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「栃木県内信用金庫・信用組合の若手渉外担当者等による意見交換会(令和4事務年度 第1回)」を開催しました

 栃木県内の中小企業・小規模事業者が新型コロナウイルス等の影響で厳しい経営環境に置かれている中、アフターコロナを見据えた事業者への金融支援及び本業支援を担う地域金融機関の役割は、これまで以上に大きいものとなっております。
 一方、コロナ禍で疲弊した事業者を支援するうえで重要な役割を果たす信用金庫・信用組合においては、若手職員の育成、特に渉外職員の育成が共通の課題となっております。
 こうした中、当事務所の主催により、県内信用金庫・信用組合等の若手渉外担当者等を集め、渉外力の向上と担当者間の情報交換を目的とした「栃木県内信用金庫・信用組合の若手渉外担当者等による意見交換会」を令和4年12月6日に開催しました。
 今回は、「本業支援と事業再構築」をテーマに掲げ、県内で多数の実績をもつ事業支援コンサルタントを講師にお招きし、より実践的な支援について議論しました。

1.日時

 令和4年12月6日(火曜日) 13時15分から16時40分

2.場所

 栃木県自治会館 4階403会議室

3.参加者

 栃木県内の6信用金庫及び2信用組合の若手渉外担当者、
 日本政策金融公庫宇都宮支店職員、栃木県信用保証協会職員(計28名)

4.結果概要

(1)開会挨拶(宇都宮財務事務所長 星 肇)

 

宇都宮財務事務所 星所長の挨拶

 栃木県内の中小企業・小規模事業者は、長引くコロナ禍に加え、ロシアによるウクライナ侵略、急激な円安等に伴う原材料価格の高騰等、様々な困難に直面しており、金融機関による支援や経営改善に向けた支援は一層不可欠なものとなっている。
 地域金融機関の皆様におかれては、限られた人員・時間を有効に活用しそれぞれに工夫と努力を凝らし地域経済を懸命に支えているものと認識している。
 本日は講師として、栃木県内の事業支援コンサルタントの第一人者である栃木県中小企業診断士会理事の水沼啓幸氏をお招きし、地域のためのコンサルタントとして数多くの企業と向き合ってこられた生の経験と知見をご披露いただき、皆様の今後の本業支援活動に活かしていただきたい。

(2)基調講演(栃木県中小企業診断士会理事((株)サクシード代表取締役)水沼 啓幸)

「本業支援と事業再構築 ケーススタディ&グループワークから読み解く」

 

中小企業診断士会 水沼理事の講演

 地元金融機関(栃木銀行)出身である、(一社)栃木県中小企業診断士会理事((株)サクシード代表取締役)水沼啓幸氏より本業支援と事業再構築についてご講演いただきました。

 

  • 経営支援はコロナ前、withコロナ、ポストコロナでは支援の内容の優先順位が変わる。刻一刻と変化する環境に有効な方策を打ち、突如出現するポストコロナに備える必要があり、現状では、withコロナ対応からポストコロナ対応に経営支援は移りつつある。
  • コンサルタントや金融機関は、厳しい状況にある経営者に対し、自分が親戚のような気持ちで寄り添い、アドバイスすることが必要。
  • ヒアリングする際には、経営者にリスペクトをもって対話を行い、現場で起こっているヒト、モノの変化を敏感に察知する必要がある。
  • 求められる真の伴走支援を行うために以下の二点に留意する。
    1. 社長や社員のパーソナルな側面(人間関係・家族状況)にも深く入り込む。
    2. 事業構造や現状をより早く、深く理解する。
  • 事業再構築は、企業にとってこれまで経験したことがないことを行うということだが、売上の補填、という位置付けではなく、新たな収益の柱を立てるということであり、スピード感を持って行うことが重要。

(3)ケーススタディ&ワーク(グループディスカッション)

 

 

 参加者が4つのグループに分かれ、「本業支援と事業再構築」について架空の事例(家族経営の酒類小売業者に対する支援)を用いてグループディスカッションを行いました。参加者からは、主に以下のような具体策や意見が挙げられました。
 
  • 保守的な経営姿勢をとる現社長(父親)の立場も尊重しつつ、専務(息子)の前向きな方策が敵対しないよう支援していく必要がある。
  • 基本的には専務の主張する新規事業を支援すべきと考えるが、そのためにまず経営陣の意見の集約及び経理の引継ぎを支援する必要がある。保証協会や商工会、民間の事業承継コンサルとの連携・情報共有が重要。
  • コロナ禍であることや今後の返済負担を考慮すると、いきなり専務が主張する飲食店の開業はリスクが高いため、事業規模の縮小を提案。事業資金は事業再構築補助金を活用し、残りの資金を金融機関で支援。
  • 新規事業を通じた現社長と専務の関係改善、円滑な事業承継を目指す。

 

グループディスカッション中、発表に向け準備をする様子

グループディスカッション中、講師のアドバイスを受けている様子

 

(4)本会に参加しての感想(事後アンケートより)

 

  • 事業承継の案件を取り扱ったことがなかったため、他行の担当者の経験談を聞くことができ、有意義であった。
  • 多くの事業者が新たな事業工夫ができていない中、地域での金融機関に求められる機能について理解できた。
  • コロナ前からwithコロナ・ポストコロナに変わる支援のポイントがわかりやすかった。
  • リアルな事例を題材にした講義であったため、理解しやすく、今後の業務に活かしやすいと思った。

本ページに関するお問い合わせ先

関東財務局宇都宮財務事務所理財課

電話番号:028-346-6302

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