地域金融機関の経営トップ等への脱炭素関連インタビュー
最終更新日:2024年3月22日
株式会社 島津製作所
株式会社 島津製作所は、京都府に所在する分析計測機器や医用機器、産業機器、航空機器のメーカーです。グリーン(GX)領域で、複数のGXソリューションを提供する他、サプライチェーンの脱炭素に向けても取り組んでいる同社の経営戦略室 田島 渉 室長と環境経営統括室 小林 清人 マネージャーに話を伺いました。
島津らしさが求められる環境経営に舵を切り、社内外で脱炭素に取り組む
ー 脱炭素に取り組まれた経緯についてお聞かせください。
SDGs等の盛り上がりを感じ始めていた2018年に、従来の環境に関する管理業務だけでは世の中に置いて行かれるという危機感のもと、環境経営に舵を切りました。環境経営は経営に直結するものですので、他社と横並びではなく、島津らしさを追求するようになり、SBT認定やRE100を始めとする各種国際イニシアティブにコミットするなど、脱炭素の先頭を走る気持ちで取組を推進しています。経営戦略の観点では、中期経営計画の中でもグリーン(GX)領域で分析・計測と制御技術による”地球の健康”への貢献を柱の一つに位置付け、GXソリューションの開発の他、消費電力や素材まで拘った製造に取り組んでいます。調達活動については、「島津製作所CSR調達ガイドライン」に基づきサプライヤー自身で取組状況を把握していただけるようセルフアセスメントの推進を行っています。そして、調達部門が主体となって、省エネ診断等を提案しながらサプライヤーの環境への意識を高める取組も行っています。
金融機関との意見交換でサプライヤーの苦労を知り、新しい取組についても議論
ー 脱炭素の取組と地域金融機関の関わりについてお聞かせください。
地域の「はかる」を必要としている事業者との繋がりを求める弊社と、技術力を求めていた京都銀行様とのニーズが合致したことがきっかけです。弊社としてはサプライヤーと共に脱炭素に取り組む必要があったなかで、取引先とESG金融を進めて行く必要があった京都銀行様と想いが同じであったことから、お互いに何かできることは無いかと考え、包括連携協定の締結に至りました。現在まで両社で意見交換を継続しており、膝をつき合わせてやってみたいことなどをざっくばらんに議論できる関係性となっています。今後、共同で地域の中小企業に向けた脱炭素セミナーなども企画していきたいと考えています。
一緒に取組をして感じたことは金融機関のカバレッジの広さです。地域の事業者と広くお付き合いがあること、さらには弊社には無い多角的な視点を持っていることから、思いがけないところで弊社のGXソリューションを必要としている事業者を繋いでいただくこともあります。
地域への影響力が大きい地域金融機関が事業者のベクトルを合わせる
ー 脱炭素に向けて地域金融機関に期待することをお聞かせください。
サプライチェーンの脱炭素を考えた時、中小企業にとっては資金がネックになることが多いと思います。例えば低金利での融資など資金の心配を払拭できるのは地域金融機関だと思っています。
また、スコープ3も含めて脱炭素に取り組んでいく際には、一社でもデータが欠けてしまうと全体がつまずいてしまうので、事業者全体のベクトルを合わせることが重要です。そのため、取引先と深い信頼関係があり、影響力も大きい地域金融機関に、脱炭素の必要性についての情報発信を行うなどの旗振り役を期待しています。
さらに、脱炭素のみならず様々な経営課題が積み重なっているサプライチェーン上の中小企業に対して、何から手を付けるべきか、課題を整理するサポートも重要であると考えています。脱炭素に向けては個別に働きかけるよりも地域で協調しながら働きかけた方が効果的だと考えておりますので、引き続き地域金融機関と連携しながら取り組んでいきたいと思います。
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