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小樽商科大学との共同研究の状況

 北海道財務局と国立大学法人小樽商科大学は、2015年2月に包括連携協定を結び、地域経済の活性化や人材の育成に協働して取り組んでおります。

 この取り組みに当たって、有志職員による地域活性化プロジェクトチーム「“H”PT =“Hopeful (希望に満ちて)”Positive(楽しく、前向きに) Team)」を発足させました。

 「“H”PT 」は、現在、(1)地域金融、(2)地域資源の活用による地域活性化、(3)地方公共団体の財務状況、の3つのテーマについて、小樽商大との間で共同研究を進めております。

HPTロゴマーク("H"PTロゴマーク)
 

各チームの活動状況 

1.地域金融チーム

研究テーマ「道内金融機関の預貸構造の変化からみた資金循環の変遷、及び金融仲介機能の発揮状況」

 本研究の目的は、「北海道経済を巡る貯蓄投資バランスの実相を把握するとともに、マクロ的な資金循環にあって、貯蓄から投資へ向かう資金の流れを司る道内金融機関の現状を、主として金融機関財務の側面からアプローチし、北海道の金融構造を明らかにする。また、道内金融機関をビジネスモデルの観点からいくつかの類型に区分し、その実態を各種の公開資料ならびにヒアリング等から明らかにするとともに、時代環境の中で岐路に立たされている伝統的な金融ビジネスモデルの限界と、次代への存続を賭した取り組みから将来の地域金融システムの展望を試みる。」としております。
 
 本研究は、北海道内の地域金融研究の第一人者であり、当局の金融行政アドバイザリーを務めていただいている小樽商科大学・齋藤一朗教授とともに研究を進めております。
 
 具体的には、道内の資金循環から見た民間設備投資等の状況、道内の預金・貸出金の動向、及び道内金融機関の貸借対照表の変化の状況、損益計算書の変化から見る収益状況等について、議論しながら分析を行っております。

 当チームでは平成29年9月までの研究成果について、「中間とりまとめ」として公表いたしました。
 
地域金融チーム中間取りまとめ案(概要版)
地域金融チーム中間とりまとめ(PDF形式:1.01MB)
全体版の閲覧はこちら(小樽商科大学ホームページへのリンク) 別ウィンドウで開きます

 平成31年3月、本成果に基づき、齋藤教授と当チームのリーダー林の共著により一章を寄稿した「北海道社会の課題とその解決」が書籍化されました。
北海道社会の課題とその解決
「北海道社会の課題とその解決」
小樽商科大学地域経済研究部 編

 今後の展開としては、これまでの分析により認識した道内金融機関の機能発揮についての課題について、個別金融機関にあてはめてケーススタディを実施して、経営上の課題等を把握した後、地域における金融ビジネスの持続可能性について、考察していく予定です。
 

2.地域資源の活用による地域活性化チーム(「森のキレイ」チーム)

研究テーマ「北海道の森林を利活用したビジネスの現状及び市場調査と市場成長性に関する調査」
 
 本研究の目的は、「北海道の森林を利活用したビジネスの現状把握、事例調査を行うことにより、森林資源の活用による地域活性化の要因を調査・研究する」もので、「今後の地域活性化策の仮説及び市場の成長性について定量的な観点で試算し、その調査・研究結果を広く社会に還元する。」としております。
 
 本研究は、小樽商科大学グローカル戦略推進センター(CGS)産学官連携推進部門の副部門長であり、数多くのビジネスモデル等に関する研究に取り組まれている北川泰治郎教授にご教授をいただきながら研究を進めております。
 
 研究を進めるにあたって、まず端緒として、平成27年10月に、すでに森林資源活用による地域活性化の取り組みで一定の成果を出していると考えられる地域に赴いて、現状を聞き取り、今後の調査研究を行うにあたっての方向性を検討するためのヒアリングを行いました。
 
 この結果について、研究ノートとして取りまとめ、平成28年3月発行の小樽商大の定期刊行物「商学討究」に掲載いたしました。

小樽商大「商学討究第66巻4号」
商学討究第66巻4号(小樽商科大学ホームページへリンク) 別ウィンドウで開きます

 また、5月6日には、チームのメンバーが小樽商大の講義「地域学」において、新入生を含む約160人の学生さんに対して共同研究の状況を説明し、北海道の森林資源の利活用に対する課題などを報告させていただきました。

小樽商大における講義「地域学」の模様(平成28年5月)
小樽商大における講義「地域学」の模様(平成28年5月)
 

 令和1年10月には、移住者が増加している上川管内東川町に焦点をあて、森林資源の活用可能性の観点からヒアリングを行いました。
 この結果について、研究ノートとして取りまとめ、令和2年3月発行の小樽商大の定期刊行物「商学討究」に掲載いたしました。

小樽商大「商学討究第70巻4号」
商学討究第70巻4号(小樽商科大学ホームページへリンク) 別ウィンドウで開きます
 

3.地方公共団体の財務状況チーム

研究テーマ「地方公共団体の財政分析」

  本研究の目的は、「人口減少社会の到来を踏まえ、地方公共団体財政への新たなアプローチ方法を模索する」もので、現状財務局が行っている地方公共団体の「財務状況把握」の進化等に資する研究を目指しております。
 
 本研究は、会計に関する研究を進めておられる5名の先生:乙政佐吉教授、石川業准教授、二村雅子准教授、上山晋平准教授、市原啓善准教授とともに研究を進めております。
 
 本研究においては、各先生の専門分野に応じて下記の4つのテーマについて個々に研究を行っております。
  1. 経営(財政運営)判断に資する情報提供:地方公共団体の決算状況のデータを基に、損益計算書(P/L)的資料の作成を研究
  2. 産業構造グループ別財政比較による情報提供:「重要港湾保有8市」、「農業を基幹産業6町」など決算状況のデータを基に、財政比較を行い傾向・特色などを求める研究
  3. 政策・制度と地方財政の関係性:小樽市の政策等に関するBSC(バランスト・スコアカード)を作成することにより、財政と政策等との相関関係を研究(商科大学生の研究とりまとめのバックアップ)
  4. ふるさと納税に関する地方自治体の取り組みについて(仮)(検討中)
 
 これらのテーマを模索する中で、今後財務状況分析に有効なアプローチ方法を見いだせるか鋭意意見交換を重ねております。
 「"H"PT」は今後とも地域経済活性化に資する研究成果を目指して、小樽商大との共同研究を進めてまいります。

本ページに関するお問い合わせ先

北海道財務局総務部財務広報相談室
電話番号:011-709-2311(内線4270、4247)

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