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令和5事務年度「新潟県信用金庫・信用組合等若手渉外職員意見交換会」を開催しました

 関東財務局新潟財務事務所では、信金中央金庫、全国信用協同組合連合会の後援の下、新潟県信用金庫協会、新潟県信用組合協会との共催により、令和5事務年度「新潟県信用金庫・信用組合等若手渉外職員意見交換会」を開催しました。 

 本会については、第5回(令和3年2月17日)の開催以後、新型コロナウイルス感染回避のため開催しておりませんでしたが、引き続き若手渉外職員の育成を課題としている声があることなどから、今事務年度から再開することとしたものです。

 また、第5回までは新潟市内で集中開催しておりましたが、遠隔地の金融機関も参加しやすくすること及びより多くの職員に参加していただくため、エリア別で行い、総計67名が参加しました。

1.日時・場所

 

Aブロック:令和6年4月24日(水曜)13時15分から17時 新潟美咲合同庁舎2号館4階会議室

Bブロック:令和6年2月16日(金曜)13時30分から17時 三条信用金庫 研修所

Cブロック:令和6年5月24日(金曜)13時15分から17時 上越信用金庫 有田支店 会議室

2.参加機関・参加者

 

Aブロック:新潟信用金庫、新発田信用金庫、村上信用金庫、新潟縣信用組合、興栄信用組合、はばたき信用組合、巻信用組合、日本政策金融公庫、商工組合中央金庫、全国信用協同組合連合会新潟支店の若手渉外職員等25名

 

Bブロック:長岡信用金庫、三条信用金庫、加茂信用金庫、新潟縣信用組合、協栄信用組合、新潟大栄信用組合、ゆきぐに信用組合、日本政策金融公庫、全国信用協同組合連合会新潟支店の若手渉外職員等26名

 

Cブロック:柏崎信用金庫、上越信用金庫、新井信用金庫、新潟縣信用組合、糸魚川信用組合、日本政策金融公庫の若手渉外職員等16名

 

新潟県中小企業活性化協議会、新潟県よろず支援拠点、信金中央金庫関東営業第2部、全国信用協同組合連合会新潟支店、新潟県信用金庫協会、新潟県信用組合協会、関東財務局新潟財務事務所

3.テーマ

 

 新潟県中小企業活性化協議会及び新潟県よろず支援拠点にご協力いただき、事業者支援の実例を用いて、どのような支援を行うべきか、経営改善や事業再生支援等をテーマに意見交換・発表を行いました。

 なお、意見交換には、県内金融機関から新潟県中小企業活性化協議会にトレーニーとして派遣されている方にも、アドバイザーとして参加いただきました。

4.結果概要

1)開会挨拶(新潟財務事務所 青木所長)

 新型コロナウイルス禍からの回復途上において、ゼロゼロ融資の返済に加え、物価高騰、人手不足の影響等により、資金繰りに窮している取引先も多いかと思われる。

 今後、地域金融機関に求められるのは、資金繰り支援のさらに一歩先を見据え、事業者の実情に応じた経営改善や事業再生支援、再チャレンジ支援に、いかに早く取り組んでいくか、ということになる。

 今回の意見交換会では、「経営改善」「事業再生支援」について、より具体的な事例をもとに、どのように事業者へ提案していけば良いかを意見交換してもらう会とした。課題解決に向けた気付きが得られるよう、県内各地でともに渉外活動を行う仲間として、日頃、皆様御自身が行っている取組みの紹介や課題解決に向けて考えられる工夫やアイデアについて、遠慮なく積極的に発言いただき、仲間同士で共有していただければ幸いである。青木所長が開会挨拶を行う様子

2)意見交換

 参加者は、4人から6人のグループに分かれ、具体的な2つの事例を基に「取引先企業の経営課題」「経営改善に係る提案」について、意見交換を行い、提案内容を発表しました。

➀取引先企業の経営課題

 

テーマ:飲食店の抱える経営課題とその実現方策について

趣旨:経営改善計画は、経営概況を基に企業分析を行い、仮説を立てたうえで顧客と面談し、実施可能な部分を最終確認しながら今後の方針を作成する。本テーマは仮説を作る段階なので、各自がアイデアを出し合って議論を膨らませていくことがポイント。

 

参加者による提案等:

  • 仕入れや原価管理について、各店舗の店長の裁量が強く、店舗ごとに分割して材料を仕入れているため、一括仕入れに切り替えた方が良いのではないか。
  • メニュー数が多く、食品ロスが発生していると思われる。POSシステムを活用し、人気メニューや客層を把握したうえで、メニュー数を減らしてはどうか。
  • 周囲に大手チェーン店の競合他社が多く、差別化を図る必要がある。宴会向けメニューやコース料理を提供してみたらどうか。
  • 新入社員の定着率が低い要因として、業務が属人化していることが考えられるため、オペレーションマニュアルを作成し、オペレーションを統一することで人件費を削減できるのではないか。

若手渉外職員が提案内容の説明を行う様子。

 

アドバイザーによる総括:新潟県中小企業活性化協議会 田中統括責任者補佐

 経営者の現状と抱いているビジョンのギャップが経営課題となるので、そこを先に確認しておくと課題が見えてきて話がまとまりやすい。外部環境、内部環境も含めた、現状、ビジョン、課題について、意見を出し尽くしたうえで、後から不要なものをそぎ落としていくと、計画策定がしやすい。

 また、出し合った意見を「書き出す」「眺める」「結びつける」「発想する」を繰り返すことで、考えが明確化される。皆さんはインプットが得意だが、アウトプットで意見を交わすことにより気持ちが楽になることもあるし、書き出した意見を見返すことで違った見方もできる。

 他人の意見を聞くことはナレッジマネジメントにもつながるため、渉外の現場に戻ってもぜひ討議できる時間を確保してほしい。

 

田中統括責任者補佐が総括を述べている様子

②経営改善に係る提案

テーマ:洋菓子店の売上拡大、収益改善について

 

趣旨:事業者から売上拡大、収益改善について、早い段階で相談を受けたことを想定。債務者概況表といった計数資料はない状態で、支援の方向性や着眼点について、想像力を働かせて多くの意見を出し合うことがポイント。

 

参加者による提案等:

  • オーダーメイドケーキを受け付け、富裕層向けに高単価なケーキを売り出せないか。
  • 瞬間冷凍や真空パック設備導入で日持ちする商品を開発し、通信販売を行うのはどうか。
  • 金融機関として、ビジネスマッチングを行い販路拡大できないか。
  • 売れ筋商品ごとの原価や利益率を把握し利益の出ていない商品がないか確認することで、原価や人件費を数字化し、経営者自身で資金繰りを把握できるようにサポートするのはどうか。

 

アドバイザーによる総括:新潟県よろず支援拠点 笹川チーフコーディネーター

 事業者へヒアリングする際に、多数のアイデアを出すコツとしては、課題をブレイクダウン(細分化)して質問を細かくしていくと具体的なアイデアが出やすくなる。曖昧な問いに対しては曖昧な答えしか返ってこず、アイデアが出しにくいことから、質問を掘り下げていくことが大事。いろんなアイデアを出すことは自分の引き出しを増やすことにつながるので、積極的に意見を出してもらいたい。

 AIの進化によりChatGPTへ質問をすればそれらしい回答が返ってくる時代である。答えを出す力も大事ではあるが、これからは「話を聞く力」「質問して状況を整理する力」「実際の取組みにつなげるため背中を押す力」といった機械にはできない力が重要になってくるのではないか。

 本日のグループワークで、自分にはない新しい引き出しを見つけられたならば幸いである。笹川チーフコーディネーターが、総括を述べている様子

3)新潟県中小企業活性化協議会 田中統括責任者補佐による講演

「活性化協議会の役割と活用及び持続的な発展をするための経営改善計画」

 当協議会は中小企業の駆け込み寺であり、新潟県よろず支援拠点、新潟県事業承継・引継ぎ支援センターと連携して収益力改善、事業再生、再チャレンジ支援等、幅広く対応している。経営者と面談を行い、その意向を尊重しながら、課題解決できる機関と連携して施策対応のスキームを提案しており、今までのノウハウを用いてどんな段階の相談でも対応するので、早期に相談をいただけるとありがたい。

 経営者の意識を変えることができれば経営改善は可能であり、経営者自身が資金繰り表等を書いて経営分析結果を理解してもらうことで、実効性のある計画作成に繋がる。また、経営支援業務を実践していると、キャッシュフロー経営ができていない等の課題を抱えているケースが多いことから、キャッシュフローや経常収支を確認してもらいたい。

 今日お話ししたことで何か要望や相談があればいつでも活性化協議会へ連絡いただければと思う。田中統括責任者補佐が講演を行っている様子

4)本会に参加しての感想

  • 他の金融機関でどのような取組みを行っているのか知る良い機会になった。早速実務に反映したいと思った。
  • 他の金融機関の方々と意見を交換することで、自分にはない角度からの考えや意見を聞くことが出来てとても刺激になった。また、グループ内で役割を持つことでより積極的に参加できた。
  • 意見交換する企業が実在する企業ということで、リアリティがあり、意見交換後には実際にどういう支援がなされたか教えていただき、参考になった。
  • 同世代の方々と意見を出し合うことで自分にはない物事の見方を発見することができた。
  • 顧客への様々な角度からの提案方法に気付かされ、実務に活かせる話法が学べた。また各金融機関職員の意見も聞くことができ、有意義な研修となった。

 

【意見交換・発表などの様子】

  • Aブロック(令和6年4月24日(水曜)於:新潟美咲合同庁舎2号館 )

Aブロック開催時において、若手渉外職員が意見交換を行っている様子 Aブロック開催時において、若手渉外職員が提案内容の発表を行う様子

  • Bブロック(令和6年2月16日(金曜)於:三条信用金庫 研修所)

Bブロック開催時において、若手渉外職員が意見交換を行っている様子 Bブロック開催時において、若手渉外職員が意見交換を行っている会場全体の様子

  • Cブロック(令和6年5月24日(金曜)於:上越信用金庫 有田支店)

Cブロック開催時において、若手渉外職員が提案内容の発表を行う様子 Cブロック開催時において、若手渉外職員が意見交換を行っている様子

本ページに関するお問い合わせ先

関東財務局新潟財務事務所理財課

TEL  025-281-7504(直)

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