ページ本文

道南経済レポート第122号(令和6年5月発行)

概況

 住宅建設は前年を下回る。生産活動は横ばいの状況にある。

 一方、個人消費は持ち直しつつあるほか、観光は持ち直している。

 また、雇用情勢は緩やかに持ち直しつつある。

 このように、管内経済は持ち直している。

1.個人消費

持ち直しつつある

(1)大型小売店等売上高

 大型小売店の売上高は、外出機会の増加により身の回り品、雑貨が引き続き堅調となっているほか、飲食料品が増加していることから、前年を上回っている。

 食料品スーパーの売上高は、物価上昇の影響がみられるものの、中食需要は好調を維持していることから、前年を上回っている。

   ホームセンターの売上高は、天候要因により暖房用品や除雪用品、園芸用品等が減少したことから、前年を下回っている。

   家電販売は、夏を見据えたエアコンのほか、携帯電話の買替え需要がみられ、引き続き好調となっている。

 

(2)乗用車販売

 乗用車販売(新車登録届出台数)は、一部メーカーの認証不正による出荷停止の影響から、前年を下回っている。

2.観光

持ち直している

 

 函館圏の入込客数※1、主要宿泊施設宿泊者数及び主要観光施設利用者数は、観光需要の高まりや海外からの直行便の再開などから、持ち直している。

 

※1:フェリー(青森から函館便)、JR(新青森から新函館北斗)、航空機(函館空港着便)利用者数を、「函館圏の入込客数」と表現した。

3.住宅建設

前年を下回る
 

 新設住宅着工戸数(函館市、北斗市)をみると、持家、貸家及び分譲住宅はいずれも前年を下回っている。

4.公共事業

前払金保証請負金額は前年を上回る
 
 公共工事を前払金保証請負金額(年度累計)でみると、国及び北海道は前年を下回っているものの、市町及び独立行政法人等が前年を上回っていることから、全体では前年を上回っている。

5.生産活動  

横ばいの状況にある

 

   電子部品は、自動車向けは底堅く、家電向けは一部の部品で増加している。

 セメントは、道内向けの出荷は底堅い状況となっているものの、道外向けの出荷が減少している。

 生コンクリートは、民需は動きが弱く減少しているものの、官需は北海道新幹線の延伸工事向けの出荷を中心に増加している。

 造船は、総じてみると安定した操業となっている。

 一般機械は、国内向け、海外向けともに需要が減少している。

 珍味加工は、海水温上昇などの影響により国産のスルメイカは不漁で仕入価格が上昇する中、土産物店や北海道物産展における需要は堅調なものの、食料品スーパーや通信販売を利用した需要は販売価格の上昇などから減少しており、全体では低調となっている。

6.雇用情勢

緩やかに持ち直しつつある
 
 雇用情勢は、有効求人倍率(常用)の水準に大きな変化がみられないことから、緩やかに持ち直しつつある。

7.金融

事業者向け貸出金残高は前年を下回る
 

 事業者向けの貸出金残高をみると、設備資金及び運転資金は、いずれも前年を下回っている。

 なお、個人向け及び地公体向けは、いずれも前年を上回っている。
 

8.企業倒産

前年を上回る
 
 企業倒産(負債総額1千万円以上)をみると、件数、負債総額及び1件当たり負債額はいずれも前年を上回っている。
 

ヒアリング先からのコメント

個人消費

  •  外出機会の増加により、靴やかばんなどの身の回り品のほか、化粧品などの雑貨の売行きが良かった。 (大型小売店) 
  •  消費者の料理をしないトレンドに合わせ、鮮魚コーナーを縮小し、総菜コーナーを拡大したほか、簡単に料理のできる商品の品揃えを強化している。 (食料品スーパー)
  •    1月から2月にかけて気温が高く降雪量が少なかったため、暖房用品や除雪用品、カー用品などの売上が減少した。 (ホームセンター)
  •   前年の猛暑により夏を見据えたエアコンの販売が引き続き好調であり、夏に向けて同様の傾向が続くものとみている。 (家電量販店)
  •  一部メーカーの認証不正により、出荷停止対象の車種を多く取り扱っている販売店では、新車登録届出台数が前年比で大幅に減少となった。 (一般社団法人)

観光

 

  •  円安基調から海外旅行を断念した国内客においては、国内の遠方地域へ旅行する傾向があり、今期は道外客による宿泊が増加した。 (宿泊施設)
  •  前年同期には、函館と海外との直行便が皆無であったが、今期は台湾便の再開や香港との季節就航が実現したことなどにより、海外利用客は前年比で大幅に増加した。 (観光施設)

生産活動

 

  •  スルメイカ不漁による原材料価格上昇の影響から、主力のイカ製品で販売価格を引き上げざるを得ず需要への影響が生じている。 (食料品製造業者)
  •  輸入の冷凍イカは、種類により好漁・不漁となっている。好漁のイカでも円安の影響で仕入価格は昨年並みの高値になるとみている。 (食料品製造業者)

詳細版

 
 詳細版のバックナンバーにつきましては、お問い合わせください。

本ページに関するお問い合わせ先

函館財務事務所財務課
電話番号:0138-47-8445

PDFファイルをご覧いただくにはAdobe Acrobat Reader(無償)が必要です。
ダウンロードした後インストールしてください。

Get Adobe Acrobat Reader