「栃木県内信用金庫・信用組合の若手渉外担当者等による意見交換会(令和4事務年度 第1回)」を開催しました
栃木県内の中小企業・小規模事業者が新型コロナウイルス等の影響で厳しい経営環境に置かれている中、アフターコロナを見据えた事業者への金融支援及び本業支援を担う地域金融機関の役割は、これまで以上に大きいものとなっております。
一方、コロナ禍で疲弊した事業者を支援するうえで重要な役割を果たす信用金庫・信用組合においては、若手職員の育成、特に渉外職員の育成が共通の課題となっております。
こうした中、当事務所の主催により、県内信用金庫・信用組合等の若手渉外担当者等を集め、渉外力の向上と担当者間の情報交換を目的とした「栃木県内信用金庫・信用組合の若手渉外担当者等による意見交換会」を令和4年12月6日に開催しました。
今回は、「本業支援と事業再構築」をテーマに掲げ、県内で多数の実績をもつ事業支援コンサルタントを講師にお招きし、より実践的な支援について議論しました。
1.日時
2.場所
3.参加者
4.結果概要
(1)開会挨拶(宇都宮財務事務所長 星 肇)
(2)基調講演(栃木県中小企業診断士会理事((株)サクシード代表取締役)水沼 啓幸)
「本業支援と事業再構築 ケーススタディ&グループワークから読み解く」
地元金融機関(栃木銀行)出身である、(一社)栃木県中小企業診断士会理事((株)サクシード代表取締役)水沼啓幸氏より本業支援と事業再構築についてご講演いただきました。
- 経営支援はコロナ前、withコロナ、ポストコロナでは支援の内容の優先順位が変わる。刻一刻と変化する環境に有効な方策を打ち、突如出現するポストコロナに備える必要があり、現状では、withコロナ対応からポストコロナ対応に経営支援は移りつつある。
- コンサルタントや金融機関は、厳しい状況にある経営者に対し、自分が親戚のような気持ちで寄り添い、アドバイスすることが必要。
- ヒアリングする際には、経営者にリスペクトをもって対話を行い、現場で起こっているヒト、モノの変化を敏感に察知する必要がある。
- 求められる真の伴走支援を行うために以下の二点に留意する。
- 社長や社員のパーソナルな側面(人間関係・家族状況)にも深く入り込む。
- 事業構造や現状をより早く、深く理解する。
- 事業再構築は、企業にとってこれまで経験したことがないことを行うということだが、売上の補填、という位置付けではなく、新たな収益の柱を立てるということであり、スピード感を持って行うことが重要。
(3)ケーススタディ&ワーク(グループディスカッション)
- 保守的な経営姿勢をとる現社長(父親)の立場も尊重しつつ、専務(息子)の前向きな方策が敵対しないよう支援していく必要がある。
- 基本的には専務の主張する新規事業を支援すべきと考えるが、そのためにまず経営陣の意見の集約及び経理の引継ぎを支援する必要がある。保証協会や商工会、民間の事業承継コンサルとの連携・情報共有が重要。
- コロナ禍であることや今後の返済負担を考慮すると、いきなり専務が主張する飲食店の開業はリスクが高いため、事業規模の縮小を提案。事業資金は事業再構築補助金を活用し、残りの資金を金融機関で支援。
- 新規事業を通じた現社長と専務の関係改善、円滑な事業承継を目指す。
(4)本会に参加しての感想(事後アンケートより)
- 事業承継の案件を取り扱ったことがなかったため、他行の担当者の経験談を聞くことができ、有意義であった。
- 多くの事業者が新たな事業工夫ができていない中、地域での金融機関に求められる機能について理解できた。
- コロナ前からwithコロナ・ポストコロナに変わる支援のポイントがわかりやすかった。
- リアルな事例を題材にした講義であったため、理解しやすく、今後の業務に活かしやすいと思った。
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関東財務局宇都宮財務事務所理財課
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