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「栃木県内信用金庫・信用組合の若手渉外担当者による意見交換会」を開催しました

 県内の中小・零細企業が厳しい経営環境に直面する中、地域金融機関においては、顧客のためになる良質な商品・サービスを提供し、企業の持続的な成長や国民の安定的な資産形成に寄与することで、地域経済の活性化に貢献することが求められております。そのためには、顧客に直に接する営業店の渉外担当者の渉外力の向上が必要となります。
 信用金庫・信用組合においては、新規採用の抑制をしていたこともあり、若手職員を教育・指導すべき中堅職員が少なく、渉外職員の育成が共通の課題となっております。
 また、財務局においては、地域金融機関の顧客支援力などのスキルアップを図ることなどを通じ、地域経済の活性化に繋げていくことが重要な取組みと考えています。
 そのため、当事務所の主催により、県内信用金庫・信用組合の若手渉外担当者を集め、渉外力の向上と担当者間の情報交換を目的として、「県内信用金庫・信用組合の若手渉外担当者による意見交換会」を下記のとおり開催いたしました。
 

1.日時

令和元年11月11日(月曜)13時30分から16時45分

2.場所

宇都宮市文化会館 3階第2会議室

3.参加者

県内の信用金庫(6金庫)及び信用組合(2組合)
若手渉外担当者24名
 

4.結果概要

(1) 開会挨拶(宇都宮財務事務所長 行木 寿夫)

宇都宮財務事務所 行木所長の挨拶の様子

 地域金融機関においては、県内の中小・零細企業が厳しい経営環境に直面する中、顧客のためになる良質な商品・サービスを提供し、地域経済の活性化に貢献することが求められている。
 そのためには、顧客に直に接している営業店の渉外担当者の渉外力の一層の向上が必要となる。
 本日の意見交換会では、日頃の渉外活動に取り組まれている中で感じている課題や悩み、苦労、またそれらの解決に向けた取組みや工夫、及び地域活性化について、他の金融機関で同じ仕事に携わっている方々と率直に意見交換・情報交換をしていただきたい。
 

(2) 講演

「案件相談から見る金融機関融資について」(株式会社地域経済活性化支援機構 経営企画部 営業推進室長 増田 吉宏 様)

株式会社地域経済活性化支援機構 増田様の講演の様子

  • 地域金融機関に求められていることは、顧客の悩みを聞き、そこから導き出された課題に基づく分析を行い、分析結果を踏まえた具体的なソリューションを提案すること。
    ポイントは、
    1. 客観的な調査分析
    2. 社長の思いや理念をよく聞き、理解し、潜在ニーズを把握
    3. 事業の流れや内容、支える人材等の動きを確認
    4. 事業の方向性は事業者に決めさせる
    5. 担当者の執念・頑張り
    など。
  • 競争戦略には、差別化戦略や低価格戦略などがあるが、中小企業の場合、差別化戦略が主となる。業界の構図や競合相手等を分析し、自社の強みは何か、それをどう活かすかという点を見定め、差別化していくことが重要である。
  • 融資の際に大切なこととして、資金使途の確認があるが、これには、事業者の事業を理解していることが不可欠となる。決算書を意識して読み込むことが有効であり、決算書で企業の概略・ビジネスを理解・想像し、現場に赴き何度も確認を行うと良い。
  • また、融資を受けることで本当に利益につながるか考察することも大切であるが、これには、企業を取り巻く環境を理解することが重要となる。理解するうえでの分析方法として、3C分析の活用等が挙げられる。
  • 地域金融機関にとって、地域産業の縮小により貸出金の拡大が困難になってきている。しかし、地域金融機関には、名刺1つで相手が心を開いてくれるほどの知名度と信頼感があり、これを活かすことで、環境や状況を自ら変えることも可能である。本日参加した皆様の今後の活躍に期待したい。

(3) 意見交換(グループディスカッション)

 参加者が4つのグループに分かれ、「渉外活動における課題・悩み・苦労や取組みの工夫等」、「地域活性化に向けて何ができるか」などをテーマに意見交換を行いました。参加者からは、主に以下のような課題・意見が挙げられました。
 

意見交換の様子

  • 新規先への飛び込み営業は、融資案件の獲得まで繋がることはほとんどなく、効率が悪い。しかし、既取引先からの紹介があれば、融資に至る可能性が高い。このため、既取引先に重点を置いて訪問し、情報等を収集することも新規先開拓に繋がる。
  • 信用組合では、フィールドセールスを実施しており、他の営業店の渉外担当等を1つのエリアに集め、2人1組(ベテラン職員と若手職員)で約100先の事業所を訪問している。新規開拓や若手職員のトレーニングとして、良い取組みだと思われる。得られた情報等を本来の担当者にしっかりと引継ぎ、融資等に繋げていけるかが重要となる。
  • 金融機関によって、1日の訪問先数に大きな差があることを知った。自分たちも意識を高く持って取り組む必要がある。

意見交換の結果発表を行う様子

  • 新規の訪問先を一覧表にまとめ、毎月決められた件数を訪問している。訪問先で得られた情報は、一覧表に入力のうえ、上司と情報を共有している。また、引継ぎ資料としても一覧表を活用している。
  • 営業店の人員は減少傾向にあり、営業活動の時間を確保することは困難になってきている。訪問先を効率的に回れるよう、同じ方角・エリアの顧客を集中して訪問するようスケジュールを組んでいる。
  • 営業活動の時間は、顧客の都合により左右されることが多いため、フレックスタイム制を導入すれば、残業時間の短縮に繋がると思われる。
  • キャッシュレス決済の普及や大型ショッピングモールの誘致等により、地域の利便性向上や人口増加を促すことで、地域の活性化になるのではないか。

(4) 本会に参加しての感想(事後アンケートより)

  • 外部機関の方の話や他の金融機関の生の意見を聞くことができ、とても有意義であった。
  • 苦労していることは共通していることが多く、共感できた。情報交換することでお互いの業務改善に活かせれば良いと思う。
  • 様々な取組事例を知ることができ、今後どのように営業行動を行ったらよいか考えるうえで、プラスになった。
  • 家族経営や個人事業主である取引先が多いため、講話ではよりスケールダウンした事例も聞けると、より参考になる。
  • 他の金融機関の方と意見を交し合える機会は少ないため、大変有意義であった。もう少しグループディスカッションの時間が欲しかった。

本ページに関するお問い合わせ先

関東財務局宇都宮財務事務所理財課
電話番号:028-346-6302

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