)」を開催しました

 当局では、財政、金融に関する施策を幅広く実施する立場から、より効果的な地域貢献を実施するため、財務局、財務事務所を結節点(ハブ)とする恒常的、互恵的な意見交換の場を設け、地域の主体との連携強化を図っているところです。
 今般、そうした取組みの一環として、青函地域の関係者間による情報共有及び意見交換を行うことにより、一層の協力関係の構築を図ることを目的に、函館市において「青函地域経済活性化フォーラム(第3回)」を開催致しました。

1.開催日時

平成29年6月1日(木曜日)13時30分から16時まで

2.会場

函館地方合同庁舎 4階大会議室

3.主催

函館財務事務所、青森財務事務所、北海道財務局、東北財務局

4.出席者(順不同)

(1)地方公共団体

北海道(渡島総合振興局)、函館市、北斗市、木古内町、青森県、青森市

(2)経済団体

函館商工会議所、北海道商工会連合会、青森商工会議所、青森県商工会連合会

(3)金融機関

(株)北海道銀行、(株)北洋銀行、渡島信用金庫、道南うみ街信用金庫、函館商工信用組合、(株)青森銀行、(株)みちのく銀行、(株)日本政策投資銀行、(株)日本政策金融公庫

5.内容(テーマ)

青函地域経済の持続的発展に向けた「地域の課題」と解決方策

6.結果概要

(1)当局からの発表(1.北海道財務局函館財務事務所、2.東北財務局青森財務事務所)

両事務所より、道南地域及び青森県における雇用、主力産業(水産、観光)における現状と課題について発表。

(2)中小企業庁からの講演

『中小企業・小規模事業者 人手不足対応ガイドラインの概要』

 

中小企業庁 経営支援部 経営支援課 課長補佐 小林 章一 氏

 

 中小企業庁が設置(平成28年10月)した「中小企業・小規模事業者における人手不足対応研究会」において本年3月に取りまとめた「中小企業・小規模事業者人手不足対応ガイドライン」を説明。

 

  • 人手不足は、全業種にわたり深刻化し、恒常化しうる問題。中小企業は大企業よりも離職率が高く、離職が人手不足につながっている側面もある。また、新卒者は大企業志向が強い一方、復職女性、高齢者等は中小企業を選択する傾向にあり潜在労働力は豊富。外国人労働力も増加傾向。

     

  • このような中、人手不足を変革・成長のための機会と捉え直し、働き手の立場にたった職場環境整備等を進めることで、女性・高齢者・外国人等の多様な人材を確保するとともに、IT・設備導入、人材育成等により、労働生産性を向上する取組みが重要。

     

  • 本ガイドラインでは、多様な働き手が最大限能力発揮できる職場づくりや、設備導入等による生産性向上に取り組んでいる好事例を収集・分析し、人手不足対応への考え方(3つのステップ)を整理。経営者にヒントを与え、好事例の横展開が図られることを期待。

     

ステップ1:経営課題や業務を見つめ直す

ステップ2:業務に対する生産性や求人像を見つめ直す

ステップ3:働き手の目線に立って、人材募集や職場環境を見つめ直す
 

(3)意見交換(主な意見)

1.雇用について

  • (株)北洋銀行

    ホテル業界は、現状も雇用環境が厳しいが、今後も新規ホテルの開業が複数予定されており、宿泊施設の経営者は更なる人手不足を懸念。当行では、各ホテル関係者等に対し「ワーキング・ホリデー制度」を利用した外国人労働者の活用等を提案。約6割の経営者から具体的な話を聞いてみたいとの反応がある。

     

  • (株)日本政策投資銀行

    インバウンド観光客が増加する中、「ワーキング・ホリデー制度」も非常に有効なツールだが、日本に来ている留学生を活用することも一案。
    現状、日本で就職を希望する留学生のうち実際に就職できるのは3割程度にとどまる中、留学生は、宿泊施設への就職ニーズが非常に強いことを踏まえると、中小の宿泊施設が留学生を長期雇用したいときに、就労ビザとの関係上どのような問題点があるか等、留学生の採用に向けたアドバイスを受けられる仕組みが必要。

     

  • (株)日本政策金融公庫

    若者は地元への就職希望者が多い一方、就職を機に地元から離れる若者が多い。この背景には、当該地域に就職したいと思える企業が多くないといったことがあるのではないか。

     

  • 青森県

    従前より高校卒業者の県外流出を抑えるための取組みを継続的に行っているが、県外流出が特に多い工業高校生を中心に、県内に就職してもらうための取組みを強化している。

     

  • 函館商工会議所

    函館市では、高校卒業後の進学時に、約7割の若者が地元を離れてしまう。一度地元を離れた若者が大学等を卒業するタイミングで、地元企業が学生に情報を届けるようなフォローアップの仕組みが必要。

2.水産業について

  • 函館市

    津軽海峡は豊かな漁場であり、マグロ・イカのほか、コンブ・ホタテ等の養殖漁業も盛んで国内では最高級ブランドとして位置付けられている。適切な資源管理による生産体制の整備を図ることにより、これらのブランド品も今後十分に輸出対象品目になり得る。
    「外国人技能実習制度」は、様々な制限や負担があり、使い勝手が良い制度とは言えないものの、人手不足が一層進展する中、当該制度を活用することにより、少しでも漁家経営の安定と生産力の向上が図られるのではないかと考えている。

     

  • 北斗市 漁獲高の減少、漁業者の高齢化、後継者問題を抱える中、漁協とも連携を図りながら、漁業者の育成のほか、育てる漁業の取組みに注力。平成26年より新たにカキの養殖漁業を始めるなど、漁家経営の安定に努めている。

     

  • 木古内町

    後継者不足により漁業が衰退の危機。他方、以前から養殖漁業にシフトしている経営者は、一定の収支を確保できている状況。人手不足が顕著で、需要変動に対応できないため、海外実習生の受け入れなどを農協などとともに検討しているところ。

     

3.観光について

  • 函館商工会議所

    観光消費からの域内所得循環が弱いために雇用に繋がらないという状況が繰り返されており、対応策の再考が必要。地元企業の取引を拡大し、所得分配できるように取り組まなければ、人口は減少する一方。

     

  • (株)みちのく銀行

    青森県にある浅虫温泉では、宿泊施設が減少する中、若手経営者(40代から50代の2代目経営者)を中心に、再生プロジェクトチームを立ち上げ、第一弾として、温泉組合と観光協会のトップの若返りを図り、盛り上げようと取組み始めている。
     函館市では、今年から若手社長が中心となって、「函館未来研究会(仮称)」を立ち上げ、青函地域における課題やコラボレーションのあり方等について、率直な意見交換を行う場をつくった。留学生からは、日本に就職したいという声が多く聞かれており、就労ビザ対応等も重要課題。

     

  • (株)日本政策投資銀行

    自動運転開発は、北海道では、積雪寒冷地の気候を活かした実証試験が可能であり、開発拠点として適している。また、公共交通や物流の運転手不足解消、高齢者の移動手段確保、観光面での活用等といった、北海道が抱える社会課題への解決策となる可能性がある。

    日本政策投資銀行:配付資料(自動運転開発をめぐる国内外の動向)(PDF形式:387KB) 

(挨拶:北海道財務局原田局長)

(講演:中小企業庁小林氏)

本ページに関するお問い合わせ先

東北財務局青森財務事務所 総務課

電話:017-722-1461(内線211、217)

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