「熊本地震からの復旧・復興を支えるための地域金融・経済フォーラム」を開催しました
九州財務局では、「熊本地震からの復旧・復興を支えるための地域金融・経済フォーラム」を、平成28年12月以降、以下のとおり開催しました。
このフォーラムは、平成28年4月に発生した熊本地震から半年以上が経過し、緊急的・応急的な復旧から本格的な復興段階へ移行しつつある中、被災者の生活再建や中小企業等の本格的な事業の再建・再生を金融面からサポートし、地域経済の創造的な復興と成長に寄与するため、行政機関、地域金融機関、経済団体等が一堂に会し、金融支援の状況についての現状認識を共有するとともに、今後の地域の創造的復興や被災者の方々の生活再建、事業再生に向けた課題や対応等について意見交換を行うことにより、地域への情報発信並びに将来への安心感の醸成に資することを目的に開催したものです。
1.開催日時・場所
第1回 平成28年12月19日(月曜日)13時30分から16時30分
第2回 平成29年 3月14日(火曜日)13時30分から16時30分
第3回 平成29年 5月30日(火曜日)13時30分から16時
各回とも、熊本地方合同庁舎(熊本市西区春日2丁目10番1号)A棟1階共用会議室において開催。
2.参加機関(順不同)
熊本県、熊本市、宇土市、日本銀行熊本支店、株式会社肥後銀行、株式会社熊本銀行、熊本信用金庫、熊本第一信用金庫、熊本中央信用金庫、天草信用金庫、熊本県信用組合、株式会社商工組合中央金庫熊本支店、株式会社日本政策金融公庫熊本支店・八代支店、住宅金融支援機構九州支店、株式会社みずほ銀行熊本支店、株式会社三菱東京UFJ銀行熊本支店、株式会社三井住友銀行熊本支店、農林中央金庫熊本支店、熊本県信用保証協会、株式会社地域経済活性化支援機構、ミュージックセキュリティーズ株式会社、熊本県商工会議所連合会、熊本県商工会連合会、熊本県中小企業団体中央会、熊本経済同友会、九州財務局
3.結果概要
(1)フォーラムでは、各回とも冒頭、有識者による基調講演を実施しました。
基調講演に続き、参加者からの報告・発表が行われました。これまでの取組みや課題、対応策等について説明がなされ、県内観光の厳しい状況や被災者の住まい再建、中小事業者の事業再建に向けた資金面、人手不足の問題、商店街客の減少等が報告され、その後、参加者による活発な意見交換が行われました。
(第1回)
- グループ補助金制度は共助を前面に出しながら、自助を促し、公助で補う有効な制度。
- 倒産は低水準で推移しているが、休廃業・解散は増加傾向にある。本来は廃業しなくてもよい価値ある企業を、どのように存続させていくかが課題。
- 東日本大震災ではグループ補助金で復旧した事業者の約55%が被災前の売上に回復しておらず、販路確保・開拓、人材確保・育成が大きな経営課題。
- 高齢者の住まい再建に関し、自立意欲のある高齢者に対する資金対応をお願いしたい。
- 被災企業は、人手不足や資材高騰による復旧費用の増加に悩んでいる。
- 中小企業の事業再建について、経営計画の見直しに際して金融機関のノウハウを活かし、コンサルティングに入ってもらいたい。
- 開業支援、創業支援にも力を注ぎ、創造的復興のために新たな成長の芽を発掘し、育成していくことも重要。
- イノベーションにおいては、人材開発、まちづくりという観点が重要。また、個別企業の生産性向上に加え、交流人口や頻度の拡大のために、コミュニケーションにおけるイノベーションも必要。
- イノベーションを起こすためには、あるべき姿をはっきりさせ、課題を明確にして解決のためのステップを繰り返す課題解決志向が重要。
- 起業支援のためには、ニーズの顕在化も大切であるが、シーズを掘り起こして事業に結び付けていくことも重要。
- 課題解決志向、自分の頭を使って考える人がどれだけ増えるかが重要であり、そのためには、ビジネスしようとしている人を待ち構えているのではなく外部から人を呼び込む姿勢や異質な人を伸ばす、育てるといった環境が大切。
4.今後の対応
九州財務局では、今後とも、熊本地震被災者の方々に寄り添いながら、地域における復旧・復興に向けた動きや地域の声の把握に努めつつ、復旧・復興支援のため取り組んでまいります。また、今回のフォーラムのような取組みを通じ、地方公共団体、地域金融機関、経済団体等との連携を図りつつ、フォワードルッキングな視点に立って創造的復興のため貢献していきたいと考えています。