呉事業者向け支援事例
最終更新日:2023年6月20日
目次
- 日本製鉄㈱瀬戸内製鉄所呉地区の全設備休止の影響による早期退職者に、呉商工会議所と連携し創業融資を実行した事例(日本政策金融公庫)
- 洋上風力発電分野への新規進出を金融面からサポートした事例(商工組合中央金庫)
- 県の設備投資補助金を活用し、竪型破砕機を新たに導入し、鉄以外の新分野を開拓した事例(広島県商工労働局)
- 日本製鉄㈱瀬戸内製鉄所呉地区の全設備休止に伴う事業転換に対して補助金申請をサポートした事例(もみじ銀行)
- 事業再構築、販路紹介や人材マッチングなど幅広く支援したことで県内初の大型レーザー加工機の導入に成功した事例(呉信用金庫)
- 第2の呉ビールを目指してクラフトビールで繋がる~Story~づくりを支援した事例(呉広域商工会)
- セミナーの紹介が経営理念のブラッシュアップに繋がった事例(広島銀行)
- ビジネスマッチング「J-GoodTech(ジェグテック)」により販路開拓を支援した事例(呉市・くれ産業振興センター・中小企業基盤整備機構)
- 事業継承を機に海産物加工・卸業者に対し、各種補助金を活用し、生産性向上、新分野展開により売上を倍増し、経営の安定化を支援した事例(くれ産業振興センター)
- 事業者の相談から30年続く洋菓子店の事業承継に繋がった事例(呉商工会議所)
- 相談窓口において業況に関し相談を受け、呉事業者支援金融協議会の説明を行った事例(中国財務局)
【事業者】
事業所名:お好み焼き おかみね
代表者名:岡峰 忠司
業種:飲食業
【概要】
日本製鉄㈱瀬戸内製鉄所呉地区の全設備休止の影響により、勤務先を早期退職することとなった方に、ご夫婦の夢であった飲食店を創業するための資金を、呉商工会議所と連携し融資実行。また、ご融資後には、経営に役立つ情報提供を行い、お店が軌道に乗るよう経営支援も実施。
創業者の岡峰様に、お店をオープンするまでのお話などをお伺いしました。
【いざ創業準備を進めると分からないことだらけ】
早期退職した時期に、お好み焼き屋を経営していた知人が高齢のため廃業することを知りました。そこで、調理の仕事をしている妻と一緒に、夫婦の夢である飲食店の創業を知人店舗跡地ですることを決意しました。
知人のお店には固定客もいたので、同じお好み焼き屋を創業することにして、自分たちのオリジナルメニューなどを考えました。創業に向け準備を進めると、売上予測や必要経費などの計画はつくれても、創業に必要な資金計画も含めた全体的な計画をつくるのは難しいことが分かりました。また、資金計画以外に、飲食店の営業許可はどのように取得するのかなど、よく分からないことが多いことに気付きました。
いろいろな人に相談するなかで、商工会議所に相談してみてはとのアドバイスがあり、とりあえず呉商工会議所に相談に行きました。
【商工会議所から日本政策金融公庫を紹介され創業計画が一気に加速】
商工会議所に相談するのは初めてだったので、創業についてどのような相談ができるのか不安でしたが、相談に行くと担当者から創業計画のアドバイスなどがありました。創業資金については公庫を紹介してくださり、その場で担当者からアポイントを取り、同じビルに入居している公庫まで案内してもらいました。
その流れで商工会議所と公庫の担当者から、創業計画のアドバイスや飲食業に関係するサポートをしてくれる飲食業生活衛生同業組合の紹介、また組合員になると特別利率で利用できる融資制度の説明などを聞き、具体的に創業計画をつくれる状況となり、一気に創業に向けての段取りが加速するのを感じました。
その後、飲食業生活衛生同業組合に相談に行き営業許可の取得方法なども教えてもらい、組合に加入して公庫に正式に融資を申し込みました。公庫の担当者から創業のアドバイスを受けながら審査を進めてもらい無事融資が決定し、借入することができ創業できました。
【創業予定者へのメッセージ】
お店をオープンして思うことは、創業するという夢や思いが強くても、創業準備を進めると、分からないことや自分たちではできないことが多いことに気付きます。
そのような時は、遠慮せずに各分野の支援機関に相談するのが一番で、皆さん親身に相談に乗ってくれます。創業される際は、支援機関の皆さんにご相談されることをお勧めします。
【支援機関担当者の声】
公庫にご相談されるお客さまには、皆さんにそれぞれの目的があります。日頃から、お客さまのお話をよく聞くよう心がけており、岡峰様の場合は、日本製鉄㈱瀬戸内製鉄所呉地区の全設備休止の影響で早期退職され、ご夫婦の夢であった飲食店を創業されるというものでした。
ご夫婦の創業への熱い思いに共感し、創業計画のブラッシュアップなどに取り組み創業のお手伝いができました。創業後も、経営に役立つ情報提供などを行い継続支援していきます。
(令和5年6月20日掲載)
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2.洋上風力発電分野への新規進出を金融面からサポートした事例(商工組合中央金庫)
【事業者】
事業所:SNマリン株式会社
代表者:代表取締役 庭瀬 博徳
親会社:菅原汽船株式会社
親会社代表者:菅原 勝利
主な事業内容:船舶貸渡業、船舶管理業、船員派遣業
【概要】
鉄鉱石・石炭といった原材料から自動車などの製品を世界中の港へ安全・確実に届ける菅原汽船株式会社の新設子会社SNマリン株式会社では、洋上風力発電建設作業に携わるオフショア支援船の運航を新事業としてスタート。
今回、同社に対し総額14.4億円のシンジケートローンを組成。本シンジケートローンは、商工中金がアレンジャーを務め、呉信用金庫と広島市信用組合が参加、地域金融機関との協調
により、その組成が実現。シンジケートローンにより調達した資金を活用し洋上風力建設に携わるオフショア支援船「かいこう」を取得。菅原汽船株式会社グループは、長年にわたり培った船舶管理のノウハウや能力の高い船員確保の実績を背景に洋上風力発電分野へ進出し、再生可能エネルギーによる持続可能な社会の発展に寄与する事業を展開。
【事業者様からのメッセージ】
長年ご愛顧を頂いています川崎近海汽船の社長様よりお話を頂戴し、政府の推進する洋上風力発電の事業にも寄与するオフショア支援船を購入するべく内航海運会社を20数年振りに設立し、昨年3月に本船を購入致しました。
重責を感じると共に、大変意義のある仕事に携わることが出来とても有難く思っています。船員さんと弊社の管理者との連携を密にして行き、安全運航に努めて参ります。
地元の呉には、熱き思いの方が沢山おられます。呉の町をより良く活性化させて行こうと各種経済団体の方々が連携をし、頑張っておられます。弊社も地元へのご恩返しにもなる雇用を通じて、少しでも貢献できればと考えています。これからもご指導を賜ります様、どうぞ宜しくお願い致します。
【支援機関担当者の声】
菅原社長のオフショア船事業に対する篤い想いを共有し、グループの持続的な成長に寄与するだけでなく、地域の雇用拡大にも貢献することを確認し、地域金融機関と協調して本融資契約を締結しました。
商工中金は、80年以上にわたって培った中小企業金融のノウハウがあります。財務情報だけでなく、業務や技術の内容、経営者の手腕や思いなど、経営の実態を把握しながら、企業のライフステージに応じたオーダーメイド型のサービスを提供しています。長期・短期のご融資のほか、財務改善や罷業再生・経営改善、海外展開など、あらゆるニーズに対応するサービスをそろえています。
(令和5年6月20日掲載)
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【事業者】
事業所名:株式会社こっこー
代表者名:代表取締役社長 槙岡達也
主な事業内容:鉄スクラップを主体とした資源リサイクル事業等
【取組の内容】
中四国地区において、鉄スクラップを主体とした資源リサイクル事業のほか、鋼材加工、各種建材卸などを手掛けている。
日本製鉄㈱瀬戸内製鉄所呉地区の全設備休止の影響に対応すべく、県の補助金(地域活力再生支援助成)も活用し、新たなチャレンジを行っている。
【取組の概要図】
【取組の効果】
鉄以外の非鉄も含めた雑品スクラップの破砕・選別を行うため、
県の補助金を積極的に活用。現状、竪型破砕機の稼働率は50%から60%程度だが、新分野を開拓したことで、従業員の新たな雇用機会の創出につながっている。
【事業者の声】
今後は、フル稼働を目標にしたいと話す。
呉リサイクルセンター長の芳信和稔さん
【支援機関担当者の声】
今後も新たな取組を行う事業者の皆様を全力で支援させて頂きます。
(令和5年6月20日掲載)
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【事業者】
事業名:東方金属株式会社
設立:昭和25年2月6日
代表者:仁井岡武十郎
主な事業内容:鉄リサイクル事業、鋼材販売、エンジニアリング事業(解体・撤去工事)等
URL:https://www.toho-kinzoku.co.jp/
【当社の事業転換取組内容】
日本製鉄㈱瀬戸内製鉄所呉地区の全設備休止が決定し事業転換を検討する中で、同製鉄所内の設備撤去に伴う大型解体工事を請け負う機会が増加。この機に、解体に伴う廃コンクリートの再処理フローを新たに加えた工法に取り組む。
【新規設備導入効果】
いままで当社が保有していなかった新規設備を導入することにより、廃コンクリートの再資源化を実現。これにより、解体業務分野において新たな収入源の構築に寄与。
事業転換導入設備機器(例)
【補助金申請ご支援迄のフロー】
【事業者様からいただいた言葉】
事業再構築補助金について情報収集は行っていましたが、今回の取組がその申請要件に当てはまるのか否かまでは、確認できていませんでした。この度、もみじ銀行より事業再構築補助金の案内を頂き、申請手続きについてもサポートしてもらい大変助かりました!
【もみじ銀行担当者から一言】
日ごろの対話の中から今後の計画や投資計画の情報を共有しており、タイミングよく補助金の情報提供を行うことが出来ました。今後も取引先のお役に立てるよう伴走していきたいと考えています。
(令和5年6月20日掲載)
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【製造技術を活かしショベルカー等の部品製造に挑戦】
当金庫取引先であるT 社は、建設現場で使用される産業用機械の製造を主に展開しています。しかし、コロナ感染拡大によるオフィスビル施設等の需要低下により、受注が減少。先行きの見えない状況を打開するため、T 社は事業再構築補助金を活用した新事業進出に取り組むことを決断しました。
新事業では、当社が長年培った製造技術やリソースを活かし、ショベルカーなどの建機部品製造を新事業とする計画としました。
当金庫は、T 社の新事業進出支援として、補助金活用における事業計画策定支援や取引先の販路紹介、資金供給、人材マッチングなどの幅広い支援に取り組みました。
【広島県内では初となる大型レーザー加工機の導入に成功】
T 社の新事業は、事業再構築補助金を活用したものであり、採択を契機に広島県内では初となる大型レーザー加工機の導入に成功したことで、従来、既存事業では対応できなかった材料切断加工も、新事業では対応可能となりました。
販路開拓は、T 社にとっては新規参入ということもあり、大変難航しましたが、最終的には、T 社の技術力やリソースなどが高く評価され、T 社がターゲットとしていた建機メーカーとの契約が成立し、2023 年春より、本格的に部品製造を請け負うことになりました。
これにより、T 社は、年間最大4 億円程度の売上増加を見込んでいます。
さらに、新事業の取組開始に伴い、新卒従業員3 名と元日本製鉄勤務の従業員1 名採用したほか、当金庫の人材マッチングサービスにより事業経験者1 名の採用を行いました。
また、税制面でのキャッシュアウトを抑制するため、経営力向上計画に係る活用アドバイスおよび計画策定支援を行いました。
【T 社の声「くれしんの伴走支援により成長を遂げた」】
くれしんの支援により、当社は新たな展望を開くことができました。事業再構築補助金の採択などの伴走支援を通じて、私たちは困難な経営環境を乗り越え、成長を遂げることができました。専門的なアドバイスと支援は、私たちの経営戦略の立案や販路開拓において非常に貴重なものでした。また、資金面でも当金庫の柔軟な対応に助けられました。
地域金融機関の存在は、私たち中小企業にとって不可欠です。地域の経済成長に貢献できることを誇りに思っています。心から感謝申し上げます。
【呉信用金庫の声「希望と勇気を与える存在になりたい」】
中小企業や個人事業者は、地域経済の重要な一翼を担っています。T 社のような、中小企業が直面する課題や困難を解決し、成長を支援することは私たちの使命であり、T 社の新事業進出における伴走支援に注力しました。私たちが提供するソリューションが、地域経済全体の発展につながると信じています。T 社のような成功事例を通じて、他の中小企業にも希望と勇気を与える存在になりたいと思っています。
【新事業製造部品の紹介をするT 社】
(令和5年6月20日掲載)
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【事業者】
事業所名:株式会社Story Agent
代表者名:代表取締役社長 西原 総司
主な事業内容:クラフトビール製造・販売
【支援の経緯】
当社は、2020年7月に創業し、当初はタピオカ店を経営していたが、新型コロナウィルス感染症の影響を受けて2021年6月に閉店。新たな事業を模索していたところ、海外を周遊旅していたときに現地の人たちの中心にはいつもビールがあり、それが人々の人生を豊かにしていることに着目。
自分たちの手でクラフトビールを製造・販売していくことで人と人をつなぎその人たちの人生を豊かにしていくことをミッションにクラフトビール事業を立ち上げることにし、新たなクラフトビールブランドを【IB BREWING】と名付けた。名前の由来は、クラフトビール工場が呉市安浦町中畑にある市原(ICHIBARA)地区の古民家を改装して設けたものにちなんでその中のIBを抜き取って名付けた。
そんな中、2021年8月に当商工会会員事業者を通じて、今後の事業計画策定・各種助成金および補助金の申請・販路開拓を支援してほしいということで安浦支所へ相談があった。
【支援の経過】
2021年8月から9月 呉信用金庫主催「幸運(グットラック)」申請書作成支援
2021年9月から10月 呉市主催「呉市起業家支援プロジェクト」申請書作成支援
2021年11月 都市圏へのテストマーケティング出品支援
2022年3月 フロンティア補助金事業計画書作成支援
2022年4月から10月 ものづくり補助金事業計画書作成支援
2023年2月 小規模事業者持続化補助金事業計画書作成支援
2023年3月 公益財団法人 業務スーパージャパンドリーム財団
ベンチャー支援助成金事業計画書作成支援
【担当者のアドバイス】
現状の課題としては、2022年2月より自社醸造へと切り替えて、順調に販路開拓を進んでいる中で、顧客が求めている生産量に対応できておらず、注文を受けて納品までに2週間かかっている点であった。そこでクラフトビール醸造所設置に必要な設備「All in one tank」の設備投資(ものづくり補助金等を活用)で生産性向上を図ることが課題解決できるのではとアドバイスした。その結果、ものづくり補助金の採択を受けて設備投資を実現し、生産性が劇的に向上した。
また、販路開拓支援として、都市圏(銀座タウ)や広島市内(ひろしま夢ぷらざ)でのテストマーケティングに参加することを勧めて、実際に参加して完売させている。
【新たな挑戦】
当社の共同経営者である西原社長と藤戸取締役は、海外経験が豊富で、西原社長はアフリカ周遊旅を2度経験し(半年ずつを2回)、藤戸取締役はベトナムのクラフトビール醸造所での勤務経験が1年間ある。そのため、英語を習得しており海外進出への抵抗が全くと言っていいほどない。
数年前よりクラフトビールの醸造所数が増加し大手ビールメーカーもクラフトビール販売に新規参入しているため、クラフトビールの国内市場が今後飽和状態となり競争が激化する前に、海外に製造拠点を作り製造原価を抑えていくことで価格を抑えた品質の高いクラフトビールの提供を国内外で展開していくことを視野に入れて新たな事業計画を策定している。
海外の製造拠点について、具体的には、カンボジアに新しい醸造所を作る計画である。
カンボジアは、東南アジアの中でも成長が著しいことや物価が他の東南アジア諸国と比較しても安く、日本と比較すると約二分の一から三分の一である。また、親日国としても知られており、日本の企業を受け入れやすい点も選定した理由である。
今後は、カンボジアに新たな製造拠点を設けた後、2か国目として、これから3年以内に東欧バルト三国の一つであるラトビアへの進出を計画している。
【事業者から支援機関に向けたメッセージ】
呉広域商工会に事業計画書のブラッシュアップや、販路開拓を支援いただいたおかげで、資金確保や取引先を増やすことができた。今後も頼りにしています。
【支援機関担当者の声】
共同経営者2人はどちらも20代と非常に若いが、海外への渡航経験が豊富で、チャレンジすることに抵抗がなく、この先のしっかりしたビジョンを持っており、将来に対して非常に希望が持てる。営業と製造の担当を分けて分業することで、創業者によくある一人で抱え込みすぎて業務過多となり事業が続かないということはないのではと感じている。
これから、もっと成長していくために各種補助金支援および経営計画策定支援を行っていきたい。
(令和5年6月20日掲載)
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【事業者】
事業所名:オカモト産業株式会社
代表者名:代表取締役社長 岡本卓也
主な事業内容:高圧ガスの製造販売、その他溶接材料、機械等の卸売業、設備工事
【概要】
広島銀行の案内を受け、ひろぎんヒューマンリソース株式会社主催のグロービスの経営者向けのセミナーを受講したところ、経営理念のブラッシュアップに繋がる気づきが得られたもの。
代表取締役社長の岡本様にお話をお伺いしました。
【社長就任時には会社をどうしたいか見えていなかった】
社長就任が2021年の5月で、当初は見えてない部分が結構ありました。会社をどうしたいか見えていないといけないのにと思っていたのですが、考えても腑に落ちるものがありませんでした。
時代は進み、事業も変化していき、一年くらい悶々としていた。先行きが見えない状態でした。
【セミナーの紹介を受ける】
こうした中、広島銀行からセミナーの案内がベストタイミングでありました。
このセミナーは、広島銀行のグループ会社のひろぎんヒューマンリソース株式会社が主催するもので、グロービス会計大学院(通信でMBAが取れる大学院)のカリキュラムを、このセミナーで受講しました。
どれくらいのものが得られるかは分からなったが、すぐに申し込んでセミナーに参加しました。すると、これまで得てきた情報では引っかからなかった私のアンテナに引っかかり、多くの気づきが得られました。
社長就任時に今の社訓をわかりやすいように作っていたが、会社全体や従業員がそこに向かっているというレベルまで作り上げられませんでした。しかし、このセミナーを受けた後は企業理念の見直しが進みビシビシ決まっていったのです。ブラッシュアップされた経営理念がこれです。
【当社の強みは社員の人間性であることに改めて気付かされた】
社長就任時は、私の能力も含めて会社全体的に物足りなさを感じていました。実は当時、会社の強みが何か見えていなかったのです。
当社がある仕事をお願いされた際に、実は他の企業では上手くいかなく実現しなかった案件であることを聞かされました。確かに当社では、大手の企業と長い期間おつきあいしており、クレームが来るわけでもなく、新しい事業もうまくいっています。
当社の社員は大手のお客様のところに行っても、懐に入っていき、注文を受けることができる。当社の社員は、スキルが高いというよりお客さんへの対応力が高いのではないか、その人間性に魅力があるのだと気が付きました。そして会社としての強みもそこにあると。すると次々と社員のいい面、光る面がたくさん見えてきました。大きな気づきを得ました。
【社長自らも甦(か)わり、責任を果たしていく】
私も、能力が高くて、リーダーシップやカリスマ性があるわけではないが、社員に支えられて、会社をさせてもらっている中で、きちんと責任を果たしていきたい。
「人は甦われる、自分が甦わる」を誰よりも率先して、自分が生まれ変わった気持ちで社長業をやっていく意気込みです。
【呉の事業者へのメッセージ】
あきらめずに頑張ってください。
変えようかといってすぐに変われるものではありません。当社も何年もかかって準備しています。常に変わっていこうとするスタンスでなければと変えられないと思います。
【支援機関担当者の声】
本件はひろぎんヒューマンリソース主催の研修をご案内したところ岡本社長のニーズに合致した事例でした。ひろぎんホールディングスにはその他にも様々な会社があり、金融面はもちろん非金融面も含めた多方面からお客様のご支援が可能です。
今後もグループ一体となり、お客様のニーズに寄り添った提案ができるよう、心掛けて参ります。
【インタビュー動画】
「オカモト産業」社長へのインタビュー動画を掲載しています。
URL:https://youtu.be/69tNNiG7vVM
(令和5年6月20日掲載)
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8.ビジネスマッチング「J-GoodTeach(ジェグテック)」により販路開拓を支援した事例(呉市・くれ産業振興センター・中小企業基盤整備機構)
【事業者】
事業所名:A社(呉市)
事業内容:輸送機器の部品製造等
事業所名:B社(呉市)
事業内容:ペット向けサプリメントの販売
【取組内容】
呉市・くれ産業振興センター・中小機構 中国本部が連携し、中小機構が提供しているビジネスマッチングサイト「J-GoodTech(ジェグテック)」を活用した呉市内の事業者様の販路開拓支援を実施。
【取組の効果】
①呉市、くれ産業振興センターが呉市内の事業者にジェグテックへの登録を推進した。
②中小機構がジェグテックに掲載中のニーズを会員企業に案内した結果、2022年度、呉市内事業者から15件の提案があり、うち3件が実際の商談に進んだ。
【事業者からの声】
A社
地政学リスクの台頭による鋼材の価格高騰は未だ継続しており、顧客への価格交渉を余儀なくされている。一方で、「アフターコロナ」に伴う移動制限の解除等により、輸送機器業界からの一部アイテムの発注はコロナ禍以前の水準近くまで回復した。
今回のコロナ禍を機に、不測の事態への備えとして、メイン事業以外にも新規事業を開始した。
顧客ニーズの発掘や、同業他社を研究する目的でジェグテックを活用している。今期は、実際に同ツールにてマッチングし、昨年から商談を継続していた事業者から、大型案件の発注があった。今後とも、更なる事業拡大と新規顧客の獲得を目指すため、ジェグテックを活用していきたい。
B社
新型コロナウイルス感染症の流行拡大により、人々が自宅で過ごす時間が長くなったことから、ペットブームが到来した。当社はサプリメントを通じてペットの健康増進に貢献していきたいと考えている。また、当社は大学との共同研究も積極的に行っており、共同開発した製品は空港や市役所にて展示された実績がある。今後はインバウンドの方々にも手に取ってもらいたいと考えている。
事業を進めていくにあたり、これまでも公的機関によるサポートを活用してきた。今後もきめ細かいアドバイスを期待している。
【支援機関担当者の声】
■呉市
事業者様にとって、無料でできる販路拡大手段です。是非お試しください。
■くれ産業振興センター
地域企業のチャレンジを応援します。 お気軽にご相談ください。
■中小機構中国本部
中小機構は皆様の経営改善や販路開拓を応援しています。是非お気軽にご連絡ください。
(令和5年6月20日掲載)
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【事業者】
事業所名:(有)松本商店
主な事業内容:食料品製造業
【概要】
取引先の世代交代から取引量が減少、売上も右肩下がりで、損益分岐点ぎりぎりの中、当時の社長の子息圭祐氏は平成30年に常務に就任し経営改善に取り組む。同氏は当センターの支援を得つつ補助金を活用して生産性向上を目指し、新商品の開発、スーパー・量販店への販路拡大に尽力。
売上はインバウンド拡大の影響もあり、順調に拡大するもコロナの影響により売上が激減する中、令和2年に社長に就任。同氏はこの危機を乗り切るため、当センターに相談して事業再構築補助金を活用し、珍味・おつまみ等の新分野を開発するため設備導入、工場の改装を実施。
今後、インバウンドの回復により、既存事業も含め、売上が増え、経営が一層安定することを期待。
【概要図】
【取組の効果】
各種補助金を活用し、生産性向上、品質の向上とともに、売上も増加し、5年前の売上に比べ、今年度売上は、2倍に増加し、経営が安定した。
【事業者の声】
最も資金が厳しい時に支援機関に出会い、種々の補助金に幸いなことに採択されたことは、今日の当社成長の原動力となった。支援機関と共に申請する事業計画書の検討・作成は大変な作業であったが、経営者としての自覚を改めて知る機会にもなった。新たな成長を狙い体制の整備を考えている他企業は、支援機関を利用し積極的にチャレンジした方がよいと思う。
【支援機関担当者の声】
支援先企業に寄り添い継続的な支援を実施することで、信頼関係が生まれ、経営状況の改善取組に踏み込んだトータルサポートが可能となった。支援先の拡大を図っていきたい。
(令和5年6月20日掲載)
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10.事業者の相談から30年続く洋菓子店の事業承継に繋がった事例(呉商工会議所)
【被承継者】
ケーキハウスシャルロット
(呉市三条)
【承継者】
おうちレストランNISHIMAKI
(呉市中通)
【概要】
洋菓子職人の店主 沖原さんは、平成5年に呉市三条に「ケーキハウスシャルロット」をオープンし、30年間地域で洋菓子の販売を営んでいたが、今年で72歳となり、第一線を引く決意をしていた。
沖原氏と取引を行っていた「おうちレストランNISHIMAKI」の西牧さんは、その話を聞き、沖原さんが生み出したその味を、呉の文化として後世に残し伝承したいと思い、呉商工会議所に相談した。
すぐさま、広島県事業承継・引継ぎ支援センター呉事務所と連携し、話を進めることとなった。
その後、時間はかかったものの、令和5年7月から、西牧氏が、沖原氏のシャルロットの経営を引き継ぐことになり承継が成立。
現在、西牧氏は「経営革新計画」に取り組んでおり、引き続き呉商工会議所が、サポートしていく事になっている。
【取組の効果】
当人同士では難しかった案件も、第3者の支援者が間に入ることによって承継問題の課題が解決しやすくなり、結果30年間この地で培った味や技術が伝承され、次世代に引き継ぐことができた。
【支援機関担当者の声】
中小企業・小規模企業の経営者の高齢化が進み、事業承継が進んでいない企業が、呉市内に数多く存在しています。
そうしたことから、令和4年2月16日呉市が関連支援機関と連携し「呉市事業承継ネットワーク」を設立、事業承継を通じた企業の成長を支援していくことになりました。
また、令和4年4月からは、呉商工会議所が事務局となり、令和4年度は、事業承継の関連支援機関が連携し、市内の企業に対して事業承継問題の掘り起こしのための診断を実施するなど、課題解決のための支援を進めています。
(令和5年6月20日掲載)
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11.相談窓口において業況に関し相談を受け、呉事業者支援金融協議会の説明を行った事例(中国財務局)
【事業者】
事業所名:匿名
代表者名:匿名
業種:飲食業
【概要】
中国財務局は、相談窓口を設置。呉市内で飲食業を営む経営者からの相談に対し、呉事業者支援金融協議会について説明。
【事業者の声「連携支援は心強い」】
呉市内で飲食店を経営しています。コロナ禍以降、売上が激減し補助金をいただきながら何とかやり繰りしてきましたが、長いトンネルの出口が見えず、頼りにしていた月次支援金の給付も終了したことで、今後の先行きをとても不安に思っていました。
何とか現状を打破し、これまで温めてきたアイデアを基に事業再構築にもチャレンジしたいと考えていましたが、アイデアを具体化し軌道に乗せていくためには、資金も必要になるし、SNS等を利用した情報発信にも工夫が必要となるため、中々一歩が踏み出せなかった。
こうした中、「呉事業者支援金融協議会」のチラシに記載の中国財務局に連絡をしてみたところ、「参加支援機関が連携し、事業者からの相談にワンストップで支援する枠組みがある」とのことであり、まずは取引先金融機関に相談してみてはとのアドバイスをいただきました。
取引金融機関の担当者が最近変わったばかりであり相談するのを躊躇していましたが、アドバイスを踏まえ、思い切って相談してみようと思いました。
金融機関・支援機関の皆様が連携して支援してくださるとのこと、我々事業者にとって大変心強いです。ありがとうございます。
【協議会事務局からのメッセージ】
本協議会でご用意した「包括支援スキーム」や「支援メニューリーフレット」を皆様に活用いただければと思います。
(令和5年6月20日掲載)
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本ページに関するお問い合わせ先
中国財務局 理財部 金融監督第二課
電話:082-221-9221
内線:3491、3463