歳出予算の繰越し
繰越制度とは
歳出予算の繰越しは、国の会計制度の中において、歳出予算の効力を翌会計年度にまたがって移動させる特例的な制度です。
財政法第42条本文において、「毎会計年度の歳出予算の経費の金額は、これを翌年度において使用することができない」と規定されており、一会計年度の歳出予算の経費の金額は、原則として、その年度内に使用し終わるべきものであって、使用し終わらなかった経費の金額については、これをすべて「不用」とするのが建前です。
しかしながら、国の経費の内容や予算執行の方法が極めて複雑多岐にわたっているだけに、すべての場合にこの原則どおりに処理することは、国にとって、かえって不利、不経済又は非効率となって実情に沿わないことになる場合もあります。
繰越制度は、会計年度独立の原則に対して若干の例外を認め、一定の条件のもとに、年度内に支出を終わらなかった歳出予算の経費の金額を翌会計年度に繰り越して使用する途をひらき、国の経費の経済的、効率的な執行を期待するものです。
繰越手続について
繰越し(翌債)の手続は、財政法、会計法、予算決算及び会計令、特別会計に関する法律、繰越しに関する通達等の定めるところによって行いますが、これには、大きく分けて各省各庁における手続と財務省における手続とがあります。
各省各庁において繰越し(翌債)の手続に関する事務を行う場合には、各省各庁の長が自ら行う場合と各省各庁の長が支出負担行為担当官又はそれ以外の他の職員等に委任して行わせる場合があります。
また、財務省において繰越し(翌債)の承認に関する事務を行う場合には、財務大臣が自ら行う場合と財務大臣が財務局長、福岡財務支局長又は沖縄総合事務局長に委任して行わせる場合があります。
繰越し(翌債)の手続についての詳細は、『繰越しガイドブック』をご覧ください。