地域金融機関の経営トップ等への脱炭素関連インタビュー
最終更新日:2024年3月22日
奈良県 桜井市
大和信用金庫の本店が所在する奈良県 桜井市。2023年9月に同金庫と脱炭素実現に向けた連携協定を締結し、市民や市内事業者等の脱炭素への機運を高めていく取組をスタートさせました。同金庫との具体的な連携の取組や地域金融機関に期待していることなどについて、同市の環境部長に伺いました。
連携協定をきっかけに市民や市内事業者の脱炭素に向けた取組を加速させたい
ー 大和信用金庫と連携した取組についてお聞かせください。
桜井市では、2023年3月に地球温暖化対策実行計画(事務事業編)を改訂し、2030年までに市の全ての事務事業から排出される温室効果ガスを2013年度比で51%削減するという目標を掲げました。これから市が旗振り役となって脱炭素を進めていくという決意表明です。それと同時に、市民や市内事業者に対しても脱炭素の機運を高めていく必要があると考えていたなかで、具体的にどのような施策を進めていくべきか悩んでいたところ、大和信用金庫から「脱炭素に向けた取組にかかる連携協定」のお話を頂きました。
お話を頂いてからすぐに市長にも相談して、トントン拍子で話が進みました。ここまでスピーディーに話が進んだのは、これまでも大和信用金庫とは地方創生の分野を始め、様々な取組を一緒にやってきて、互いに顔の見える関係性があったからだと思います。
連携協定締結後は具体的なアクションに繋げていこうと、2024年2月に「カーボンニュートラル入門セミナー」を共催しました。市が実施主体となって市民や市内事業者向けの脱炭素関係のセミナーを開催することは初めてだったので、今回の連携協定が大きなきっかけになったのは間違いありません。初めは集客が不安でしたが、当日は100名を超える参加者にお集まりいただきました。皆様の脱炭素に対する関心の高さを改めて実感したのと同時に、市の案内だけでは恐らくこの人数は集まらなかったと思うので、大和信用金庫の持つチャネルの重要性を再認識しました。また、環境部局だけで進めるのではなく、色んな部署の市職員の参加も多数ありましたし、今回開催したセミナーを取っ掛かりにして、次なる企画を大和信用金庫と一緒になって今まさに練っているところです。
地域金融機関は、市と事業者の橋渡し的存在
ー 地域金融機関に期待していることは何ですか。
市は事業者との接点がそう多くありません。一方で市内には、大和信用金庫がメインバンクという事業者が多くいらっしゃいますので、事業者との関わりが深く事業者の経営の実情をよく知っていらっしゃる大和信用金庫は、大変ありがたい存在です。
また、大和信用金庫自身が桜井市商工会の会員でもあるので、商工会からの情報をいち早く市に伝えていただけるし、逆に市の情報を商工会に伝えていただく事もあり、市としても助かっています。
まずは名刺交換から。地域金融機関との接点を逃さない
ー 地域金融機関と連携を進めたい自治体へのアドバイスをお願いします。
どの地域金融機関も地域貢献したいというお考えは強くお持ちなので、直接脱炭素に関係が無くても、例えば町のイベントや行事等には地域金融機関の方が参加されていると思います。そういった機会を活かしてまずは顔馴染みになる、対話できる関係になるところからだと思います。初めは名刺交換しただけとか、それでも十分なきっかけになります。
また、大切なのは事業者の経営改善とセットで脱炭素の取組を進めるということかなと思います。町に活気があり続けるためには事業者の活動が欠かせませんし、事業者が脱炭素の取組によって疲弊しない、むしろ成長の機会になるような取組であれば、地域金融機関にとっては大きなメリットに繋がりますし、耳を傾け易いのではと考えます。
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