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「栃木県内信用金庫・信用組合実務担当者による意見交換会」を開催しました

 県内の中小・零細企業については、厳しい経営環境に直面する中、経営支援や事業承継支援等が必要な企業が多数存在しています。
 こうした企業は自力での対応が難しいため、金融機関は顧客企業の真の経営課題を的確に把握し、解決策の策定やアドバイス、適切なファイナンスの提供など、金融仲介機能の発揮による顧客支援が求められています。
 今般、当事務所の主催により、単独での研修では限界がある信用金庫・信用組合の実務担当者に対し、顧客支援力の向上と担当者間の情報交換を目的として、「県内信用金庫・信用組合実務担当者による意見交換会」を下記のとおり開催いたしました。

1.日時

平成31年2月20日(水)13:45~16:45

2.場所

宇都宮市文化会館 3階第2会議室

3.参加者

県内の信用金庫(6金庫)及び信用組合(2組合)の実務担当者24名

4.結果概要

1)開会挨拶(宇都宮財務事務所長 大野 孝広)

宇都宮財務事務所 大野所長挨拶

 現在、中小・零細企業においては、少子高齢化、人口減少、若年層の首都圏への流出、更には高齢の企業経営者の後継者不足などに直面し、非常に厳しい環境下にあり、その多くの企業において、経営改善や事業再生、事業承継を必要としている。  
 この問題を早急に解決するためには、金融機関の方々が、真の経営課題を的確に把握し、適切なアドバイスやファイナンスを提供するなど、金融仲介機能を十分に発揮することによって、顧客企業の生産性の向上が図られ、ひいては、地域経済の発展に貢献していくものと思っており、その課題解決の一助になればと思い、本日の意見交換会を企画したもの。
 本日は、自由闊達な意見交換を行っていただき、また、職場内でも還元していただければ幸いである。

2)講演

◯ 「事業承継支援」の取組みについて(栃木県事業引継ぎ支援センター 統括責任者 大森 治 様)

講演(栃木県事業引継ぎ支援センター)

 事業の廃業により、技術やノウハウ、雇用が失われる可能性があるほか、サプライチェーンなどにも大きな影響を及ぼす可能性がある。廃業は個別企業の問題ではなく、地域全体の課題であり、地域全体で取組む必要がある。
 商工団体から当センターへの相談の持込み件数が増加し、相談件数は前年比で増加しているが、金融機関からの持込み件数は減少している。
金融機関の皆様には、事業承継に向けた準備の必要性の認識(気づき)の機会を提供し、経営状況・経営課題等を把握(見える化)するとともに、事業承継に向けた経営改善(磨き上げ)を行うなど、円滑な事業承継に向けた取組みを進めていただくことに加え、ニーズの発掘についてご協力をお願いしたい。

◯ 「事業承継支援」の取組みについて(株式会社日本政策金融公庫宇都宮支店 国民生活事業 融資第二課長 原 隆文 様)

講演(日本政策金融公庫)

 当公庫は、資金面と情報面の両面から事業承継を支援している。資金面の支援では、「事業承継・集約・活性化支援資金」等の融資を、情報面の支援では、顧客のニーズに応じて情報提供(事業承継事例集や事業承継ワークブックなど)や支援機関への取次ぎを行っている。
 事業承継の取組みは、資金調達に限らず、事業承継の準備計画の策定や後継者の確保・育成等の様々な課題があることから、課題解決の支援のために、金融機関の皆様のご協力をお願いしたい。

◯ 案件相談から見る金融機関融資について(株式会社地域経済活性化支援機構 経営企画部 営業推進室長 増田 吉宏 様)

講演(地域活性化支援機構)

 地域金融機関に求められていることは、産業の動向を踏まえて会社の事業性評価を行い、具体的な解決策を提案し、支援(再編、再生、廃業、リスクマネーの提供、業種転換)を実行すること。
 ただし、事業性を評価するのは簡単ではないし、ましてや解決策を提案するのは簡単ではない。経営課題や解決策は経営者の頭の中にあることから、対話等により、見える化することが必要。そのためには、客観的な分析力・調査力や真摯な対話力を身に付けることが重要である。
 対象事業者を分析・調査などする場合のポイント等を是非各金融機関の組織内でもご参考ご活用頂きたい。
 

3)意見交換(グループディスカッション)

 参加者が4つのグループに分かれ、「事業性評価」又は「事業承継支援」をテーマに意見交換を行った結果、主に以下のような課題・意見が挙げられました。

◯ 事業承継支援

意見交換1

・小規模な信用金庫にとっては、事業承継支援に経営資源を投入するのは難しい。
・金融機関によって、事業承継診断シートの活用状況に差がある。
・担当者のレベルに差があり、事業承継支援に対する意識が低い担当者もおり、更なる向上が必要である。
・事業承継支援に関する業績評価の比重が低いことに問題があるのではないか。
・事業承継支援は、金融機関だけで取組むことが難しい課題であることから、商工会や商工会議所との連携を更に強化する必要がある。
・本部で事業承継のニーズを把握し、営業店を支援している金融機関もある。
・信用組合が業務提携している民間会社の事業承継マッチングサービスを信用金庫業界でも活用すると良いのではないか。

◯ 事業性評価

意見交換2

・事業性評価シートの作成には、顧客と時間をかけた対話が必要であり、記載項目を絞っているものの、1件1件の作成には時間がかかる。また、作成件数が多いこともあり、内容の深掘りができておらず、成功事例の数がまだ少ない。
・低金利環境下においては、金利競争に陥らないために、事業性評価が必要であるという共通認識はあるが、事業性評価シートを作成することが目的化し、十分に活用しているとは言い難い状況にある。
・担当者のレベル差を埋めるため、内容が良い事業性評価シートの共有化を図っているほか、内部研修の実施や外部研修の活用により、スキルアップに取組んでいる金融機関も多い。
・営業店と本部で繰り返し議論し、成功事例を増やしていくことが必要。

4)本会に参加しての感想(事後アンケートより)

・事業承継については、案件をつなぐ質・量を増やすための取組み向上が必要と認識した。
・事業承継にどう取り組むかイメージのつかない取引先は多いため、相談していきたい。
・事業承継でも、今後、日本政策金融公庫と連携した取組みができると感じた。
・日本政策金融公庫の事業承継支援ワークブック「つなぐノート」は今後の参考にしたい。
・事業性評価のポイントが大変参考になった。
・地域経済活性化支援機構の短期トレーニー制度は当庫の人材スキルアップにも活用できるのではと
感じた。
・担当者間の情報交換ができ、本音の部分を聞くことができた。
・営業地域が近い他金庫の実情を具体的に聞くことができ、とても参考になった。
・もう少し時間があれば具体的な事例等が聞け、より参考になる点が多くなると思う。

本ページに関するお問い合わせ先

関東財務局宇都宮財務事務所理財課
電話番号:028-346-6302

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