地域金融機関の経営トップ等への脱炭素関連インタビュー
最終更新日:2024年3月22日
株式会社 コベック
株式会社 コベックは、神戸環境クリエート 株式会社と株式会社 神鋼ソリューションの共同出資により、食品廃棄物の処理事業及びバイオガス供給事業等を行うために設立された兵庫県に所在する事業者です。株式会社 みなと銀行等から成る銀行団からのグリーンローンを活用しながら、現在稼働に向けてメタンガス供給施設を建設中である同社の石井 章吾 取締役と和田 省三 監査役に話を伺いました。
金融機関の個人的なお付き合いでキープレーヤーが集まり、社長の夢が形に
ー メタンガス供給事業に取り組んだきっかけについてお聞かせください。
もともと弊社社長の夢として、廃棄物処理事業者として脱炭素に貢献したいという想いがありました。洋菓子や酒造メーカーが多い神戸市の特徴を活かし、食品系の廃棄物を処理することで脱炭素に貢献できないかと考えました。時を同じくして、既存事業でお付き合いがある収集運搬事業者の組合から、「コンビニの廃棄食品などの一般事業系廃棄物も収集しているが、処理施設が遠方なので神戸市内で受け入れられないか」という話があり、メタンガス供給事業に取り組むことになりました。本事業について、長年メインバンクとしてお付き合いのあったみなと銀行に相談したところ、メタンガス発電設備のノウハウを持っている神鋼ソリューションの代表を紹介していただき、トップダウンで話を進めることができ、比較的スムーズに合弁会社の設立に至りました。
シンジケート方式のグリーンローンで地産地消のリサイクルシステムが動き出す
ーメタンガス供給事業の内容とグリーンローン活用の経緯についてお聞かせください。
本事業では、まず地域から回収した生ごみを弊社でメタン発酵処理してバイオガスを生成します。その後、神戸環境クリエートにガスを供給してバイオマス発電を行い、FIT制度を活用して売電するスキームとしています。また、将来的にはメタン発酵処理後の残さを固形燃料化して地域の火力発電所等で利用してもらうことによって、さらなる脱炭素に貢献したいと考えています。
本事業に必要な設備建設に係る融資について、みなと銀行に相談したところ、シンジケート方式のグリーンローンを紹介していただき、他の金融機関との調整もサポートしていただきました。同じ時期に脱炭素化支援機構(JICN)からの資金調達に向けても動いていましたが、みなと銀行とも相談し、どちらも活用する形で進めることができました。
地域の排出事業者が集まって初めて成立する事業のため、地域とのネットワークが重要
ー 脱炭素に向けて地域金融機関にはどんなことを期待しますか。
弊社の事業は排出事業者があってこそ成り立つ事業ですので、地域金融機関からの排出事業者の紹介は引き続きお願いしたいです。実際に、FIT制度の認定を取得する際には、近隣の事業者から廃棄物が集まる目処を協定書という形で示す必要がありましたが、みなと銀行の取引先の中からも関心のある事業者を紹介していただきました。FIT制度の認定が取れるかどうかが事業スキームの肝でしたので、重要なサポートでした。
また、特に弊社が目指しているのは地産地消型のリサイクルシステムですので、近隣の事業者との連携が不可欠になります。地域の事業者に詳しいのは、やはり地域金融機関ですので、弊社がまだ認識していないような食品廃棄を出す事業者を今後も紹介していただけることに期待したいです。
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