ページ本文

地域金融機関の経営トップ等への脱炭素関連インタビュー

株式会社 ベホマル

株式会社ベホマル代表取締役社長

 

 株式会社 ベホマルは、バイオマスCO₂吸収材の開発製造販売を行う滋賀県に所在するスタートアップ企業です。このCO₂吸収材は樹脂に添加することで、CO₂を吸収する性能を持ったプラスチックを作ることができます。株式会社 関西みらい銀行の研究助成金の採択を受け、立命館大学と共同研究に取り組んでいる同社の西原 麻友子 代表取締役社長に話を伺いました。

 

地域金融機関だから見つけられる、環境意識の高い事業パートナー


ー 共同研究の概要と金融機関のサポートについてお聞かせください。
 本助成金では「バイオマスCO₂吸収材のLCA評価と製造方法としてのマイクロ波合成研究」を行っています。LCAについてはCO₂を吸収するという目に見えないものを数値化できる点で重要視しており、弊社のCO₂吸収材は様々な製品の中に添加されるものなので、製品ごとにLCAが計算できる形で提供したいと思っています。併せて、CO₂吸収材の量産に向けてマイクロ波合成装置を用いた省エネ製造方法の研究も行っているところです。

 関西みらい銀行にはプロダクトの将来性に期待していただいており、助成金以外でも、アワード授賞を通じたPRを支援していただいたり、取引先の中から事業パートナーを紹介していただいたりしています。中小企業にとっては必要性を感じにくい環境分野では自らアプローチしても断られることが多いなか、環境意識の高い中小企業の事業パートナーを紹介していただけることはありがたいと思っていますし、地域の事業者に詳しい地域金融機関からは確かなパートナーを紹介していただけるという意味で信頼感があります。
 

スタートアップにとって研究助成金の採択は資金面のみならず信用面でもプラスに働く


ー 研究助成金の採択までの経緯についてお聞かせください。
 本助成金の公募のタイミングは、立命館大学の山末先生と共同研究を開始して、まさにこれから進めていこうという時期で、資金ニーズもありました。そんな時に創業時からお世話になっている滋賀県産業支援プラザや中小企業基盤整備機構から共同研究をしているなら助成金に申請してみてはどうかと提案していただき、これらの支援機関や大学のサポートを受けながら申請書を作成していきました。一般的にシード期のスタートアップが資金調達をするのは大変なので、助成金の存在は大きかったです。また、助成金を採択されることで、スタートアップである弊社への信用度も上がったと感じています。

 

金融機関に相談してモチベーションが上がるとは、起業前は想像していなかった


ー 脱炭素に向けて取り組むスタートアップとして金融機関にはどんなことを期待しますか。
 起業するまでは金融機関には堅いイメージを持っていましたが、起業して関西みらい銀行の企業支援の窓口に相談してみると、「わくわくする計画ですね」「お繋ぎしたい企業が頭に浮かんでいます」といった反応があったのは驚きでした。資本政策や事業計画を一緒に楽しそうに話してくれて、ビジョンにも共感してくれるなど、金融機関とお話をしてモチベーションが上がるとは思っていませんでした。堅実な事業者だけでなくスタートアップも応援してくれるところは嬉しいです。
 また、人材確保が難しいスタートアップにとっては、地域に密着した金融機関からの人材紹介は信頼できるので、財務に詳しい方に金融機関から出向でジョインしていただいたり、スタートアップで働いてみたい大企業の人材を紹介していただけるとありがたいです。
 ファイナンス面では、シード期のテック系の中でも特にクライムテックは、市場がまだできていないことから投資するには早いと言われることも多いですが、社会課題解決型のスタートアップに資金が集まるようになると良いと思っています。そうしたファイナンス面はもちろん、イベントやピッチの紹介、人材支援など、前向きなお話をくださる金融機関には、「成長して、そのうちいっぱい資金を借ります」と言いたくなりますね。 

授賞式の様子

 

 ご紹介元


本ページに関するお問い合わせ先

近畿財務局 総務部 総務課 地域連携推進係

住所:〒540-8550 大阪市中央区大手前4-1-76

電話番号:06-6949-6390

PDFファイルをご覧いただくにはAdobe Acrobat Reader(無償)が必要です。
ダウンロードした後インストールしてください。

Get Adobe Acrobat Reader