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「第3回新潟県内信用金庫・信用組合等若手渉外職員意見交換会」を開催しました

 関東財務局新潟財務事務所では、「渉外活動における課題」等をテーマに、信金中央金庫関東営業第2部、全国信用協同組合連合会新潟支店の後援のもと、新潟県信用金庫協会、新潟県信用組合協会との共催により、「第3回新潟県内信用金庫・信用組合等若手渉外職員意見交換会」を開催しました。

1.日時

 令和元年5月17日(金曜)13時15分から17時

2.会場

 新潟美咲合同庁舎2号館 4階会議室(新潟市中央区美咲町1-2-1)

3.参加機関・参加者

新潟信用金庫、長岡信用金庫、三条信用金庫、新発田信用金庫、柏崎信用金庫、上越信用金庫、新井信用金庫、村上信用金庫、加茂信用金庫、新潟縣信用組合、興栄信用組合、新栄信用組合、さくらの街信用組合、協栄信用組合、三條信用組合、巻信用組合、新潟大栄信用組合、塩沢信用組合、糸魚川信用組合、日本政策金融公庫、商工組合中央金庫、全国信用協同組合連合会の若手渉外職員等45名
 
信金中央金庫関東営業第2部、全国信用協同組合連合会新潟支店、新潟県信用金庫協会、新潟県信用組合協会、関東財務局新潟財務事務所

4.テーマ

  1. 渉外活動における課題
  2. 取引先が直面している経営課題とその解決策について考える

5.結果概要

1)開会挨拶(新潟財務事務所 斉藤所長)

 金融機関が真に顧客のためになる良質な商品・サービスを提供し、企業の持続的な成長や国民の安定的な資産形成に寄与することが、金融機関自身も安定した収益と将来にわたる健全性を確保するという好循環を実現するためには、「真に顧客のためになる金融サービスの提供」が起点となり、お客様に直に接する渉外職員がその主役となる。
 本会の開催目的は、県内各地で渉外活動を行う若手職員が一堂に会し、渉外活動における課題とその解決策について、業態を超えて自由闊達に意見交換を行うとともに、参加者の交流を図り、明日からの業務に役立てていただくことである。
 県内各地でともに渉外活動を行う「仲間」として、課題解決に向けた「気付き」を得られるよう、積極的に発言いただき、工夫やアイディアについて共有していただければ幸いである。

2)意見交換

 参加者が8つのグループに分かれ、「渉外活動における課題」をテーマに意見交換を行った結果、主に以下のような課題・意見が挙げられました。

 

渉外活動における課題

  • 飛び込み営業をしているが融資につながらない。ベテラン職員との同行もあるが機会は少なく、初対面で融資につながる話ができない。
  • 営業エリアの取引先は資金繰りに困っておらず、預金はとれても融資につながらない。また、少子高齢化が進み、若年層に会う機会がない。
  • 経費削減の要請が強まっている中、残業時間の縮減を求められている。
  • 職域でのセールスにおいて、チラシを配ってもらう以外にどのようなアプローチが考えられるか。
  • 新規先や預金取引のみの先には、どのように話を進めて、どのような提案を行えばよいか。

 

解決策

  • アポ取りの際は「借りてください」ではなく、当金庫・組合の取組みを聞いてくださいなど、相手が気軽に聞けるような切り出し方をしている。
  • 職域サポートを活用すると効率がよい。経理担当者を通じて職域サポート契約を結び、融資だけでなく、内勤職員も同行して預り資産の話もセットでしている。
  • 16時には営業を終えて支店に戻り、翌日の訪問先をリストアップしている。また、集金に伺う日をずらしてもらえるようお願いしている。
  • 内勤職員と二人一組で昼過ぎに職域訪問し、チラシと名刺を置いているが、名刺をA4サイズに拡大印刷しておくとインパクトがある。
  • 支援メニューを一覧にしたパンフレットを本部が作成しており、新規訪問先には必ずこれを渡すようにしている。どの事業者も課題は必ずあり、支援メニューを示すことで興味を持ってくれることがある。

3)フリーディスカッション

(1)取組事例紹介

柏崎信用金庫(前澤一歩さん)
 営業店の若手渉外職員が中心となり、本部と営業店が一体となって地域企業の課題解決に向けた支援(実践)を行うことを通じて、提案型セールス・アドバイザーを養成する「クロスファンクショナルチーム」の取組みについて、自身の取組事例を交えながら説明された。

塩沢信用組合(岸野真弓さん、若井杏菜さん)
 営業店の渉外職員が取引先の本業(プロ)の領域にまで踏み込んだ支援を行い、そこで得たノウハウをモデル化し、他の取引先への波及を図るとともに、成功体験を通じた人材育成を目的とする「プロジェクト化事業による伴走支援」について、自身の支援事例を説明された。

説明をする柏崎信用金庫 前澤一歩さん

説明をする塩沢信用組合のお二人
左:岸野真弓さん、右:若井杏菜さん

(2)フリーディスカッション

 参加者が8つのグループに分かれ、「取引先が直面している経営課題とその解決策について考える」をテーマにフリーディスカッションした結果、主に以下のような課題・意見が挙げられました。

取引先が直面している経営課題
  • 後継者がいない経営者は自分の代で廃業すると言っているが、継いでくれる人がいれば事業を引き継ぎたいと本音を漏らすこともある。
  • 高齢の経営者に対して、事業承継セミナーの案内ぐらいしかできない。
  • 業績が良くない先の経営改善について、どのように取り組んでいるか。
  • どの取引先も人手不足に悩んでいる一方で、若年層は県外に仕事を求めている。UIJターンのハードルは高く、県内でも安心して働けるような環境を整えてほしい。

解決策
  • 事業承継支援は外部機関との連携が重要になる。事業承継(M&A)は成約すると収益への貢献も大きい。
  • 倒産寸前になってから経営改善計画を策定しようとしても遅く、計画策定にも時間がかかるので、普段から準備しておくことが大事ではないか。
  • 人手不足に関する相談に対しては、提携している求人会社を紹介している。
  • 人手不足の本当の課題は生産能力の向上ではないか。そうなると、人手を増やす以外に、外注やビジネスマッチング、機械設備の効率化など、我々が支援できることも出てくると思われる。

4)アドバイザーからのアドバイス

長岡信用金庫 宝支店 行方支店長

 まず第一にお客様の基準で考えること。この基準があれば今後困ったことがあっても判断に迷うことはないと思う。また、お客様のためにやっているという自負があれば働いている意義も実感できると思う。
 お客様は利益を上げたいというようなことを望んでいると思うし、それを叶えてくれる金融機関と付き合いたいと思っているはずである。我々が営業活動をしていく中で、そのようなお客様のために、ある価値を提供できたならば、お客様は我々のファンになってくれて、そしてお客様に成長していただくことによって我々金融機関も成長できるのではないか。
 例えば、ものづくり補助金申請のお手伝いは、お客様の事業・財務内容を知ることができる機会を得られるとともに、補助金が出ればお客様に喜んでもらえ、我々金融機関も新たな取引ができるなど、お客様とWin-Winの関係が構築できる接点となる。
 お客様とどのように会話したらよいか悩んでいる方が多かったが、お客様は事業のことを真剣に聞いてくれる担当者は信頼してくれるはずである。会話に詰まったら、創業の沿革や経営ビジョンなどを聞いたり、工場を見学させてもらったりすることを実践してみていただきたい。
 

新潟縣信用組合 大和町支店 大平支店長

 複数の金融機関に借入れ相談されているお客様から「工場を見に来てくれたのは貴組合だけ」との理由で設備資金を借りていただいた事例があった。金利面で当組合より良い条件を他行から提示されていたのにもかかわらずである。このお客様は「お金ではなく事業のことに興味を持ってくれる金融機関と付き合いたい」と仰っていた。
 現在求められている営業活動の姿として、コンサルティング営業という言葉があるが、お客様の課題についてその答えを出すのはお客様自身であり、我々金融機関はその答えを出してあげられるようにお手伝いすることだと思う。そのためには、お客様の良い話し相手になり、お客様の事業に興味を持って色んな質問をする、そんな何気ないやりとりの中で、お客様は自分の頭が整理されて課題が解決できるという場面は必ず出てくると思うし、お客様もそういう相手を求めていると思う。
 「経験を積まないとできない」という方が多かったが、誰にでも工場見学はできるし、お客様の話し相手になってあげられることもできる。経験がなくても我々には必ずできることがあるので、ぜひ自信を持って取引先と良い関係を築いていただきたい。
 

日本政策金融公庫 新潟支店 国民生活事業 小林副事業統轄

 私の営業時代を振り返ると、とにかく外部とのネットワークを作った。自分のところだけではお客様の課題を解決できないためである。そして、お客様から別のお客様を紹介いただくことでそのネットワークを広げていった。そうすることで、販路拡大など、お客様の課題に対処することが可能となった。
 融資や補助金などの勉強も大事ではあるが、それだけではお客様の課題は解決できないと思う。そういう意味で外部とのネットワーク作り、融資だけではない自分の引出しを増やすことによって、この先30年、50年も続く企業を作っていただきたい。
 

商工組合中央金庫 新潟支店 伊澤支店長

 まずは担当する企業に興味を持って、経営者の考えを理解し、経営者にぶつかることだと思う。自分の経験を活かすことも重要だが、最後はお客様の経営を考える熱意をどのくらい持っているかが、お客様のニーズに応えることにつながると思う。
 金融機関が売りたい商品を売るというプロダクトアウト型の時代は終わり、お客様は何を必要とし、それに対して我々金融機関はどのようなことができるかというマーケットインの営業に転換する時代に変わってきている。そのためには、取引先のキーマンを見付けて、どのように入り込んでいくかが、お客様のニーズに応える近道と考える。

 

5)本会に参加しての感想

  • 他の金融機関の方と意見交換ができ、課題である新規開拓や新規訪問の取組み方や高齢化問題に対して深く話し合うことができたので、今後の業務に生かしていきたい。
  • 自分が抱えている悩みと同じようなことを全員が感じており、それぞれの考え方や工夫点を聞くことができた。
  • 業種によって異なる課題がある事に気づかされた。今後は取引先に興味を持つこと、代表者や従業員に色々な話を聞くことにより、良い相談相手となれるよう努めていきたい。
  • 他の金融機関の方と直接お話しする機会は多くないので、今回充実した時間を過ごせた。

挨拶をする新潟財務事務所 斉藤所長

講評をする長岡信用金庫 行方支店長

講評をする新潟縣信用組合 大平支店長

講評をする日本政策金融公庫 小林副事業統括

講評をする商工組合中央金庫 伊澤支店長

意見交換会の模様

本ページに関するお問い合わせ先

関東財務局新潟財務事務所理財課

電話:025-281-7504(直)

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