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株券等の大量保有の状況等に関する開示制度(5%ルール)の概要について

 上場株券等を一定の基準を超えて保有する場合は、大量保有報告書の提出が必要となります。以下、大量保有報告書について、その概要を説明します。

 

【注意】

(1)ここに記載している概要は、主として、一般報告を対象に記載しています。また、あくまで概要ですので、詳細は法令等及び記載上の注意を確認してください。なお、不明な点はご照会ください。

 

凡例 法:金融商品取引法 施行令:金融商品取引法施行令 府令:株券等の大量保有の状況の開示に関する内閣府令

 

(2)大量保有報告書及び変更報告書並びにこれらの訂正報告書については、平成19年4月1日以降開示用電子情報処理組織(EDINET『エディネット』)を使用して提出していただくこととなりましたので、紙面による提出ができません。

 

(3)平成20年12月12日施行の金融商品取引法改正法により、大量保有報告書・変更報告書を提出期限までに提出しない場合、及び大量保有報告書・変更報告書(これらの訂正報告書を含む)に虚偽の記載を行った場合等について課徴金制度が導入されています。

 

【記載上の注意】

 第一号様式・記載上の注意(PDF形式:250.4KB)

 

【委任状の様式】

 委任状は法令上定められた様式はありませんが、参考までに一例を掲載いたしますので、適宜加工して使用してください。

 委任状の様式(Word形式:14.7KB)

 委任状の様式(PDF形式:33.2KB)

1.大量保有報告書〔法第27条の23第1項〕

 上場している法人の株券等を保有する者については、株券等保有割合が5%を超える場合に、大量保有報告書(第一号様式)の提出が必要となります。

2.報告書の対象となる株券等の範囲〔法第27条の23第1項及び第2項、施行令第14条の4、施行令第14条の4の2、施行令第14条の5の2、府令第1条の2〕

(1)大量保有者が報告すべき株券等の発行者の範囲:金融商品取引所に上場された株券等の発行者
 

(2)株券等の範囲:
  例

  • 株券(議決権のない株式を除く※)
  • 投資証券等
  • 新株予約権証券
  • 新投資口予約権証券等
  • 新株予約権付社債券
  • 対象有価証券カバードワラント
  • 株券預託証券
  • 株券関連預託証券
  • 株券信託受益証券
  • 株券関連信託受益証券
  • 対象有価証券償還社債
  • 他社株等転換株券

 

※議決権のない株式(例えば優先株式)であっても、定款上で議決権のある株式に転換できるものは、報告の対象となります。

3.提出義務者〔法第27条の23第3項〕

 報告書の提出主体を「保有者」といい、下記(1)から(3)のとおり分類して規定されています。
 下記(1)から(3)までのそれぞれの立場における保有株券等の数を合計して株券等保有割合を計算します。この結果、株券等保有割合が5%を超えている者を「大量保有者」といい、報告書の提出義務を負うこととなります。

(1)法第27条の23第3項本文に該当

  • 自己又は他人の名義をもって株券等を所有する者
  • 売買その他の契約に基づき株券等の引渡請求権を有する者、その他これに準ずる者〔施行令第14条の6〕

 

(2)法第27条の23第3項第一号に該当
 金銭の信託契約等によって株券等の発行者の株主として議決権その他の権利を行使することができる権限を有する者又は当該議決権その他の権利の行使について指図を行うことができる権限を有する者(下記(3)に該当する者を除く)であって、当該発行者の事業活動を支配する目的を有する者
 

(3)法第27条の23第3項第二号に該当
 投資一任契約その他の契約又は法律の規定に基づき、株券等に投資をするのに必要な権限を有する者

4.株券等保有割合〔法第27条の23第4項〕

 「自己保有分の株式数及び潜在株式数」(※)に「共同保有者分の株式数及び潜在株式数」を加えた数(保有者及び共同保有者の間で引渡請求権その他の政令で定める権利が存在するものを除く)を、「発行済株式総数」と「自己及び共同保有者の保有分の潜在株式数」の合計の数で除して求めます(共同保有者については下記5.参照)。

 ※「自己保有分の株式数及び潜在株式数」を算出するにあたり、下記事項にご注意ください。

  • 発行者が保有する自己株式は除きます。
  • 信用取引により譲渡した株券等の数を控除します。
  • 潜在株式数とは、新株予約権証券等について、その権利の行使によって取得できる株式の数をいいます〔府令第5条〕。

5.共同保有者〔法第27条の23第5項及び第6項〕

 共同保有者がいる場合には、共同保有者の株券等の保有分を合算し株券等保有割合を計算します。共同保有者の定義は下記(1)、(2)のとおりです。

(1)実質共同保有者〔法第27条の23第5項〕
 共同して株券等を取得し、譲渡し、又は議決権その他の権利の行使等を行うことを合意している者。
(書面での合意の有無等、合意の形態の如何にかかわらない)


(2)みなし共同保有者〔法第27条の23第6項、施行令第14条の7〕
 (1)の合意がない場合でも、下記の関係にある場合においては、共同保有者とみなす。ただし、内国法人の発行する株券等については、単体株券等保有割合が0.1%となる株券等の数以下である場合等には、みなし共同保有者から除外される〔府令第6条〕。

  • 夫婦の関係
  • 支配株主(50%超の議決権を有している者)と被支配会社の関係
  • 支配株主を同じくする被支配会社同士の関係
  • 財務諸表等規則第8条第3項に規定する子会社(組合に限る)と親会社の関係
  • その他(施行令第14条の7参照)

6.変更報告書〔法第27条の25第1項、施行令第14条の7の2〕

 大量保有報告書の提出後、株券等保有割合が1%以上増減した場合その他大量保有報告書に記載すべき重要な事項の変更として政令で定めるものは、変更報告書の提出が必要となります。

  • 変更報告書の提出に当たっては、原則として、大量保有報告書に記載した事項の全てを報告義務発生日の現況に基づいて記載
  • 保有株券等総数の増減を伴わない場合は、株券等保有割合が1%以上増減した場合であっても変更報告書の提出は不要であるが、その後、保有株券等総数の増減があった時点で保有割合を算定し変更報告書の提出の要否を判断

7.短期大量譲渡〔法第27条の25第2項〕

 株券等保有割合が減少したことにより変更報告書を提出する場合で、株券等保有割合が、過去一定期間の最高保有割合の2分の1未満となり、かつ、当該最高保有割合から5%超減少する場合、短期大量譲渡に該当し、当該譲渡に関する事項(譲渡の相手方及び対価に関する事項)を変更報告書に記載しなければなりません〔法第27条の25第2項、施行令第14条の8、府令第二号様式〕。

  • 上記の「過去一定期間の最高保有割合」とは、(1)過去60日間の日を計算の基礎とする株券等保有割合及び(2)60日前の日の前日以前の日で当該60日前の日に最も近い日を計算の基礎とする株券等保有割合のうち最も高いものをいいます。
  • 提出者又はその共同保有者から報告義務発生日の前60日間に譲渡を受けた株券等の合計が、発行済株式等総数等の1%未満である者については、対価に関する事項の記載に限ります〔施行令第14条の8第2項〕。

 

 ただし、以下の場合は短期大量譲渡に該当しません。
 報告義務発生日の前60日間に株券等を譲渡したことにより減少した株券等保有割合の合計が、当該最高保有割合の2分の1以下である場合又は5%以下である場合。共同保有者がいる場合には、上記期間内に生じた提出者及び共同保有者の譲渡による合計数量により算定した保有割合で判断してください〔法第27条の25第2項、施行令第14条の8第1項〕。

8.訂正報告書〔法第27条の25第3項〕

 既に提出された大量保有報告書若しくは変更報告書を訂正する場合に提出が必要になります。

 (記載すべき事項)

  • 発行者の名称及び証券コード
  • 提出者の氏名又は名称及び住所又は本店所在地
  • 訂正される報告書の報告義務発生日
  • 訂正事項(訂正前・訂正後が分かるように記載)

9.特例報告〔法第27条の26、施行令第14条の8の2第2項〕

 金融商品取引業者、銀行、信託会社等については、要件を満たせば基準日(下記組合せのうちいずれかを選択)時点における報告を行うこととなっています。

  • 各月の第2月曜日及び第4月曜日(第5月曜日がある場合には、第2、第4及び第5月曜日)
  • 各月の15日及び末日(土曜日に当たるときはその前日、日曜日に当たるときはその前々日)


(詳細は省略、個別にお問い合わせください。)

10.報告書の提出

(1)提出期限〔法第27条の23第1項、法第27条の25第1項〕

 大量保有報告書及び変更報告書の提出は、報告義務発生日の翌日から5日以内(土曜日、日曜日、祝日等を除いてカウント)

 

(2)提出先〔府令第19条〕

  • 提出者の住所又は居所(法人については本店所在地)を管轄する財務(支)局(九州財務局の管轄区域は、熊本県・大分県・宮崎県・鹿児島県)
  • 非居住者については関東財務局

 

(3)大量保有報告書及び変更報告書の添付書面〔府令第2条第2項、第8条第2項〕
 大量保有報告書及び変更報告書を提出する場合には、当該報告書を提出することとなった株券等の売買その他の取引の媒介、取次ぎ又は代理を行う者の名称、所在地及び連絡先を記載した書面を添付しなければなりません。
 なお、当該添付書面は、大量保有報告書及び変更報告書に添付して財務(支)局のみに提出するものであり、公衆の縦覧に供されるものではありません。

 

(4)提出方法

 金融商品取引法に基づく有価証券報告書等の開示書類に関する電子開示システム(EDINET)により提出してください。
 また、EDINETにより提出する際には、事前に提出先の財務局へ手続きが必要です。
 なお、EDINETによる提出方法は、操作ガイド(EDINETへリンク) 別ウィンドウで開きますをご覧ください。

 

(5)提出様式上の主な注意事項

  • 大量保有報告書の場合、【提出書類】に「大量保有報告書」、【根拠条文】に「法第27条の23第1項」と記載する。
  • 変更報告書の場合、【提出書類】に「変更報告書No.○」(○の部分には通し番号)、【根拠条文】に「法第27条の25第1項」と記載する。
  • 連名で提出する場合、共同保有者より取得した委任状をPDF形式化したものを添付する。
  • 連名で提出する場合、第一号様式の第2【提出者に関する事項】において、提出者及び共同保有者それぞれ全員分を記載したうえで、第4【提出者及び共同保有者に関する総括表】に合算して記載する(第3【共同保有者に関する事項】には、「該当事項なし」と記入すること)。


(共同保有者がいない場合の 目次項目 記載例)

  第1【発行者に関する事項】
   ・・・・・・   
  第2【提出者に関する事項】
   1【提出者(大量保有者)/1】
   ・・・・・・
  第3【共同保有者に関する事項】
   該当事項なし
  第4【提出者及び共同保有者に関する総括表】
   該当事項なし


(共同保有者(3名)が提出形態:連名で提出する場合の 目次項目 記載例)

  第1【発行者に関する事項】
   ・・・・・・
  第2【提出者に関する事項】
   1【提出者(大量保有者)/1】
   ・・・・・・
   2【提出者(大量保有者)/2】
   ・・・・・・
   3【提出者(大量保有者)/3】
   ・・・・・・
  第3【共同保有者に関する事項】
   該当事項なし
  第4【提出者及び共同保有者に関する総括表】
   ・・・・・・


(共同保有者(3名)が提出形態:その他(各々)で提出する場合の 目次項目 記載例)

  第1【発行者に関する事項】
   ・・・・・・
  第2【提出者に関する事項】
   1【提出者(大量保有者)/1】
   ・・・・・・
  第3【共同保有者に関する事項】
   1【共同保有者/1】
   ・・・・・・
   2【共同保有者/2】
   ・・・・・・
  第4【提出者及び共同保有者に関する総括表】
   ・・・・・・

11.写しの送付〔法第27条の27、法27条の30の6第1項及び第3項〕

 大量保有報告書、変更報告書及び訂正報告書を提出した場合、発行者及び金融商品取引所等に対して、その写しを送付しなければなりませんが、EDINETを使用して提出した場合、その写しの送付について特段の手続きを要しません。

 

本ページに関するお問い合わせ先

〒860-8585
熊本市西区春日2丁目10番1号
九州財務局理財部理財課
Tel:096-353-6351(内線3073)

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