「しんきん・しんくみの事業者支援推進セミナー」を開催しました(令和6年2月)
最終更新日:2024年3月22日
東北財務局では、東北6県の信用金庫・信用組合の実務担当者等を対象に、「しんきん・しんくみの事業者支援推進セミナー[事業者に寄り添う支援人材の輩出に向かって]」を開催しました。
開催目的
新型コロナが5類感染症に移行し、社会経済活動の正常化が進みつつある一方、物価上昇や人手不足等の影響により、依然厳しい状況にある事業者が数多く存在している中、地域金融機関には実情に応じた事業者支援が求められているところです。
本セミナーは、信用金庫・信用組合の実務担当者一人ひとりが円滑に事業者支援に取組めるよう支援ノウハウや支援人材の育成に資する取組事例を共有し、東北6県における事業者支援が一層進展することを期待して開催したものです。
開催概要
1.開催日時
令和6年2月21日(水曜日)14時から16時まで
2.開催方法
対面・オンライン併用形式
3.参加者
東北6県の信用金庫・信用組合の実務担当者等、日本政策金融公庫・中小企業基盤整備機構等の職員 約300名
4.主催
東北財務局
開催結果
1.開催挨拶(東北財務局 須田理財部長)
信用金庫・信用組合の皆様には、資金繰り支援にとどまることなく、事業者の実情に応じた経営改善支援や事業再生支援等の事業者支援を、先延ばしすることなく実施していく必要があると考えている。
本セミナーが有意義なものとなり、東北地域の事業者支援がより一層充実したものとなることを期待している。
2.「業種別支援の着眼点」の活用メリット
はじめに、金融庁が令和5年3月に公表した金融機関における事業者支援能力向上を後押しするツールである「業種別支援の着眼点」について説明しました。
説明概要(金融庁監督局銀行第二課地域金融企画室)
「業種別支援の着眼点」は、金融機関の若手・中堅の現場職員が効率的かつ効果的に経営改善支援を実践するにあたっての「初動対応」に際して必要となる着眼点をとりまとめたもの。本書は正解を示すものではなく、それぞれの金融機関・支援担当者において、地域性や企業の特性を踏まえ、用途に応じて工夫を加えながら活用していただくことで事業者支援能力の向上に資することを期待するものと強調しました。
また、本書を事業者との対話に活用することで、事業者との信頼関係の構築、経営課題の共有、経営者の意欲向上等にもつなげていただきたいとして、「業種別支援の着眼点」の内容紹介、飲食業・小売業・建設業・製造業・サービス業の別に事例を交えて詳細に説明しました。
3.人材育成の取組事例の紹介
次に、東北6県の信用金庫・信用組合の中から、青い森信用金庫(青森県八戸市)及びいわき信用組合(福島県いわき市)に加え、全国事例として事業者支援に積極的に取組む柏崎信用金庫(新潟県柏崎市)から発表をいただきました。
(1)青い森信用金庫:金を貸す前に知恵を貸す! 経費も絞るが知恵も絞る![女性渉外成長の軌跡]
当金庫では事業者支援にかかる技術向上のための研修を実施しているものの、成果に結びつかない、支援内容が事業者に伝わらないなどの課題を抱えていた。こうした中、課題解決のヒントになる事例として、初めて法人担当となった渉外担当者が事業者へ有益な情報提供や補助金申請支援を行うことにより感謝される喜びを知るとともに、事業者からの信頼と期待に応えるべく、知識とスキル向上に積極的に取り組んで成長した好事例をご紹介いただきました。
(2)いわき信用組合:事業者に寄り添う支援人材育成に向けた取組状況について
事業者支援の専門家を研修講師とし、「業種別支援の着眼点」を教材に、座学、グループディスカッションやロールプレイングと運営の工夫で絶対的なスキルの向上を図っている取組みや、政府系金融機関との連携を活かした人材教育として、日本政策金融公庫との「合同特別相談会」の実施により当組合職員の相談能力の向上を図っている事例及び商工組合中央金庫から講師を招いて勉強会を実施している事例をご紹介いただきました。
(3)柏崎信用金庫:クロスファンクショナルチーム(CFT)の組成と人材育成について
部門横断的に様々な知識・経験を持つメンバーを集め、全社的な経営テーマの検討や解決策を提案していくことをミッションとした組織(CFT)を組成し、「業種別支援の着眼点」の勉強会などCFTメンバーのスキルに合わせた知識習得などを重ね事業者支援の課題解決策を取りまとめる活動を行っているほか、金庫内で課題解決策の提案発表会を実施し、CFTメンバーのモチベーションの付与、支援ノウハウの共有化や蓄積を図っている取組みについてご紹介いただきました。
4.閉会挨拶(東北財務局 向山金融監督官)
地域の経済・社会は地域の事業者で成り立っている。個々の事業者に対する支援は、ひいては事業者が活動する地域課題の解決にもつながり、それは地域の事業者を会員・組合員とする信用金庫・信用組合の皆様の持続的な発展にもつながる。東北財務局としても、事業者支援や円滑な地域金融に資する施策に全力で取り組んでいくので、引き続きご理解・ご協力をお願いしたい。
本セミナーを振り返って
本セミナーに関するアンケートを実施したところ、参加者から以下の感想が寄せられました。
(アンケートで寄せられた主な感想)
- 「業種別支援の着眼点」は、いわゆる「初動」にポイントを置いており、職員の経験値によらず実践的に活用が可能であることが改めて理解出来た。
- 企業を把握するうえで、例えば、自分が購入したい商品かどうか、お客さまから支持される理由は何かなど、消費者目線で考えることが重要と感じた。
- 他の金融機関でも同様の問題、悩みを抱えていることを知る機会となった。課題解決策や支援人材の育成に向けた各金融機関の取組状況を詳細に知ることができ参考になった。
東北財務局としては、東北6県の信用金庫・信用組合による事業者に寄り添ったきめ細かな支援が進展するよう、信用金庫・信用組合のニーズや要望を踏まえ、今後も継続した取組みを実施してまいります。
本ページに関するお問い合わせ先
東北財務局 理財部 金融監督第二課
電話:022-263-1111(内線:3712・3747)