道南経済レポート第131号(令和8年8月発行)
概況
住宅建設は弱含んでおり、雇用情勢は持ち直しに向けたテンポが緩やかになっている。
一方、個人消費は緩やかに持ち直しているほか、観光は回復している。
このように、管内経済は持ち直している。
1.個人消費
緩やかに持ち直している
(1)主要小売店売上高
大型小売店の売上高は、節約志向が継続しているものの、衣料品や飲食料品などが堅調であったことから、前年を上回っている。
食料品スーパーの売上高は、節約志向が継続しているものの、即食簡便な弁当・総菜などが好調であったことから、前年を上回っている。
ホームセンターの売上高は、園芸用品や石油由来の製品が好調であったことから、前年を上回っている。
家電販売は、エアコンや携帯電話の買換需要などにより、全体としては順調となっている。
(2)乗用車販売
乗用車販売(新車登録届出台数)は、人気車種の販売が堅調であることに加え、環境性能割廃止前の買い控えからの反動により、前年を上回っている。
ヒアリング先からのコメント
- 節約志向は、強まってはいないが依然として継続しており、セール時にまとめ買いする顧客が多い。
(大型小売店)
- 節約志向は引き続き強いと感じる一方で、消費者が値上げに慣れてきており、値上げした品目でも販売数量が大きく落ち込むことはなく、消費者マインドに変化はみられない。(食料品スーパー)
- 生活防衛意識が高く、プライベートブランド商品など安価な商品の販売が増加している。(ホームセンター)
- 2027年度の省エネ基準厳格化を背景に、エアコンの需要が高まった。(家電量販店)
- 機能性が高い人気車種の受注再開を待って注文する動きが強くみられ、販売価格にかかわらず、欲しい車両は入手したいという消費者の意識が強い。(自動車販売店)
2.観光
回復している
函館圏の入込客数※1、主要宿泊施設宿泊者数及び主要観光施設利用者数は、観光需要が好調となっていることから、回復している。
※1:フェリー(青森から函館便)、JR(新青森から新函館北斗)、航空機(函館空港着便)利用者数を、「函館圏の入込客数」と表現した。
ヒアリング先からのコメント
- 函館が「満足度の高い経験ができる旅行先」として選ばれている。(交通機関)
- ゴールデンウィークやイベント時に客室単価を上げても、宿泊需要が落ち込まなかった。(宿泊施設)
- 花見を目的とした団体客や、イベントを目的とした観光客の利用が堅調だった。(観光施設)
- 海外客は、中国による渡航自粛の影響はあるものの、直行便を利用した韓国・台湾からの観光客が増加しており、好調に推移している。(観光施設)
3.住宅建設
弱含んでいる
新設住宅着工戸数(函館市、北斗市)をみると、持家及び分譲住宅はいずれも前年を上回っているものの、貸家は前年を下回っており、全体としては弱含んでいる。
4.公共事業
前払金保証請負金額は前年を上回る
公共工事を前払金保証請負金額(令和8年度第1四半期)でみると、国、北海道、市町及び独立行政法人等はいずれも前年を上回っている。
5.雇用情勢
持ち直しに向けたテンポが緩やかになっている
雇用情勢は、人手不足が続く中、人件費増加等を背景として求人数が減少していることなどから、有効求人倍率(常用)は低下している。
6.金融
事業者向け貸出金残高は前年を下回る
事業者向けの貸出金残高をみると、設備資金及び運転資金は、いずれも前年を下回っている。
なお、個人向け及び地公体向けは、いずれも前年を上回っている。
7.企業倒産
件数は前年を上回る
企業倒産(負債総額1千万円以上)をみると、件数は前年を上回り、負債総額及び1件当たり負債額は前年を下回る。
8.生産活動
ヒアリング先からのコメント
- 設備投資による生産能力の向上で、生産量は増加している。(電子部品)
- 生産にかかる燃料の価格上昇に加え、円安基調や輸送コストの増加などから製造コストは増加傾向にある。
(窯業・土石)
- 北海道新幹線向けの出荷がピークを過ぎ、出荷量全体としては減少傾向にある。(窯業・土石)
- 総じてみると安定した操業となっている。(造船)
- 不漁により先行きが不透明であることから、設備更新に対する投資意欲は弱く、修繕などで対応する場合が多い。(一般機械)
- 仕入価格やその他の製造コストの増加分を販売価格に転嫁することで売上げを確保してきたが、これ以上の値上げで販売量が減少することを懸念している。(珍味加工)
- 国内産のイカは若干漁獲量が増えてきてはいるものの、直近2~3年ほどは価格が高止まりしている印象を受ける。(珍味加工)
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