地域金融機関の経営トップ等への脱炭素関連インタビュー
最終更新日:2024年3月22日
京都塩干魚卸協同組合
京都塩干魚卸協同組合は、京都市中央卸売市場第一市場において数の子や鮭・棒だらなどの北海産商品、ちりめんじゃこ・煮干などの煎子商品、干カレイ・開きアジなどの干魚商品、塩さば・甘鯛などの一汐商品、茹タコ・茹ガニなどの茹品、そしてちくわ・かまぼこなどの煉製品等を取り扱う仲卸業者の組合です。グリーンローンを活用して、環境に配慮した脱フロンかつ省エネルギーな冷蔵庫を建設し冷蔵庫事業を展開する同組合の辻󠄀󠄀 泰三 理事長からメッセージを頂き、吉田 幸夫 専務理事・事務長に詳細な話を伺いました。
組合員で一致団結し、環境配慮の冷蔵庫事業を新たなシンボルに
ー 脱炭素に取り組まれた経緯についてお聞かせください。
海が遠い京都市では塩干物の取扱いが多いですが、鮮魚とは異なり、加工して大量の在庫を抱えることから大型の冷蔵庫が必要です。そのため弊組合では、顧客から商品を預かり、在庫管理し、出し入れを行う冷蔵庫事業を30年ほど行ってきました。これまでは京都市所有の冷蔵庫を借りて事業を行っていたのですが、今回、市場の施設整備に伴い冷蔵庫の取壊しが決定。従来から電気代の高さや京都市への賃料の支払いなどで運営面でも厳しい部分があったため、組合で新しい冷蔵庫を建設することになりました。
組合としては会員数の減少もあり、今後の組合運営を考えるなかで、辻󠄀󠄀理事長は「組合としてのシンボル的な事業として新しい冷蔵庫事業を展開し、仲卸を辞めた方にもこの事業を通して雇用を生んでいきたい。」と述べておりましたので、そのような想いで計画したという背景もあります。
資金面の提案はもとより、プロジェクト組成や事業面での支援で実現した新しい冷蔵庫
ー 脱炭素の取組と地域金融機関の関わりについてお聞かせください。
新しい冷蔵庫の建設に際して、資金が必要なため京都中央信用金庫に相談したところ、関係各所と調整していただき、京都中央信用金庫、日本政策金融公庫京都支店、京都市、三菱重工冷熱でプロジェクトを組んでグリーンローンを活用しました。
弊組合としましても、事業を行うにあたっては社会的使命や環境への配慮が必要と感じながらも、具体的な打ち手が分からない状況でしたので、ちょうど良いタイミングでした。プロジェクトの皆様からそれぞれ活用できる補助金の案内や事業計画作成のサポートを頂き、まさにプロジェクトで作った冷蔵庫だと思います。
京都中央信用金庫にはこの他にも協力を頂きました。例えば、グリーンローンではセカンドオピニオン取得に費用が掛かりますが、組合員向けに説明会を開いていただいたおかげで、皆の理解を得たうえで計画を進めることができました。
また、冷蔵庫のサイズについても紆余曲折しながらも協議をしましたが、組合員数や取扱量の減少などを鑑みて、事業面のアドバイスを頂き、以前の5,000t・4階建てのものに比べて一回り小さい4,000t・3階建てという適正なサイズで建設することができました。
歴代の担当者と築いた信頼関係をもとに、事業者の想いを形にするサポートを期待
ー 脱炭素に向けて地域金融機関に期待することをお聞かせください。
辻󠄀󠄀理事長は「京都中央信用金庫とは古くから付き合いがあるため、本件の他にも何でも安心して相談していますし、何より支店長や歴代の担当者が組合の厳しさを理解したうえで、親身になってアドバイス頂けるところを信頼しています。また、今でも毎月実績表を見ていただいていますが、ダメなところは本音でハッキリ言っていただけることもありがたいです。地域金融機関には親身になって相談に応じていただき、資金面での提案や丁寧な説明、ネットワークを活かしたプロジェクト組成などで、事業者の想いを形にするサポートを引き続き期待したいです。」と述べており、今後も、組合のみならず各組合員の事業の面でもご支援を頂きたいと思います。
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