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「第5回新潟県内信用金庫・信用組合等若手渉外職員意見交換会」を開催しました

 

 関東財務局新潟財務事務所では、全国信用協同組合連合会新潟支店の後援のもと、新潟県信用金庫協会、新潟県信用組合協会との共催により、「第5回新潟県内信用金庫・信用組合等若手渉外職員意見交換会」を開催しました。

 

1.日時

令和3年2月17日(水)13:15~17:00

 

2.会場

新潟美咲合同庁舎2号館 4階会議室(新潟市中央区美咲町1-2-1)

 

3.参加機関・参加者

新潟信用金庫、長岡信用金庫、三条信用金庫、新発田信用金庫、柏崎信用金庫、新井信用金庫、村上信用金庫、新潟縣信用組合、興栄信用組合、はばたき信用組合、協栄信用組合、巻信用組合、新潟大栄信用組合、塩沢信用組合、日本政策金融公庫、商工組合中央金庫、全国信用協同組合連合会の若手渉外職員等17名

 

全国信用協同組合連合会新潟支店、新潟県信用金庫協会、新潟県信用組合協会、関東財務局新潟財務事務所

 

4.テーマ

「コロナ禍における渉外活動の取り組み方」をテーマに、グループに分かれ意見交換を行いました。

 

5.結果概要

1)開会挨拶(新潟財務事務所 山岸所長)

 新型コロナウイルスの猛威が広まる中で、全国の地域金融機関が一丸となって、地域の事業者が必要としているファイナンスの提供に奔走されたことにより、地域の事業者が必要としている資金繰りの安定には一定の成果を上げることが出来た。

 さらに、今後の大きなミッションは、「コロナ前の社会環境には戻らない」との意見が大勢を占めるなか、金融機関には、事業者が抱える悩みや経営課題を的確に把握し、その解決に向けて事業者と伴走しながら、課題を乗り越えて、新たなチャレンジを促していく営業活動が行われることを期待している。

 金融機関が事業者との伴走を行うためには、日々、事業者との接点を持っている渉外担当者の方々は非常に大きな役割を担っており、事業者の悩みをキャッチして共感しながら繋いでいくことが、成果を決める大きな一歩になると考えている。

 課題解決に向けた気付きが得られるよう、県内各地でともに渉外活動を行う仲間として、日頃、皆様御自身が行っている取組みの紹介や課題解決に向けて考えられる工夫やアイディアについて、遠慮なく積極的に発言いただき、仲間同士で共有していただければ幸いである。

 

2)新潟県よろず支援拠点 中俣チーフコーディネーターによる講演「事業者との対話によって、必要な情報を引き  出す手法について」

 財務諸表等、過去の「結果」を示す書類で事業者を判断することなく、事業者に業況を聞いて話し合う中で相手のやりたいこと、考えていること、これからの可能性を引き出してほしい。

 事業者にとって売上を上げることは重要なことではあるが、お客様のメリットがどれだけあるかを、使う立場の言葉でお話することで差が出てくる。

 相手にとってどんな良さがあるかを伝える力が売る力で、そのためのポイントがどこにあるのか相手から聞き出すことがコミュニケーション。

 事業者のことをよく知るために、会話の中で色々なことを感じ取り、自分たちの中で整理して、分からないことがあったら聞けばいい。聞いたことに関しても、相手の言葉が少なくて分からなければまた聞き返せばいい。そうやってきちんと相手と会話をすることがコミュニケーション。

 お客様に感謝をする、敬意をもつ、信頼する、尊敬する、ということは非常に重要なことで、接客業の基本中の基本。こういったことを実践しながら、皆さんには頑張っていただきたい。

 

3)意見交換

 参加者はA~D班の4つのグループに分かれ、「コロナ禍における渉外活動の取り組み方」について、意見交換を行いました。最後に各班から話し合ったテーマについて、以下のとおり発表を行いました。

 

(A班)

 「融資後の事業者へのバックアップの方法がわからない」、「面談が行えない」、「コロナ融資後の資金需要の発掘」といった課題が挙がり、それぞれに対し「担当者の実力不足」、「コロナのため」、「一時的な資金繰り支援対応は終えている」等の原因が挙げられました。そこから分析すると「知識・経験の不足」、「感染リスク回避」、「表面上の分析によるもの」であることが見えてきたため、「本部・専門部署の利用・連携・相談」、「事前アポによる訪問やリモート面談の活用」、「外部支援機関の利用、事業性評価に基づく潜在的ニーズの発掘、国の政策等を随時把握する」といった解決案が挙げられました。

 

(B班)

 「職域セールスが行いづらい」、「新規開拓が難しい」、「マスク着用による障害(顔を覚えてもらえない、表情がわからない)」、「コロナ融資はどこの金融機関で利用しても同じではないか」といった課題が挙がり、それぞれに対し「企業のスタイルの変化(従業員数の減少、リモートで人がいない)」、「コロナ禍で訪問できない」、「自分をアピールできず、認めてもらえない」、「差別化が図られていない、信頼関係の構築ができていない」等の原因が挙げられました。そこから分析すると「(コロナ禍で訪問できないため)提案ができていない」、「相手の立場に立った提案(金利、返済金額、据置期間など)ができる金融機関が選ばれる」ことが見えてきたため、「電話連絡や名刺を入れたパンフレットを配布して覚えてもらう」、「お客様のためになる情報提供を心掛ける」、「融資して終わりでなくその後を考えて提案する、アフターフォローが大切(助成金等の情報提供)」といった解決案が挙げられました。

 

(C班)

 「コロナの終息が見えないため今後の計画が立てられない」、「事業者の転換力が不足している」といった課題が挙がり、事業者側の要因として「経営者が頑固、ITが苦手、経営分析が苦手、後継者が不在」、外的な要因として「コロナ禍、少子高齢化」といった原因が挙げられました。そこから分析すると、事業者側の要因として「人手不足、高齢化、(コロナに関係なく)計画を立てられない」、外的な要因として「頼れるところがない、サポーターがいない」ことが見えてきたため、「金融機関が総合窓口となり、良きサポーターとなる」、「外部専門機関と金融機関がコネクションを作り積極的な活用を図る」、「顧客に情報提供できるよう最新情報をアップデートしておく」、「定期訪問により顧客の悩みによりそって、信頼関係を作る」といった解決案が挙げられました。

 

(D班)

 「審査の質の確保(コロナ融資の今後の管理)」、「業務の効率化(訪問等の日々の活動)」といった課題が挙がり、それぞれに対し「コミュニケーション不足、顧客のモチベーション不足」、「長期に渡って訪問している方は見直すきっかけがなかった、また、お客様同士が友人関係であると一方だけ見直すことは困難」といった原因が挙げられました。そこから分析すると、「事前準備不足、経営分析を作業として捉えていた、手段が目的となっていた」、「コロナの前に訪問活動業務の効率化に目を向けられなかった」ことが見えてきたため、「相手の立場を考えた、やる気にさせる提案を行う」、「月に複数回の訪問先を1回にまとめるなど、定期的な訪問の回数を減らす。そうして新しくできた時間を提案に向ける」といった解決案が挙げられました。

 

  • アドバイザーからの講評

新潟信用金庫 大形支店 木島支店長

 コロナ禍におけるこれまでの渉外活動を振り返って考えたとき、ゼロゼロ融資を中心とした資金繰り支援を一生懸命取り組んできたことは共通している。

 地域金融機関は地域経済の回復・維持にはじまり、その先の発展までお客様と一体となって取り組むという社会的役割が求められている。

 今後を考えたときに「伴走型支援」がキーワードとなり、ランナーを事業者に見立てると、きちんと安全に走っていけるように隣でサポートするという役割を皆さんが担っていく必要がある。我々協同組織金融機関は定量情報だけでなく、定性情報も含めてお客様のことを知っているが、「伴走型支援」を進めるために、これからはもう1歩2歩踏み込んだお客様への理解が必要になってくる。

 発表を聞いていてお客様との関わり方がまだ弱い印象を受けた。自分たちで出来ないことは支援機関を積極的に活用するだけでなく、同席しながら自らもノウハウを身に着けていくという姿勢で取り組んでいただきたい。

 コロナで世の中が変わるだけでなく、人口減少という大きな問題も進んでいる。コロナ禍が収まっても収まらなくても、これからの10年、20年は人口減少によって世の中が目まぐるしく変わる中、皆さんが引き続き取引先の「伴走型支援」を続けていかなければならない。

 皆さんの年代に私は期待している。しっかり導いてバトンタッチしていきたい。

 同じ組織にいるわけではないが、新潟県経済をそれぞれの地域で支えている同胞として共に頑張っていきましょう。

 

新潟縣信用組合 湯沢支店 弦巻支店長

 私は若い頃は地銀に対する劣等感を持っていたものの、次第に地銀には負けていられないと、信用組合の強みを活かしてとにかくお客様のところを回ってフォローしようと、考え方が変わっていった。

 お客様と対話を重ね「Face to Face」の関係でやっていく中で、当組合だけで難しい案件は他の金融機関に協力を依頼して進めるといったことを、お客様に寄り添った活動と考えて、かなりの件数取り組んできた。

 協同組織金融機関として真価を問われるのは、いざというときにお客様をフォローして支えられるか、どれだけ深堀りが出来るかという点。お客様が本当に困ったときに、まず一番に相談してもらえるように普段から活動していくことが重要であり、常に意識して営業を続けていただきたい。

 そして、単に融資を伸ばすことだけではなく、融資の後も2年後3年後を見据えて本当にお客様のためになることを考え、例えば補助金関係とか、お客様の役に立つ支援策を提案していくことが必要。今日の話を聞いている中で、皆さんそこは理解されていると感じた。

 皆さん違う組織にいるので、ある意味ではライバルだが、ある意味では同じ地域の仲間だと思う。ライフラインとしての信用金庫・信用組合として共に頑張っていきましょう。

 

新潟県よろず支援拠点 中俣チーフコーディネーター

 スタートから周囲に馴染むまで時間がかかっていたが、おそらく遠慮なく話したり自分の意見を述べたりすることに慣れていない方が多かったのだろうと感じた。スロースタートではあったが、良い事例や具体例には皆さん共感され、「興味を持つ」ことで活発な意見が出るようになった。

 「興味を持つ」というのは大事なところで、お客様に興味を持って色々なことを学んで知識をつけて、お客様に提供できる情報を仕入れてきて共有する、そういう情報から話をすることがお客様のよいところを掴んでいくことにつながる。

 皆様方には、支援機関のそれぞれの役割を鑑みながら、どこかの支援機関を利用してみていただきたい。例えば、少子高齢化を受けての事業承継については事業引き継ぎ支援センターとか、事業再生なら再生支援協議会といった先がある。支援機関を利用することで精神的に楽になる場合もある。

 皆様方もお客様の状態に目を向けて、この人にはこういった対応がいいのではないかといったことを検討した上で、補助金や支援機関を利用していただき、利用の際には同席していただきたい。そこでノウハウを吸収して自分のスキルにしていただきたい。そうしたことも、よろず支援拠点の使命に入っている。

 連携する支援機関をうまく使いながら、お客様のベネフィットに繋がっていくように進めていただきたい。

 こうした繋がりがあったことを大事にして、組織に戻って足りない部分は支援機関等も利用し、お客様のために力を尽くしていただきたい。

 

4)本会に参加しての感想

  •  中俣様の講義からコミュニケーションの大切さを再度確認することができた。
  •  同じ新潟県を支える若手渉外の方々と話し合い、今後の渉外係として何が必要かを熱く議論することが出来た。 

     このような機会は滅多になく有意義な会だった。

  •  他金融機関において、新型コロナ特別融資の推進活動は一通り終え、その後のモニタリングにより、支援することに変わってきている印象を受けた。私たちも情報収集と、制度融資利用先に対してのモニタリングを行っており、今後の事業先支援が重要であると改めて認識した。

 

意見交換の様子     発表の様子

           意見交換の様子                   発表の様子

 

 

新潟財務事務所 山岸所長  新潟県よろず支援拠点 中俣チーフコーディネーター

           新潟財務事務所 山岸所長             新潟県よろず支援拠点 

                                中俣チーフコーディネーター

 

新潟信用金庫 大形支店 木島支店長  新潟縣信用組合 湯沢支店 弦巻支店長

        新潟信用金庫 大形支店 木島支店長      新潟縣信用組合 湯沢支店 弦巻支店長 

 

 

 

本ページに関するお問い合わせ先

関東財務局新潟財務事務所理財課

TEL  025-281-7504(直)

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