株式会社みちのく銀行に対する行政処分について
最終更新日:2005年5月20日
- 株式会社みちのく銀行(以下「当行」という。)に対しては、平成14年6月及び平成15年9月に法令等遵守に関する業務改善命令を発出し(注1)、法令等遵守態勢の確立等を求めてきたところであるが、前回の業務改善命令発出以降も職員による不祥事件が多発しているほか、平成17年2月から実施した金融庁検査(注2)、並びに当該検査結果を踏まえた銀行法第24条第1項、保険業法第305条、及び証券取引法第65条の2第10項に基づく当行からの報告、並びに銀行法第53条第1項に基づく当行からの届出等によると、以下のような不適切な行為が認められた。
(注1)14年6月:組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律第54条第1項に基づく疑わしい届出の未提出等により業務改善命令を発出。
15年9月:営業店において発生した横領事件について、内部管理態勢に問題が認められたこと等により業務改善命令を発出。
(注2)立入検査期間:17年2月17日から4月7日、検査結果通知日:17年5月6日- 当局に対して不祥事件の届出を怠っていた、あるいは事実と異なる内容の届出が行われていたこと。更に、これに関して、代表取締役の指示等(「他の取締役による関与・黙認」を含む。以下同じ。)が認められたこと。
- 平成16年4月に発出した不祥事件に関する報告徴求命令に対して、事実と異なる報告が行われていたこと。更に、これに関して、代表取締役の指示等が認められたこと。
- 債務者の実態から乖離した極めて不適切な融資管理が行われていたこと。更に、これに関して、代表取締役の指示等が認められたこと。
- 保険募集に関して、非公開情報保護措置や銀行取引に影響を与えないことの書面による説明義務が徹底されていない中で募集活動が行われていたこと。
- 投資信託等に関して、外務員の登録を受けていない者による勧誘が行われていたこと。
- 当行は、過去に発出された業務改善命令により策定した業務改善計画に基づき、法令等遵守のための諸施策に取り組んできたとしているが、上記のような不適切な行為が行われていたことを踏まえると、当行の取締役は、誠実かつ率先垂範して法令等遵守に取り組む立場にありながら、その責務を果たしておらず、経営管理を的確、公正かつ効率的に遂行していないと考えられる。また、依然として職員の法令等遵守に対する認識や営業店における相互牽制が不十分であることに加え、監査部門が不祥事件の届出を怠っていたことに積極的に関与している等、内部管理態勢に重大な問題があると認められた。
- また、平成17年4月、当行において、顧客情報が約128万件(うち個人情報約124万件)記録されたCD-ROM3枚の紛失が発生したことから、銀行法第24条第1項に基づき報告を求めたところ、個人データを含めた顧客情報が移送の際に行内規程通りに取り扱われていない事例が認められたほか、従業員に対する監督が不十分であるなど、個人データに係る安全管理措置等に重大な問題があると認められた。
- このため、本日、当行に対し、銀行法第26条第1項、保険業法第306条及び証券取引法第65条の2第5項において準用する同法第56条第1項の規定に基づき、下記の内容の業務改善命令を発出した。
(1)適切な業務運営を確保するため、以下の観点から、法令等遵守態勢及び経営管理態勢を確立・強化すること- 法令等遵守及び経営管理に係る問題の原因となった経営責任の明確化
- 取締役会や監査役による経営監視・牽制が適正に機能するための組織・体制の抜本的改革及び早期構築(過去の事案に問題があった場合の改善措置、責任追及を含む)
- 経営陣が誠実かつ率先垂範して法令等遵守に取り組む経営姿勢の明確化
- 全行的な法令等遵守態勢及び適切なリスク管理態勢の確立
- 内部監査態勢の抜本的見直し
- 不祥事件の再発防止策及び不祥事件発生時の対応の抜本的見直し
- 個人データに係る安全管理措置の実効性の確保及び従業者に対する監督の徹底を含む顧客情報管理態勢の確立
(2)適切な保険募集及び投資信託等の勧誘を確保するため、以下の観点から、法令等遵守及び内部管理態勢を整備・確立すること- 保険募集における非公開情報保護措置、銀行取引に影響を与えないことの書面による説明義務の徹底
- 証券外務員の管理態勢の強化及び投資信託等の勧誘・販売体制の見直し
- 保険募集や投資信託等の勧誘に係る内部監査機能の強化
(3)上記(1)及び(2)に関する業務改善計画を平成17年6月20日までに提出し、以後、改善計画の実施完了までの間、その実施状況を3ヶ月ごとに報告すること。
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