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金融機関・金融庁・財務事務所の若手職員による情報交換会を開催しました

 関東財務局長野財務事務所は、金融庁の協力のもと、金融機関と当局職員間の相互交流や地域の課題への取組み等の促進を図るため、「地域密着型金融の原点と環境変化の波[Meet up in 信州]」をテーマに「第2回長野県内信用金庫・信用組合情報交換会」を開催しました。

1.実施日

平成31年3月14日(木曜)

2.会場

長野財務事務所(長野第2合同庁舎)

3.出席者

長野信用金庫、松本信用金庫、上田信用金庫、諏訪信用金庫、飯田信用金庫、アルプス中央信用金庫、長野県信用組合、金融庁、長野財務事務所(順不同) 計29名

4.テーマ

「地域密着型金融の原点と環境変化の波[Meet up in 信州]」

5.結果概要

1)開会挨拶

  長野財務事務所長 蜂巣 幸彦から開会挨拶

長野財務事務所 蜂巣所長の開会挨拶の様子

  • 財務局では「金融行政方針」で示されている「地域経済エコシステム」の形成を強化している。これは財務局が持つネットワーク機能を活かして、例えば、地域金融機関や地方公共団体、民間企業などをつなぎ、地域活性化や地域課題の解決を支援しようとするものであり、本日の情報交換会はそのような視点に立ち開催するもの。
  • 本日は、地域の課題への取組みや人材育成などに関する情報交換やディスカッションを行うこととしているが、金融機関・金融庁・財務事務所それぞれの現場で働く若い人の声も聴かせていただく内容とし、職員間の相互の交流を図ることも目的としているので、中身の濃い有意義な情報交換会となることを期待する。

2)第1部

  • 金融庁の若手職員から、地域金融機関がフィンテックを活用して地域経済の活性化に取り組んでいる事例などの説明がなされた後、各金融機関から、歴史や生い立ちを踏まえた営業基盤の動向などについて説明がなされた。主な内容は以下のとおり。
  1. 金融庁の若手職員からの説明
  • 他県において、信用組合が地域電子通貨の普及に取り組んでいる事例を紹介。当該地域電子通貨は、チャージ時のポイント付与、加盟店における導入コストがゼロ(QRコードを店頭に掲示し、それを顧客が携帯端末で読み取る決済方法であるため、システム対応が不要)などのメリットがあることから、利用者や加盟店が増加し、地域経済の活性化に寄与している。なお、利用者の約3割が新規で当該信用組合に預金口座を開設する状況にある。
  • 暗号資産について、日本ではまだ支払手段としての利用は少なく、投資の対象として利用される面が強い。また、ブロックチェーン技術は今後多方面で活用できる可能性を有している。しかし、技術の進歩にはリスクが付き物であり、事業者・利用者・行政それぞれがリスクを認識することが必要。
  1. 金融機関からの説明
  • 各金融機関の歴史や生い立ちについて説明がなされたほか、その生い立ちなどから、地域になくてはならない金融機関として地域経済の中核を担うべく、地域に密着した様々な取組みを進めていることや、今後も地域の繁栄のために地域とともに成長していきたいなどといった考えも示された。

3)第2部

  • 金融庁の若手職員から、同庁における人材育成の取組みについて説明がなされた後、各金融機関から、地域の課題への取組みや人材育成の取組みについて説明がなされた。その後、出席者は4つのグループに分かれ、これらの取組みについてディスカッションを行った。主な内容は以下のとおり。
  1. 金融庁の若手職員からの説明
  • 金融庁では、人事サイクルの関係もあり若手職員は上司等から、どのようにスキルを継承していくかが喫緊の課題となっている。若手職員もこの状況を打破したいと考えており、自主的にスキルアップ等を目的とし、知見を有する職員を講師に招くなど、多種多様な勉強会を企画立案・開催している。
  • 組織の中で、自分のやりたいことをあきらめるのではなく、自分たちで考え、積極的に行動し、自らのスキルを向上させていくことが重要。

長野信用金庫 地域みらい応援部 丸山氏からの説明の様子

  1. 金融機関からの説明
(長野信用金庫 地域みらい応援部 丸山氏)
 今年度、専門部署を立ち上げ、地域活性化の取組みを強化している。営業エリアにおける現在の産業などについて調査・分析を行ったところ、域内市場産業が強いことが分かった。人口減少が進むと地域の衰退が懸念されることから、様々な角度から事業者を支援できるよう創業支援などの体制づくりに取り組んでいる。

諏訪信用金庫 企画部 小口氏からの説明の様子

(諏訪信用金庫 企画部 小口氏)
 外部機関と連携し、営業エリアに多い製造業者や観光業者の課題解決支援に取り組んでいる。また、製造業者については、海外進出を希望する企業も多いため、日本貿易振興機構等にも職員を派遣し、現地での支援にも取り組んでいる。


 

飯田信用金庫 営業統括部 須山課長からの説明の様子

(飯田信用金庫 営業統括部 須山課長)
 地方創生への貢献を目的として新たに立ち上げたプロジェクトでは、役職員全員の地縁・人縁を活かしながら、取引先の課題発掘から解決に至るまでの本業支援をきめ細かく行っている。この取組みの中、従来取引がなかった先に対しても積極的に関わるようにした結果、実際に課題解決に繋がったという事例も多数挙げられている。
 

長野県信用組合 経営支援部 上条氏からの説明の様子

(長野県信用組合 経営支援部 上条氏)
 事業者を支援するためのメニューばかり揃えても現場の職員がそれを理解できなければ意味がなく、いかに現場の職員の理解を深めていくかが重要。このため、当組合では、各営業店において、外部専門家との勉強会を開催したり、取引先とディスカッションを行う機会を設けるなど、現場の職員のスキルアップ等に取り組んでいる。

 

グループディスカッションの様子

  1. グループディスカッション結果(主な意見、感想)
  • 普段聞くことのできない他の金融機関の具体的な取組内容を聞くことができ有意義だった。今後の業務に活かしていきたい。
  • 日々の業務が多い中、自己啓発にまで手が回らない状況にあるが、若手職員主導により勉強会等を開催していく必要性を感じた。
  • 地域に根ざす金融機関として、自分たちの地域について知ることの重要性を確認できた。

 

4)総括

  金融庁総合政策局 多賀室長から総括

金融庁総合政策局 多賀室長の総括の様子

  • 金融庁と財務事務所が連携して、地域の金融機関の若手職員等と直接対話することはとても貴重な機会となった。
  • 低金利環境の継続などにより地域金融機関の収益は低迷しているが、地域に密着した信用金庫・信用組合にしかできないことがある。環境が大きく変化している今だからこそ、大きなチャンスが広がっていると考えることが重要。
  • キーワードは『印象・地域に根差した情報・ゆとり』の3つ。印象はとても大事で信頼にもつながるもの。情報は間合いの取り方によって入手できるものであり、地域に根ざした金融機関だからこそ入手できる情報がある。私たちは目に見える情報だけでなく、鼻や耳などから入ってくる全ての情報で物事を判断しており、現場を見るなどといった非効率とも考えられることに取り組むことが、企業の事業性の評価につながり、ひいては各金融機関の収益向上などにもつながっていく。まさに、「ゆとり」が鍵となる。地域金融機関は、環境変化の波にさらされている今だからこそ、地域密着型金融の原点を考え、行動することが大切なのではないか。

本ページに関するお問い合わせ先

関東財務局長野財務事務所理財課
電話:026-234-5125(直)

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